品質工学会誌(2020年8月号)
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2020年8月24日 09時12分
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長野県品質工学研究会
2020年4月10日(金)に2020年度の第11回研究会をZoomミーティングにてオンラインで開催した(参加者:12名)。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「コロナウィルス拡散予測」(信州大学 岩下幸廣)
ホットな話題のコロナウィルスの感染拡大について、ロジスティックモデル、ゴンぺルツモデルを用いて予測を行った。中国、イタリア、スペイン等、海外での感染拡大は、ゴンぺルツモデルが当てはまり、今後の感染拡大が予測できた。一方、日本での感染拡大は、3月中旬以降は指数関数より拡散速度が大きく、感染爆発との結果になった。予測が外れ、緊急事態宣言などが大きな効果を発揮することを期待したい。
2020年5月15日(金)に2020年度の第1回研究会をオンライン(Webex)で開催したにて開催した(参加者:9名)。以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。その他、新型コロナウィルス検査に関連して、モンティ・ホール問題の話題提供があった。
【事例発表】
1.「コロナウィルス拡散予測」(信州大学 岩下幸廣)
前回の報告の続報として、新型コロナウィルス感染予測及び感染分布について報告した。国、県によって感染状況が異なるので、感染状況データと要因をT法などで解析すると今後の感染対策に役立つと思われる
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2020年6月号)
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2020年6月19日 10時37分
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長野県品質工学研究会
2020年2月7日(金)に2019年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した(参加者:8名)。以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化」(日本電産(株) 塚本ちさと)
2月14日開催の品質工学実践交流大会の発表資料 『パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化』について、改善案や意見などをもらった。
2.「コンセプト審査法による市販酒評価(第3報)データのT法による解析」 (KOA(株) 守谷敏)
長野県工業技術総合センター食品技術部門から、お酒の香り、味、甘辛、熟度、総合の官能評価点と機器分析データが報告されている。そこで、T法を用いて機器分析データから官能評価点が推定できるか、ηによる重み付けからどの成分が効いているのかを解析してみた。各官能評価点(真値)に対して、相関係数0.88〜0.96で推定でき、また評価項目ごとに効いている成分を求めることができた。
3.「T法による会社の売上げ推定」(KOA(株)守谷敏)
以前に、会社の売上と各種産業界の生産数や販売額をT法によって解析した。今回は、推定する年数を細かく区切り、ηによる重み付けから、売上と相関の高い(売上に効いている)業界がどのように変わってきたのかを調べた。この解析結果を、これからの経営戦略に生かすことを考えている。
4.「金属プレス特殊加工の最適条件 T法編」 ((株)サンコー 中増光宏)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計結果をT法で解析。直径が小さな穴と大きな穴の実験結果から、それらの中間に位置する穴径の実験結果を予測。
2020年2月14日(金)、品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した(参加者:27名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中西徹
2)品質工学実践事例(3件)
「パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化」日本電産(株) 塚本ちさと
「MT法を用いた射出成型の異常品判別」日本電産サンキョー(株) 中西徹
「コンセプト審査法による市販酒評価(第3報)データのT法による解析」KOA(株) 守谷敏
3)ポスターセッション・相談会※事例発表ポスター前で発表者とのディスカッション
4)特別講演会「製品開発力で勝ち残るための一考察〜品質工学とのつき合い方を考える〜」三菱電機(株) 鐡見太郎
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2020年4月号)
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2020年4月23日 08時07分
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長野県品質工学研究会
2019年12月13日(金)に2019年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門(長野県松本市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
1.「オンラインQEでのフィードバック制御の考察」 (信州大学 岩下幸廣)
保全における品質工学について劣化の状態を考慮した計算方法を検討し、定期保全、予防保全についての適用事例を報告した。その後内容について議論を行い理解を深めた。
2.「直交表と機械学習によるパラメーター最適化」 (日置電機(株) 小林昌史)
直交表を使ったデータ取得と、機械学習によるモデル化およびパラメーター最適化について報告した。品質工学の良い所を取り入れつつ、コンピューターパワーを利用してより良い設計値を探すという取り組みである。例えば、高次の多項式を使ったモデル化では、データが疎な部分においてフィッティングが極端な振る舞いを示す傾向があるが、直交表を使うことで、疎密の偏りのないデータ取得を行うことができる。研究会メンバーより、他社事例の紹介や、高次変数でのフィッティングなどについて、 様々な意見をいただいた。現在の取組について、アドバイスをいただける場所として品質工学研究会は非常に貴重な存在であると考えている。
3.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計。これまで一応の結果を得ている形状とは異なる形状で同様の実験を行い比較結果を報告。動特性として考える、T法で解析する、などの意見を得る。しかし2実験はそれぞれ独立していると考えるべきかもしれず、さらに検証が必要。
【特別講演】
「環境・情報技術部門におけるIoT及びMTシステムの取り組み紹介」
(長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門 情報システム部 西田崇)
長野県は県内中小製造業の生産現場におけるAI-IoTの利活用を促進するため、IoTデバイス事業化促進事業を実施している。具体的にはAI活用/IoTデバイス事業化・開発センターの開設や生産現場IoT技術研究会の開催、生産現場で低コストにIoT構築ができるセンターIoTキットの貸与等を行っている。また、AI技術にはMTシステムも活用している。それらの取組みについて紹介した。
2020年1月10日(金)に2019年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した(参加者:14名)。以下に示す5つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化」 (日本電産(株) 塚本ちさと)
高級食パンを家のホームベーカリーで作る事が出来ないか?という発想から、パラメータ設計を用いて高級食パンの評価を行った。パラメータ設計の結果を発表し、参加者から意見などを頂いた。
2.「パラメータ設計計算方法の検討(T法の適用)」 (信州大学 岩下幸廣)
パラメータ設計でのη、Sについて、T法を用いて推定値を求める方法提案し、参加者で議論した。直交表の変更やデータ数の検討などが必要であるが、より深い情報が得られる。
3.「T法のサンプル数についての検討をシミュレーションしてみた」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法のサンプル数については、「項目数より多い」という制限がない。しかし、あまりにも少ない場合は、項目と信号の相関が低いにもかかわらず、重み付けのSN比ηが高くなってしまうケースがある。そこで、最低何個くらいあれば妥当な解析ができるかをシミュレーションしてみた。
4.「T法の基準化について」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
T法では、中位の数セットのメンバーの平均値や、ひとつのメンバーで基準化し、信号データを使って重み付けの為のSN比を求めるが、メンバーの選び方で推定精度が変わる。そこで、推定精度が最もよくなるようなメンバーを選択する方法を提案し、研究会内で議論した。
5.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計について確認実験結果を報告。研究会参加から約半年間でパラメータ設計の基本的な流れを実践することができた。ここまでを一区切りとし、今後の進め方を再考する。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2020年2月号)
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2020年2月23日 08時05分
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長野県品質工学研究会
2019年10月11日(金)に2019年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「信州発!”信”SN比の提案」 (KOA(株) 守谷敏)
ゼロ点比例、標準SN比、エネルギー比型などいろいろなSN比があり、どれを使うべきか悩んでしまう。また、セミナーにおいても初心者が理解できるように腐心しているが、これもなかなか難しい。そこで、タグチの考えのまま、簡単で使いやすくしたSN比を提案した。11月の4県合同研究会で議論する予定である。
2.「新MT法の提案」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
従来のMT法の欠点を補う方法を考案した。その結果、判別精度を向上させることが可能となった。また、単位空間のサンプル数が項目数よりも少ない場合でも適用できるため、より汎用性がある。
3.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計の結果を報告し協議した。望目特性としてではなく望小特性として解析すべきではないかとの指摘あり。次回を待たずに会員間にデータを展開し、意見を求める。
【共通テーマ】
「小型PCによるMTシステム実験」
新たな共通テーマとして、「オンライン異常診断のシステム開発」を行う。このテーマは、製造現場の装置の異常診断などにMTシステムを活用するにあたり、オンラインで異常判定が可能なシステムを、安価な小型PCとセンサーで作ることを目標としている。今後、取り組む事例を決め、共通テーマとして活動する。
2019年11月8日(金)に第16回品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)を日置電機株式会社(長野県上田市小泉)にて開催した。23名(埼玉6名、北陸1名、山梨3名、長野13名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【工場見学】:会場の日置電機(株)の見学
【各県研究会の近況報告】:参加各県の研究会の活動が報告された。
【企画1:長野発!"信"SN比の提案】(KOA株式会社 守谷敏)
長野発の新SN比についての紹介とディスカッションを行った。計算式がシンプルで分かりやすいのが特徴である。
【企画2:長野発!改良型T法の提案】(信州大学 岩下幸廣)
長野発の改良型T法についての紹介とディスカッションを行った。非線形成分への対応や重み付けのSN比ηを最適化するソルバー法など、推定精度を高める独自の工夫を行っている。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2019年12月号)
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2019年12月24日 13時12分
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長野県品質工学研究会
2019年8月9日(金)に2019年度第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「LabVIEWを用いた品質工学手法のプログラミング」((有)増田技術事務所 増田雪也)
グラフィカルプログラミング言語「LabVIEW」を用いて、品質工学手法(MT法、T法、パラメータ設計)をプログラミングした。特にMTシステムでは、自分でプログラミングすることによる気付きが多く、新たな解析手法のヒントが得られるメリットがある。
2.「品質工学Excelマクロの簡単な紹介」 ((株)日本電産サンキョー 中西徹)
品質工学の数理は初心者には難解な事が多く、敷居を高くしてしまっている。そこで、社内で標準インストールされているExcelを使って解析出来るマクロツールを準備した。利用者の使いやすさ、データを可視化する事による異常値の早期発見を第一に考えた。本ツールを社内講習時に使ってもらう事で、計算している内容に興味を持つ技術者も増えてきた。初心者には、算術的な教育から入るのでは無く、身近に触れてもらうツールを準備する事でQEの普及にも効果があると実感した。
3.「MT法とT法による予測式」 (信州大学 岩下幸廣)
T法を工夫して、非線形データの予測への適用が行われている。新たな方法として、MT法とT法を組み合わせる方法を提案し、参加者で議論を行った。
4.「パラメータ設計の進め方」 (日本電産(株) 塚本ちさと)
社内の品質工学を知らない人と一緒にパラメータ設計をする事が多くなったので、パラメータ設計の進め方をフロー図にした。研究会メンバーにフロー図について忌憚なき意見をもらった。「相談者などの一般人向け」と、「社内QE研究会参加メンバー向け」に分けて考える事が必用。まずは「社内QE研究会参加メンバー向け」の資料として考え、フロー図の見直しを実施する。
5.「金属プレス特殊加工の最適条件」 ((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求める実験について報告し、結果処理の方法についてアドバイスを受けた。ひとつの実験値が他の実験値の傾向と違っていることについて、この実験値を除く他の実験値からT法で推定値を作成し比較する、など。
2019年9月13日(金)に2019年度第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「T法による作業中断要因分析」 (日置電機(株) 兒玉光)
製造ラインでの作業中断と部品検査データの関係について、T法を用いて分析し、改善活動の提言をおこなった事例の紹介をおこない、以下のような指摘を得た。
・目的変数と説明変数がともに結果のデータとなっているため、説明変数を工夫したほうが良い
・結果データ同士の相関関係の把握のみであれば相関分析で充分ではないか
・管理図の作成方法について
2.「金属プレス特殊加工の最適条件」 ((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計について確認実験結果を報告。これまで最適条件の判断基準を2つ設けていたが、トレードオフの関係にあるため、まとめて判断する方法について協議し、有効な案を得た。
3.「T法の項目選択 直交表 vs スパース推定」 (長野県工業技術総合センター 古布諭)
T法の項目選択の方法について、2水準系直交表を用いた場合と、スパース推定の代表的な手法である「LASSO」を用いた場合とで、選択される項目や予測精度の比較を行った。
【共通テーマ】
新規の共通テーマの検討を行った。会員企業のAI/IoTに関する知見を得ることを目的として、ラズベリーパイ等の小型PCと安価なセンサーを用いて、MTシステムの実験に取り組むことになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2019年10月号)
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2019年10月29日 08時07分
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長野県品質工学研究会
2019年6月14日(金)に2019年度第2回研究会を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「実験計画法について」 ((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレスの穴あけ加工時にせん断を長くする最適条件を,L9直交表による実験で求めた。発表後のディスカッションで,使用した因子に金型の摩耗を意味するものが含まれており,それをノイズとすれば,生産を考慮した品質工学的アプローチに路線変更可能とのアドバイスを受けた。
2.「2018年度 NT/C品質工学活動報告」 (日本電産(株) 三宅拓郎)
品質工学に関する、昨年度の社内での活動状況を報告した。また活動の1事例として、接着剤塗布量のばらつき改善の評価結果について報告した。過去の評価、経験等から影響がありそうなパラメータを抽出し、L8直交表を用いて影響度を確認した。結果、塗布機の違いが最もばらつきに影響することが判明した。研究会メンバーより、次のステップとして、塗布機自体に注目してパラメータ設計を実施、改善を進めてはどうか、また今回は塗布量一定の静特性として評価しているが、塗布量を変更して、動特性として評価するのもよい等、貴重な意見をいただいた。いただいた意見を参考に、内部での活動に反映していく。
3.「T法を用いたソフト評価時間予測 進捗報告」 (日置電機(株) 高橋博之)
T法によるソフト評価時間予測ついて、一定の効果が得られる見通しがついたため、社内での運用を開始した。ソースコードを流用して開発したソフトの見積りについて、流用の度合により、誤差が大きくなる懸念がある旨、相談させていただいたところ、現行の全ソース行数の他に、流用したコード行数の情報を付加する方法を提案いただいた。今後、社内の仕組みへ展開する。
2019年6月14日(金)に品質工学導入講習会(出席者:27名)を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)にて開催した。
1 主催者あいさつ、品質工学の概要説明
2「パラメータ設計の基本的考え方」(有)増田技術事務所 増田雪也
3「MTシステムの基本的考え方」東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株) 中山博之
4「オンライン品質工学の考え方」信州大学 岩下幸廣
5「長野県品質工学研究会の紹介」長野県品質工学研究会事務局 児野武郎
6「品質工学本格導入のためのセミナー・講演会について」公益財団法人長野県テクノ財団
2019年7月12日(金)に2019年度第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「板金プレスの特殊加工における生産条件」 ((株)サンコー 井上貴裕)
材料板厚に対するせん断長の比率が、従来より高いことを特徴とする板金プレス特殊加工において、生産の最適条件を求める作業の進捗状況を報告。金型の摩耗を疑似的に再現する方法や、実験データの処理方法について数多くのアイディアを得た。
2.「画像処理へのMT法適用検討」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
画像処理にMT法を適用するにあたり、社内教育資料として、”間違い探し”をMT法で試してみた。実際にカメラを使った画像処理を想定し、元画像の位置精度や明るさを変えた画像50枚と、5か所の間違いがある1枚の画像を用意した。単位空間は元画像50枚としたが、何処に間違いがるのかを調べるために、画像を5分割し、それぞれの場所で単位空間を作成した。特徴化は、画像の重心(X,Y,Z)の3項目で行った。その結果、微小な画像の変化には不向きでは有るが、たった3項目でもかなりの判別が出来る事が判り、特徴化の方法としての重心監視の有効性を確認出来た。また、微小な画像の違いの判別を行うために、分割数を増やす事で十分対応出来るものと考える。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
BNCコネクタの機能性評価を実施した事例について、これまでの経過と解析結果を整理して報告し、以下の内容について、ディスカッションをおこなった。
・動特性として評価できないか(入出力を電流・電圧にする)
・L8直交表の使用
・繰り返しのデータを平均化せず生データで計算する
・誤差成分をさらに分解したほうが良い
・サンプルによってノイズの影響の仕方が違う
・実験サンプル数について
・実験の際の配線抵抗の影響について
・要因効果図の信頼性と確認実験の必要性について
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2019年8月号)
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2019年8月21日 09時16分
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長野県品質工学研究会
2019年5月10日(金)、本年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成30度の事業報告および令和元年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は12(正会員:8、特別会員:4)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【品質工学活動状況報告会】
新規加入検討企業4社が第1回研究会を見学した。研究会の様子や会員企業の品質工学の実践内容について、各会員が以下に示す紹介発表を行った。品質工学普及の苦労話や工夫など、気軽な雰囲気で紹介することができ、大変良かったと感じた。
・「タカノにおける品質工学の活用事例」タカノ(株) 中原健司
・「品質工学にまつわる話題提供」(有)増田技術事務所 増田雪也
・「日本電産(株)長野技術開発センターにおける品質工学活動」日本電産(株) 塚本ちさと
・「T法による特性値の推定」KOA(株) 守谷敏
・「日置電機の品質工学取組紹介」日置電機(株) 兒玉光
・「実用的なバーチャル評価方法の検討」日精樹脂工業(株) 常田聡
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2019年6月号)
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2019年6月29日 12時15分
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長野県品質工学研究会
2019年2月1日(金)、品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中西徹
2)品質工学実践事例(3件)
「技術開発に品質工学を活用しよう」長野県工業技術総合センター 児野武郎
「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」日置電機(株) 兒玉光、高橋博之
「パラメータ設計を用いた、モータ設計」日本電産(株) 三宅拓郎、塚本ちさと
3)ポスターセッション・相談会※事例発表ポスター前で発表者とのディスカッション
4)特別講演会「SKYACTIVエンジン開発への品質工学の適用とその展開」マツダ(株) 武重伸秀
2019年2月8日(金)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す5つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法を用いた衝撃試験機の条件出し」 (長野県工業技術総合センター 古布諭)
衝撃試験の試験条件は、製品によって異なる。これまで衝撃試験機の設定は、実績をもとに、トライ&エラーで行ってきたが、今回、T法を活用し設定を予測できるか検討した結果、実測と予測の相関がよいことが分かった。今後、Excelで予測システムを作る。
(2)「なでしこリーグの観客動員数に影響を与えている因子の研究 AC長野パルセイロレディース編」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
あるなでしこリーグの観客動員数の変動原因をT法にて調べてみた。目的変数はホームゲーム開催時の観客動員数で、説明変数は、対戦相手・天気・気温・得失点他 全39項目とした。人気チームの時に増える事、大量得点が予想されるカードや、勝った次のゲームで動員数が増える等の結果が得られた。
(3)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」(日置電機(株) 兒玉光)
(4)「T法における項目選択についての提案(選択から調整へ)」(信州大学 岩下幸廣)
T法における項目選択について、Excelでのソルバーを使用した事例を紹介した。また、それについて議論を行った。
(5)「新しいSN比計算式の提案」(KOA(株) 守谷敏)
従来のSN比計算式は、全実験番号の信号因子の水準数、水準値を同じにして計算しないと値が変わってしまい、評価できないという問題があった。そのため、実験番号ごとに信号因子が異なっても使えるエネルギー比型SN比や、同一の実験番号の誤差によって信号因子が変わっても使える前田式SN比が提案されている。そこで今回、最もシンプルで、どんな信号因子にも対応したSN比計算式の提案を行った。考え方はタグチのSN比そのものである。研究会でもう少し検証してから公開する予定である。
2019年3月8日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す4つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「標準SN比と望目特性のSN比の解説」((有)増田技術事務所 増田雪也)
標準SN比と望目特性のSN比について、初心者向けに解説した。品質工学を道具として活用できれば十分なので、細かな点を説明しないことで理解度が向上すると考えている。
(2)「MT法の波形の特徴化の方法について」(日本電産サンキョー(株) 中西徹)
最近、MT法を搭載したPLCが発売された事もあり、有効な特徴化の方法の検討と項目選択の有効性を検討した。 複数の特徴量を取入れる事で判別しにくい波形のMD値が約4倍にまであがった。項目選択をした方が更に判別精度は上がるが、未知の不良への対応等を考慮すると項目選択はしない方がよさそうである。
(3)「標準SN比を使った事例紹介」(日置電機(株) 兒玉光)
標準SN比を使用して周波数特性の改善検討をおこなった事例の紹介をおこなった。標準SN比を用いることで、非線形対象についてもロバスト性を確保できること、さらに、理想の波形にチューニングできることが分かった。また、標準SN比の算出過程に一部誤りがある事を指摘いただいたため改善を行う。
(4)「GR&Rの結果をSN比で求めてみたけど・・・」(日本電産(株) 塚本ちさと)
GR&Rは取ったデータに左右されてしまう事があるので、エネルギー比型SN比で計算した。SN比での判断の仕方やGR&Rのデータの取り方についてディスカッションした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2019年4月号)
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2019年5月1日 07時53分
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長野県品質工学研究会
2018年12月14日(金)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す研究発表、事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【研究発表】
「機械学習とMT法を用いたプレス加工音による金型摩耗の検知」 (長野県工業技術総合センター 新村諭)
本研究ではMT法と 機械学習であるk-means法を使い、マイクロホンを用いてプレス金型の摩耗を検知させた。プレス機周辺では様々な音がするため、k-means法で17個の集団に分割し、それぞれで単位空間を生成した。
【事例発表】
(1)「T法における非線形データ処理ついて」 (信州大学 岩下幸廣)
非線形データを対数変換などすることによってT法を活用することができる。事例などからその方法を分類、整理した。
(2)「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」 (日置電機(株) 兒玉光)
T法について、目的変数を対数変換する手法を用いたところ、目的変数が大きい時に、予測値がかいり離する現象が発生したため、対処方法を相談し、以下のようなアドバイスをいただいた。
・対数変換前と比較して、相関係数が大きくなっている場合は予測精度は向上していると判断して良く、係数をかけて補正するとよい。
・目的変数、説明変数について対数変換の効果を効率的に検討する手法を紹介いただいた。
・今回の問題とは関係ないが、説明変数について言語データの数値化方法に間違いがあることを指摘いただいた。
【共通テーマ】
「MTシステムによる加工部品の品質推定」
旋盤加工時の加速度センサ、AEセンサデータの解析結果と加工条件から、製品の表面粗さ(算術平均粗さRa)をT法で推定した。その結果、真値と推定値で相関係数0.9程度の結果が得られた。今後あらためて旋盤加工実験を行い、粗さが推定できるか確認する。
2019年1月11日(金)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す研究発表、品質工学実践交流大会予行および事例発表についてディスカッションした。
【研究発表】
「プレス加工製品の高性能化に関する研究」 (長野県工業技術総合センター 長洲慶典)
スイッチとして使用されるプレス部品の適正形状を得るために、実験計画法とCAEを組み合わせて部品形状の最適化を試みた。解析結果に基づき金型設計・金型製作・評価試験した結果、目標とする部品性能(最大圧縮荷重/クリック率)を有することを確認した。
【品質工学実践交流大会予行】
2019年2月1日に実施予定の品質工学実践交流大会で発表する3テーマについて、発表の予行を実施した。
・「技術開発に品質工学を活用しよう〜パラメータ設計の事例から〜」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
・「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」(日置電機(株) 兒玉光、橋博之)
・「パラメータ設計を用いた、モータ設計」(日本電産(株) 三宅拓郎、塚本ちさと)
【事例発表】
「T法で定性的なデータを扱う場合」((有)増田技術事務所 増田雪也)
定性的なデータを扱う場合に、項目及びその水準値をどう設定するのか紹介した。重回帰分析と同じような処理をすると、貴重な情報が欠落する事例を説明した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2019年2月号)
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2019年2月27日 08時18分
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長野県品質工学研究会
2018年10月12日(金)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法の展開」 (信州大学 岩下幸廣)
T法は基準となるデータから推定式を作成する。推定式は線形式を基本としているが、帰納的推定の幅を広げるために、非線形現象への拡張を検討し、まず「べき関数」を使用する方法を議論した。他の方法も検討を進めたい。
(2)「ミニ四駆を使ったパラメータ設計」 (富士電機エフテック(株)大島宏一)
品質工学の素人が品質工学の職場への普及を狙い、単純構造のミニ四駆を使ったパラメータ設計に取り組んだ事例を紹介した。
・機能:コースに依らず安定して走行する。
・入力:周回数
・出力:スプリット・タイム
・制御因子:主要部品をL18直交表に割り当て
・ノイズ因子:正式コースの構成要素を模擬した8要素
利得の再現性が悪かったが、今後、出力等を見直し再現性の改善を図る。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
3種類のBNCコネクタについて、L9直交表に誤差因子を割付けて直交実験を実施した経過を報告し、ディスカッションをおこなった。データのまとめ方、S/N比の算出方法等について指摘があった。次回の定例会にて実験の結果を報告する。
「MTシステムによる加工部品の品質推定」
旋盤で条件を変えながら加工した試料について表面粗さ測定を行った。試しに加工条件と算術平均粗さで重回帰分析を行ったところ、比較的相関が高い結果となった。これは、項目に対して実験データが少ないためと考えられる。次回は、同じデータをT法で解析し比較する。
2018年11月9日(金)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」 (日置電機(株) 高橋博之)
社内で採用しているソフトウェア評価時間見積りの算出方法では、実際の評価時間と乖離する場合が多いため、T法を用いて評価時間の推定と検証をを行った。T法を用いることで、現行よりも相関が高い結果が得られたが、規模の小さい製品について、推定評価時間がマイナス値となるケースがあった。対数を用いた解決方法を教示いただいたので、今後効果を確認することとした。
(2)「T法で、1/βを使うわけ」 (信州大学 岩下幸廣)
T法では推定式に1/βを使用しているが、重回帰分析等と比較しながら、その意味についての検討結果を報告した。その後参加者で議論を行い、考え方のすばらしさを改めて認識した。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
3種類のBNCコネクタについて機能性評価を実施した事例について、望目特性を用いてS/N比を計算した結果を報告した。
・トラブルが発生したBNCコネクタのSN比が最も低く、構造的に優位性があると考えられるBNCコネクタのSN比が最も高く出た。
・誤差因子の影響について検証するため要因効果図を作成した。
今後、誤差因子に耐久性を加えた実験を実施する予定。
「MTシステムによる加工部品の品質推定」
今回議論無し
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2018年12月号)
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2018年12月22日 16時43分
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長野県品質工学研究会
2018年8月10日(金)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す特別講演、事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【特別講演】
「設計の「従来の思考」と「タグチメソッド」」&「提供する文献の簡単な紹介」宇井經雄氏(当会元会員 宇井技術士事務所)
当研究会の元副会長の宇井氏にご講演をいただいた。火縄銃の実験を例に、ノイズを与えて評価することの大切さが品質工学のオリジナリティであることをご説明いただいた。また、宇井氏の所蔵する書籍を研究会に寄贈いただいたので、貴重な資料として活用していきたいと考えている。
【事例発表】
「T法のVAへの適用 〜ノートPCの装備と価格〜」 (KOA(株)守谷敏)
ノートPCの価格を真値、画面サイズ、CPUクロック、DVDありなしなどの装備を項目値としてT法による解析を行った。推定式のηがVAでの価値係数ということになる。推定値に対して真値が安ければお買い得,高ければ損というように判断ができる。同じ装備での価格差はブランドの差と考えられるが、これを項目値に入れ込むことも検討していきたい。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
機能性評価を実施するにあたり、BNCケーブル、測定器の現物を用意して、部品の構造や、接触抵抗の測定方法について確認し、誤差因子や、実験時の注意点についてディスカッションをおこなった。誤差因子の候補として、温度、接続部への外的荷重、コネクタのロック、磨耗、異物等が挙げられた。また、実験時の注意点として、樹脂部品の残留応力の除去、電圧-電流での評価、実験の再現性、データの測定回数等の意見が挙げられた。
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
旋盤による切削実験の途中経過を報告した。バイトの摩耗具合(小、中、大)と切込み量(0.1mm、0.2mm、0.3mm)をそれぞれ3水準設定し、切削時の振動とAEデータをセンサにて取得した。それぞれの条件による加工後の試料を保存したので、今後加工面の表面粗さ等の形状データも取得しデータ解析する予定である。
2018年9月14日(金)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「直交表の内側にノイズを割り付けた場合の解析について」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
18回の実験で、最適条件が求まると勘違いしている設計者が多く、実際には直交表の外側に配置したノイズにより36回の実験が必要となる。ノイズを含めて18回で実験が出来るようにするために、直交表の内側(A列)にノイズを割り付けた。従来の実験の要因効果図と比較しても、ほぼ同様の要因効果図が得られており、実験回数の削減は可能と考えられる。
(2)「最小絶対値法によるロバスト回帰」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
品質工学とは直接関係ないが、データの回帰式の求め方にExcelのソルバーを用いた最小絶対値法による手法を紹介した。外れ値に対してロバスト性を持つため、データの特性によっては活用できる可能性がある。
【共通テーマ】
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
旋盤での加工時に取得した振動センサ等のデータと加工後の表面粗さの測定結果をグラフ化して目視で比較し、分析方法の議論をした。その結果表面粗さパラメータを真値とし、センサーデータの統計量を用いてT法で推定できるか検討することにした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2018年10月号)
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2018年10月24日 11時53分
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長野県品質工学研究会
2018年6月8日(金)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
(2)「SN比が無かった時代の品質工学」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学会誌(Vol.6,No.1,pp12)の「品質工学の数理(12.機能のロバストネスの評価、SN比以前と以後)」から、タイルの焼成事例について、SN比が無かった時代の品質工学について紹介した。以前は分散分析が必須であったが、SN比の発明によって、ロバスト性の評価が飛躍的に簡単になった。
【共通テーマ】
「MTシステムによる工作機械の異常検知」については、継続とする。
新たに「BNCケーブルの機能性評価」を実施することになった。
2018年7月13日(金)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「単位空間が項目数>メンバー数の時のMT法による解析について」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
設計段階では、サンプル数が少ない事もありMT法を適用する事が難しい場合が多い。そこで、2項目の総当たりマハラノビス距離の行列を求め、項目毎に平均値を算出し、それを新たな項目として誤圧の距離を求めた。そして、通常のMT法と誤圧の判別精度を比較した結果、本方法が最も判別精度が高くなった。今後事例を増やして有効性を確認したい。
(2)「多変数の損失関数について」 (信州大学 岩下幸廣)
損失関数は1特性によって計算されますが、複数特性による計算が必要になることがあります。そこで、多特性による損失関数を、まず特性間に相関がない場合を検討し、次にMT法を使って特性間に相関のある場合の検討を行った。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」(日置電機(株) 兒玉光)
BNCケーブルの機能性評価を題材に取り上げるに至った経緯とBNCコネクタの構造説明、繰り返し挿抜による嵌合部の接触抵抗値の推移を測定した結果報告をおこなった。また、機能性評価を実施するにあたり、今後の検証方法について議論おこない、次回定例会までに、候補に挙げた誤差因子が有効性を検証することとした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2018年8月号)
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2018年8月25日 08時46分
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長野県品質工学研究会
2018年5月11日(金)、本年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成29度の事業報告および平成30年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は13(正会員:9、特別会員:4)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演】
「品質工学に期待すること」(日本電産(株)精密小型モーター事業本部 長野技術開発センター所長 西村秀樹)
【活動状況発表会】
新規加入検討企業3社が第1回研究会を見学した。研究会の様子や会員企業の品質工学の実践内容について、各会員が以下に示す紹介発表を行った。品質工学普及の苦労話や工夫など、気軽な雰囲気で紹介することができ、大変良かったと感じた。
・「技術者教育プログラムと品質工学の事例」KOA(株) 守谷敏
・「品質工学の普及方法について」(有)増田技術事務所 増田雪也
・「日本電産(株)長野技術開発センターにおける品質工学活動」日本電産(株) 塚本ちさと
・「日置電機の品質工学の取り組みについて」日置電機(株) 兒玉光
・「設計ナレッジと品質工学」日精樹脂工業(株) 常田聡
・「タカノにおける品質工学の取り組み」タカノ(株) 中原健司
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品質工学会誌(2018年6月号)
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2018年6月25日 07時38分
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長野県品質工学研究会
2018年2月9日(金)、品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中西徹
2)品質工学実践事例(3件)
「丸パイプを使ったオフィス用いすの反力装置開発」タカノ(株) 中原健司
「T法を用いた我が家の電気使用量の推定」(有)増田技術事務所 増田雪也
「MT法を使った波形の判別事例」日本電産サンキョー(株) 中西徹
3)自由討論および相談会※事例発表ポスター前で発表者とのディスカッション
4)特別講演会「IoT・AIの活用を加速する技術『MTシステム』〜イプシロンロケット自律診断の例から〜」アングルトライ(株)手島昌一
2018年2月18日(金)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「もっといい品質工学」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
「もっといい品質工学」とは、『誰もが簡単に使える実践的な品質工学』というコンセプトで、「品質工学の慣習」や「田口玄一氏の考え方」を追認せず、品質工学を再解釈したものです。ポイントは、教科書通りの品質工学に執着し過ぎないことです。具体的には、次の5つの点です。
(a) 基本機能はアバウトでOK
(b) 基本機能はたくさんでもOK(多目的な最適化)
(c) 静特性でもOK
(d) 利得の再現性は、悪くてもOK
(e) 直交表は使った方がベター(機能性評価をチヤホヤし過ぎない)
(2)「2段階設計、そのネーミングの問題点(だから品質工学は誤解される)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
「2段階設計」というネーミングの問題点について紹介した。大切なのは「2段階」か否かではなく、最初にバラツキを小さくし、次に目標値に合わせ込むという順番である。また、バラツキと目標値の合わせ込みは、実際には同時に実施するので、「1段階(同時並行)設計」が適切な表現である。
【共通テーマ】
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
摩耗状態が異なるバイトを用いて切削加工を行い、同時測定したAEセンサと加速度ピックアップの測定データについて特徴量(存在量・変化量、FFT重心)を計算した。この計算した特徴量から、バイトの摩耗状態がMT法により判別可能かどうか検討し、摩耗の状態が大きく異なる場合には判別可能であることが分かった。
2018年3月9日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す4つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「直交表は条件を満遍なく均等に振るための道具です(交互作用をチェックする道具ではありません)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
交互作用の大小は、人間にはコントロールできないのでチェックしても無駄である。直交表は、条件を満遍なく均等に振るための道具として、誰もが気軽に使えば成果も出る。
(2)「混合系の直交表に執着するのはナンセンス(L9直交表だって普通に使おう)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学では、混合系の直交表(L18など)が推奨されているが、交互作用が各列に均等に配分されても、主効果のみが要因効果図に現れる訳ではないので、混合系を使うメリットが無い。従って、非混合系でも普通に使って大丈夫である。
(3)「品質工学では交互作用の扱いがダブルスタンダードな件について(交互作用は、悪か?良か?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学では、制御因子と制御因子の交互作用は悪で、制御因子とノイズの交互作用は良とされている。どちらも同じ交互作用なのに、扱いがダブルスタンダードなことの問題点を指摘した。
(4)「ワイブル分布によるオンライン品質工学」(信州大学 岩下幸廣)
生産機械の定期保全、検査について、ワイブル分布を用いオンライン品質工学の考え方を使って最適化する方法を検討した。また、事例研究を行った。
(5)「素人が素人に品質工学を説明すると…」(日本電産(株)塚本ちさと)
品質工学を知らない人に、品質工学をどのように理解して貰うかを考えた。
・身近な物での説明
・専門用語を出来るだけ使わない
・もの作りの上流過程で使用する
・品質工学の神髄はパラメータ設計であり、品質を良くする事は出来ません。
・品質工学は、研究会の支援が必要
この内容で、素人が素人に説明した。
【共通テーマ】
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
切削加工時のセンサデータ(AE、加速度)から特徴量を抽出し、RT法により工具の摩耗状態を推定した。その結果、MT法と同様に摩耗の程度を判別可能であることが分かった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2018年4月号)
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2018年4月27日 09時57分
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長野県品質工学研究会
2017年12月8日(金)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「要因効果図の見せ方の工夫」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
従来のSN比の水準平均をプロットした要因効果図は、見慣れない技術者には誤解が多い。そこで、従来(比較条件)を0とし、要因効果のみをプロットしたグラフにしたところ、改善出来る水準が一目で判る為提案した。今後、研究会の中で議論する事とした。
(2)「T法の改良について」 (信州大学 岩下幸廣)
T法適用を拡大するために、@T法の考え方を振り返り、Aその後に提案されたSN比との比較、B推定式の精度を上げるための前田氏の考え方(MSR)、等の紹介を行い、それぞれのメリット、デメリットを比較した。
(3)「パラメータ設計の事例紹介」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
新入会員向けにパラメータ設計の事例紹介を行った。パラメータ設計は難しい手法ではなく、誰でも活用できる便利は手法であることを理解してもらえることができた。
【共通テーマ】
「スーパーボールのパラメータ設計」
市販のPVA及び食塩を用いて、スーパーボールの試作をした。その結果、安定的に作製することが非常に困難なことが分かった。初心者向け事例研究として考えているため、今後は市販のスーパーボール作製キット用いて、試作を行う。
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
旋盤において切削条件を変えて加工したときのAEセンサと加速度ピックアップの測定データについて、FFT重心を計算し、その計算結果をMT法により評価した結果について検討した。
2018年1月12日(金)、第9回研究会を日本電産サンキョー株式会社(長野県伊那市上の原6100)にて開催した。以下に示す内容および共通テーマについてディスカッションした。
【会員企業紹介】
・「あいさつ」日本電産サンキョー株式会社 生産技術統括部 統括部長 竹村清明
・「日本電産サンキョー株式会社様紹介」 日本電産サンキョー 中西徹
・工場見学
【事例発表】
(1)「経営者層向け品質工学の紹介プレゼン」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
忙しい経営者層向けに30分で品質工学のメリットを紹介するプレゼンをした。性能を安定させることでトラブルを防ぐ。性能の安定性はSN比で評価する。
(2)「射出成形機の異常波形判別について」 (日本電産サンキョー 中西徹)
内容は会社都合により省略
(3)「T法の改良について(第2報)」 (信州大学 岩下幸廣)
前回に引き続き、@T法の適用を拡大するための方法の整理、A重回帰分析適用拡大の考え方の整理を行った。さらに、未知データの推定へ適用してメリット、デメリットを比較したが、大きな差がみられなかった。
【共通テーマ】
「スーパーボールのパラメータ設計」
PVAと食塩を使ったスーパーボールは品質が安定せず、実験が難しいことが分かった。そのため、工芸用ラテックスと食酢・クエン酸を用いることとした。比較的安定した製作が可能で、今後濃度などのパラメータを調整しながら、予備実験に取り組むこととした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2018年2月号)
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2018年2月26日 10時10分
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長野県品質工学研究会
2017年10月20日(金)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「IoT、AIと品質工学」(信州大学 岩下幸廣)
8月の研究会に参加できなかったメンバー等からに要請で、再度「On-Line QEによるIoTの最適化及びMT法のAIへの適用」について、生産機械での考え方、検討事例を発表した。今後、品質工学のIoT及びAIへの適用の検討を更に進めたい。
【共通テーマ】
「機能性評価テーマの検討」
以前報告したボールの機能性評価の事例を参考に、機能性評価テーマの検討を行った。ボールの種類は標示因子であって、単純な比較は問題があるという意見があった。また、スーパーボールについては家庭にあるものを用いて作ることも可能であり、そのパラメータ設計を行うのもどうかという意見も出た。その配合を調査するなど、今後も検討を続ける予定である。
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
AEセンサー等のセンサーを用いて、工作機械の異常を検知したい。次回、既にあるデータを見て、どのような解析が可能かを検討することになった。
2018年11月17日(金)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「時間を入力とした場合の機能性評価」(信州大学 岩下幸廣)
時間を入力とした場合の機能性評価は、化学変化の式などが知られているが、他の方法について検討状況を報告した。
(2)「Excel関数を使って、一般化逆行列を求める方法」(日置電機(株) 永岡正敬)
MTシステムにおいて、多重共線性がある項目を計算する場合の回避方法として、相関係数行列の代わりに余因子行列を使うMTA法がある。しかしそれとは別に、一般化逆行列を使ってみるのも一つの手として考えられる。
今回、Excel関数だけを使って、近似計算で一般化逆行列を求める方法を紹介した。
一般化逆行列を使えば、多重共線性が複数あってももっともらしい計算ができるため、解析の幅が広がる可能性があると考える。
(3)「品質工学学習教材コマ実験セットを用いたパラメータ設計の解説」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
タカノ(株)から発売されている品質工学学習教材コマ実験セットを用いて、パラメータ設計手法の初心者向け解説を行った。考えるべき因子など、実験手順を追いながら品質工学の解説を行った。
【共通テーマ】
「MTシステムによる工作機械の異常検知」
工業技術総合センターの旋盤を用いて、バイトを3種類(摩耗大、中、小)変えて、それぞれのバイトで切込量を3パターン変化させて加工したときのバイトに生ずるAEセンサと加速度ピックアップの測定データについて報告した。また、測定データについて、MT法による処理方法を検討した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2017年12月号)
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2017年12月25日 13時22分
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長野県品質工学研究会
2017年9月13日(水)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に内容を示す。
【特別講演会】
「伊達政宗は宮城県に何を残したか」谷本勲 品質工学会会長、アルプス電気(株)技術顧問
【品質工学会との意見交換会】
・「地方研究会との連携のために」品質工学会 地方委員会委員長 上杉一夫
・「代議員選挙の説明と協力のお願い」品質工学会 総務部会副部会長 救仁郷誠
・連携強化及び代議員選挙体制について研究会との意見交換
【事例発表】
「MT法よる音声と個人判別の試み」 日本電産サンキョー 中西徹
音声を短時間FFT(STFT)変換し、時間、周波数、音圧のマップから3つの重心を求め、それを項目としてMT法で判別したところ、言葉の違い、イントネーションの違い、人の違いを判別する事が出来た。
【共通テーマ】
「共通テーマ検討」
新会員向けに機能性評価の共通テーマを新たに設定することになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2017年10月号)
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2017年10月16日 10時42分
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長野県品質工学研究会
2017年7月13日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法による長寿の要因分析(3回目)」長野県テクノ財団 岩下幸廣
長寿の要因についてT法で解析したが、前回までの発表では参加者の理解が得られなかった。そこで「項目間の相関が強い場合のT法」として、2つの方法及び手順を提案、整理して、関係者で議論を行った。
(2)「T法の項目診断について」日本電産サンキョー 中西徹
T法はエクセルの関数のみで計算出来る事から、他の手法に比べると品質工学初心者への普及も比較的敷居が低い。ところが、有効項目を取捨選択するための項目選択は、2水準系の直交表を用いて行われていて、エクセル関数のみで処理するには難しい。一方、項目選択を1項目ずつで行う方法も提案されており、こちらは比較的容易に計算出来る。そこで、これらの項目選択のやり方で、推定精度に差が出てくるのか、3つの事例を使って試してみた。その結果、推定精度への影響は大きくは無いが差がある事が判ったが、どちらが有効かという結論には至らなかった。今後も研究会を通じ、簡単で有効な項目選択の方法を検討する事となった。
(3)「MT法と標準化誤圧による判別について」長野県工業技術総合センター 児野武郎
材料試験機による打抜き加工時のストローク-荷重曲線から、加工時の異常についてMT法と標準化誤圧による判別を試みた。その結果、両者とも比較的良好な判別ができた。標準化誤圧は比較的簡便に計算できるため、中小企業への普及の可能性を得ることができた。
【共通テーマ】
「共通テーマ検討」
MT法で指紋認証等の画像判別を検討する。また、製造工程の監視をMT法を使って行う等のアイディアが出された。
2017年8月10日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「IoTとオンライン品質工学」 信州大学 岩下幸廣
On-Line QEによるIoTの最適化及びMT法のAIへの適用について、生産機械での考え方、検討した事例を発表した。今回の発表をベースに、品質工学のIoT及びAIへの適用の検討を進めたい。
(2)「ボールの機能性評価について」 長野県工業技術総合センター 児野武郎
ボールの跳ね返りについて調べた小学生の自由研究の結果を分析し、床の硬さが変化しても同じように跳ねるボールを優れたボールとして、機能性評価を行った。その結果、ウレタンボールが最もSN比が高く、ゴルフボールやビー玉は低いことが分かった。今後の研究会における事例研究のヒントとなった。
(3)「MT法による部品の画像判別」 KOA(株) 守谷敏
MT法を用いて電子部品の汚れ判別を行うことを検討している。画像を濃度データに変換し,4項目の特徴量として解析を行った。さらに項目診断で2項目に絞り込んでみたところ,十分使えそうな感触が得られた。今後は部品の判別対象範囲や単位空間の見直しを行い,判別精度を上げていく予定である。
【共通テーマ】
「共通テーマ検討」
テーマを検討し、工業技術総合センターが保有するAEセンサーを用いて、工作機械の異常診断を行うこととなった。今回はAEセンサーの実物を持ち込み、どのような測定ができるか検討した。次回以降、実際に工作機械に取り付け、データ取りを試みる予定である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2017年8月号)
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2017年8月21日 09時53分
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長野県品質工学研究会
2017年5月18日(木)、本年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成28度の事業報告および平成29年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は9(正会員:6、特別会員:3)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【活動状況発表会】
新規加入検討企業3社に、第1回研究会を見学していただいた。研究会の様子や会員企業の品質工学の実践内容について、各会員が以下に示す紹介発表を行った。品質工学普及の苦労話や工夫など、気軽な雰囲気で紹介することができ、大変良かったと感じた。
・「長野県品質工学研究会の活動内容紹介」長野県工業技術総合センター 児野武郎
・「品質工学の普及方法について」(有)増田技術事務所 増田雪也
・「日精樹脂工業における品質工学の活用」日精樹脂工業(株) 荒井亮平
・「日本電産サンキョーの取組と反省」日本電産サンキョー(株) 中西徹
・「教育プログラムと最近の事例」KOA(株) 守谷敏
2017年6月8日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「T法による長寿の要因分析(2回目)」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
長寿の要因について、食事、運動等の要因から県別平均寿命の推定をT法で行ったが、要因が複雑で納得できる結果にならなかった。そこで要因整理の方法について再検討を行いほぼ納得できる予測式となった。だだし、整理の方法が難しく理解しにくい部分があったで、解りやすい説明が課題となった。
【共通テーマ】
新入会員向けの共通テーマについてディスカッションした。オルゴール等を題材にしたパラメータ設計などを今後検討していくことになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2017年6月号)
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2017年6月25日 10時03分
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長野県品質工学研究会
2017年3月9日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
【共通テーマ】「品質工学に関する自由討論」
「長寿の要因」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
前回の議論を踏まえ、長寿の要因についてT法、MT法で解析した。前回同様、一般に言われている要因と異なる結果となったので、意見交換を行って次回までの検討内容を整理した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2017年4月号)
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2017年4月22日 16時36分
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長野県品質工学研究会
2017年1月12日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「紙飛行機のパラメータ設計について」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
長野県テクノ財団主催の入門セミナーで行っている紙飛行機を使ったパラメータ設計の実習について、実験を行い検討した。紙飛行機を飛ばすゴム製カタパルトや紙質を検討することで実験の安定性がある程度増し、利得もおおよそ再現した。その他、検討すべき課題がいくつか明らかになったので、今後追加の解析を行い検証を進める。
【共通テーマ】
「品質工学に関する自由討論」
0点比例式を活用する際の注意点について討論した。
2017年2月3日(金)、品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中原健司
2)品質工学実践事例(3件)
「「自動化」「最適化」ツールとシミュレーション(Excel)を使った、オーニングのパラメータ設計」タカノ(株) 中原健司
「MTシステムによる通勤時間に関する研究」(有)増田技術事務所 増田雪也
「MT法による異音判別」日本電産サンキョー(株) 中西徹
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「品質工学の企業に於ける役割」(株)松浦機械製作所 天谷浩一
5)名刺交換会
2017年2月9日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「長寿の要因」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
長野県は長寿県であり、その要因をT法で解析した。結果が一般的に言われている要因と異なるため、考え方、計算方法等を検討して次回研究会までの課題とした。
【共通テーマ】
「品質工学に関する自由討論」
新SN比について討論した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2017年2月号)
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2017年3月3日 10時41分
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長野県品質工学研究会
2016年11月10日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す内容についてディスカッションした。
【事例発表】
「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
【討論】
「MT法の項目診断について」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
MT法の項目診断は、従来は2水準系の直交表に割付が行われているが、2項目の総当たりにより、マハラノビス距離(MD値)を求める方法を提案した。なお、同じ項目同志の組合せの時には一次元のMD値とした。求めたMD値を望大特性で表す事で、MD値を高くしている項目が示されるのでは無いか?という議論を行った。
【共通テーマ】
「MTシステム(T法)を使ってみよう」
ある加工事例についてMT法で解析を行った。完全には判別できなかったが、MD値が大きくなったサンプルについて、何が効いているかが明らかになった。
2016年12月8日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「エグゼクティブ向け品質工学の紹介プレゼンを作ってみた」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
経営者向けに品質工学をわかりやすく説明する紹介プレゼンを作ってみた。パラメータ設計で重要なのはSN比で評価することであり、その結果として手戻りを防止できることがメリットあることを紹介した。
【共通テーマ】
「MTシステム(T法)を使ってみよう」
ある加工事例についてL18直交表実験を実施した。工数の関係上、ノイズは設定しなかったので、もっと工夫ができなかったかについて議論した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2016年12月号)
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2016年12月24日 12時27分
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長野県品質工学研究会
2016年9月8日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法によるカタログの解析 ガラス組成と特性の関係調査」 (KOA(株) 守谷敏)
ガラス組成を検討するにあたり、カタログをT法で解析した。物性値(転移点、軟化点など)や特性値(耐湿性、耐酸性など)を真値、ガラス組成を項目値とした。解析結果から、どの材料がどの物性値、特性値に効いているかを求めることができた。結果はこれまでの経験や文献で述べられていることと一致している。カタログには組成配合などは記載されていないが、解析の仕方によってある程度の傾向をつかむことは可能である。
(2)「T法による売上予測、及び妥当性検証」 (富士電機エフテック(株) 大島宏一)
T法を用いて製品の売上予測を算出した。初期パラメータ(項目)として453項を用いた。予測式導出過程において、ηの閾値を設定しパラメータの絞り込みを実施し、最終的にパラメータ(項目)が15項目まで絞り込まれ、実績と予測値の相関係数が0.8586になった。しかし、実績と予測値が乖離する月があった。今後の取り組みとして、その乖離月のイベントを調査し、イベントに関連するパラメータを追加し予測精度を向上させる。
【共通テーマ】
「MTシステム(T法)を使ってみよう」
長野県工業技術総合センターが行った市販しょうゆの成分分析結果を用いて、人による官能評点をT法で推定できるか解析を行った。その結果、成分間の交互作用が非常に大きく、推定は難しいことが分かった。次回は、MT法を用いて官能評点が高かったサンプルを基準空間とし、その他のサンプルのMD値計算を試みる。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2016年10月号)
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2016年10月31日 10時19分
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長野県品質工学研究会
2016年7月14日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「射出成形工程における可塑化不良の判別」 (日精樹脂工業(株) 荒井亮平)
内容は会社都合により省略
【共通テーマ】
「MTシステム(T法)を使ってみよう」
玉ねぎの原産地判別についてMT法を用いて判別を試みた。項目とデータがほぼ同数のため解析結果が不安定になっているおそれがあるが、判別は可能と見られた。今後、RT法や誤圧などを用いて判別を試みることになった。
2016年8月10日(水)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「圧力分布センサを使った形状判別 その1」 (タカノ(株) 中原健司)
圧力分布測定システムを使用して、形状判別ができるか検討した。センサシートは、1素子が約1.3cmで16×16のマトリクスを使用した。形状判別に用いたおもりは4つだが、基本形状が円・正方形の2種類、重さ、接触面積、直径も2種類と判別が難しそうな組合せとした。最初に、測定システム標準の統計値(圧力の最大値、最小値、平均値、圧力中心位置、標準偏差、接触面積)を使用したが判別精度は良くなかった。そのため、総荷重、輪郭長さ、存在量などの前処理を行い項目としたところ判定精度が上がった。
(2)「実験用設備の保全間隔」(KOA(株) 守谷敏)
実験用設備の点検と保全間隔を決めるためにオンラインを適用した。損失金額により保全間隔が変わるため、損失をどのように考えるかを議論した。
【共通テーマ】
「MTシステム(T法)を使ってみよう」
元素濃度による玉ねぎの原産地判別について、RT法や誤圧などを用いて判別を試みたが、難しい結果となった。それに対し、項目を取捨選択してMT法を適用した場合は比較的良好に判別ができた。今後は、項目間の相関などを考慮しながらMTシステムの効果的な活用方法について検討する。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2016年8月号)
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2016年8月21日 04時51分
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長野県品質工学研究会
2016年5月12日(木)、本年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成27度の事業報告および平成28年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は9(正会員:6、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/12、6/9、7/14、8/10、9/8、10/13、11/10、12/8、1/12、2/9、3/9)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【活動状況発表会】
新規加入検討企業2社に、第1回研究会を見学していただいた。研究会の様子や会員企業の品質工学の実践内容について、各会員が紹介発表を行った。品質工学普及の苦労話や工夫など、気軽な雰囲気でディスカッションすることができ、大変良かったと感じた。
2016年6月9日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「MTシステムによる通勤時間に関する研究」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
QES2016で発表するT法のテーマについて報告した。通勤時間を相関係数R=0.828で推定することができた。信号の対数変換および項目選択により、推定精度が向上した。
【共通テーマ】
「MTシステム(T法)を使ってみよう」
T法を用いて、玉ねぎの原産地判別について試みた。目的が判別であるので、MT法の方が適している。次回までにMT法にて解析を進めることになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2016年6月号)
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2016年7月1日 11時29分
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長野県品質工学研究会
2016年3月18日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
「コマのパラメーター設計事例」 (日精樹脂工業(株) 荒井亮平)
昨年開催された第12回品質工学合同研究会(埼玉、北陸、山梨、長野)のケンカコマ大会で使用したコマは直交表L18を使用してパラメーター設計した。事前に配布されたコマセットではパーツ数に制限があり、5行分で実験できないことから欠測値が発生することを前提に進めた。欠測値の行にはSN比、感度ともに欠測値が発生していない13行分の平均値を代入して計算した。確認実験の結果は、SN比が0.41db、感度が0.2db改善し、利得の再現性は得られなかった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2016年4月号)
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2016年5月2日 09時46分
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長野県品質工学研究会
2016年1月14日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「L12近直交表を使った塗料吐出し条件の安定化」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
塗料噴霧装置の基本機能を、塗料吐出回数と吐出重量のゼロ点比例と考えた。ノイズは、タンクの液量(満タン/少量)としL12近直交表(2^1×3^5)に割り付けて実験した。最適条件と比較条件の利得は約4dbで確認実験の再現性も良好であった。L12近直交表は、L18直交表に全ての因子を割り付けられなかった場合に実験回数の削減も出来き有効と思われた。
(2)「T法による特性値の推定」 (KOA(株) 守谷敏)
電子部品用の金属材料を検討するために、これまでの試験結果をT法で解析し、特性値シミュレータを作成した。特性値(真値)としては抵抗率と温度係数を取り、材料組成の配合比率を項目値とした。真値と推定値の相関係数は0.95であった。これにより、多成分材料であっても配合比率を入力するだけで簡単に特性値がわかるようになり、材料検討の効率化が図られる。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
品質工学教育教材のコマ実験セットで、誤差因子の検討を行った。3Dプリンタで作成した表面粗さの違う2種類の土俵でコマを回したところ、回転時間に差が見られた。これを誤差因子として再度L18実験を行う。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2016年2月号)
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2016年2月28日 15時30分
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長野県品質工学研究会
2015年11月12日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「前回研究会の増田氏の発表を受けての事例」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
マハラノビス距離に関する前回の発表を受け、RT法、T法での結果と比較しながら判別に関する考察を行った。また、ベイズの定理を考慮した判別基準に関する課題提起を行った。
(2)「予測の手法について(復習)」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
「予測」について、時系列データを使った予測手法について概観し、ロジスティック関数のT法による扱い等、事例の紹介を行った。
2015年11月28日(土)、第12回品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)を野沢温泉「朝日屋旅館」(長野県下高井郡野沢温泉村)にて開催した。14名(埼玉3名、北陸1名、山梨3名、長野7名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】
参加各県の研究会の活動が報告された。
【パネルディスカッション】
「ものづくり日本復権へ、我々がなすべきこととは」と題しディスカッションした。「ものづくりは、ひとづくり」という意見が多く出され、どうやったら良いひとづくりができるかを徹底討論した。
【ケンカコマ大会「品質工学合同研究会場所」】
長野県品質工学研究会から各研究会へ提供したコマセットを用いて、最適設計した14個のコマによるトーナメント戦を行い、非常に盛り上がった。
2015年12月10日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
「のっぽ技研長谷部さんの講演DVDについて」
今回購入したDVDと資料から、あらためて長谷部光雄のご講演を読み解いてみた。随所にハッとさせられるキーワードが見られ、大変参考になる内容であった。
2015年12月18日(金)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中原健司
2)品質工学実践事例(3件)
「ステンレス鋼の電解研磨加工における加工条件の最適化」(有)増田技術事務所 増田雪也
「シミュレーションによる跳ね上げ式門扉の最適設計」タカノ(株) 中原健司
「FFT重心を用いた異音判別」日本電産サンキョー(株) 中西徹
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「日本経済復興の技術マネジメント〜東日本大震災と日本経済の復興〜」アルプス電気(株) 谷本 勲
5)名刺交換会
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2015年12月号)
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2015年12月27日 09時55分
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長野県品質工学研究会
2015年9月10日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「FFT重心を用いた異音判別検討」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
現在、作業者が聴感で判別している異音をMT法により自動判別する目的で検討を開始した。音の項目としてアマノ株式会社の鈴木真人氏が提案されていたFFT重心を検討した。その結果、可聴周波数全域から求めたひとつの重心では判別精度はあまり良くなかったが、複数の周波数帯に分割した結果、良好な判別結果が得られた。また、FFT重心を等確率楕円上に表す事で、異常の様子が視覚的にもとらえる事ができ有効であった。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
コマのパラメータ設計における誤差因子を、コマをリリースする時の角度として実験を行った結果を議論した。ノイズとしてある程度効いているが、効果が小さく、繰返しのばらつきも大きいため、誤差因子としては不適当ではないかとの意見があった。今後、別の誤差因子を検討しながら実験を行う。
2015年10月8日(木)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「MT法でパターンが異なるとは」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
マハラノビスの距離とは何か、そしてMT法でパターンが異なるとはどういうことかを紹介した。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
「コマ実験セットについて」コマ実験セットの評価方法について検討した。ケンカコマは、様々なコマに対して安定して勝つことが求められる。そのため、直交表に基づいて作成されたコマ18個の内、評価対象以外の17個のコマをノイズとし総当たりで対戦を行った。勝ち、引き分け、負けのポイントを、1、0.5、0とし、17個のデータを、望目特性、オメガ変換で評価したところ、要因効果の傾向、利得の再現性は良好であった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2015年10月号)
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2015年11月1日 09時59分
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長野県品質工学研究会
2015年7月10日(金)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。浜松品質工学研究会や品質工学フォーラム埼玉で活躍されているアマノ(株)の鈴木真人氏に特別講演を依頼した。
【特別講演】
(1)「静特性SN比の問題提起」 (アマノ(株) 鈴木真人)
望目特性のSN比について、制御因子間の交互作用がない場合には、出力平均mには加法性があるが、SN比には加法性が成立しないのではないか、という問題提起について議論した。
(2)「FFT重心監視による異常信号監視システム」 (アマノ(株) 鈴木真人)
FFT処理したパワースペクトルの重心位置を監視することにより、MT法を用いて高精度な判別が可能となる。デモも交えてご紹介いただいた。
2015年8月20日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「コマを使った品質工学の話題提供」 (タカノ(株) 中原健司)
L18直交表を使った場合と総当たり実験を行った場合の実験結果の違いについて報告した。制御因子の要因効果の傾向は一致したが、SN比と感度の1位の組合せと最適条件は一致しなかった。
総当たり実験のデータを使って、T法と回帰分析で、回転時間、SN比、感度を推定した結果の違いについて報告した。
9月に行われるコマ大戦に参加するためのコマの設計事例(品質工学とシミュレーション、3Dプリンタの活用)について紹介した。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
コマ実験セットでのパラメータ設計について、誤差因子をコマをリリースする時の角度として実験を行った。N1はコマを直立させた状態でリリースし、N2は斜めの状態からリリースした。その結果、誤差因子として効いている傾向が得られた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2015年8月号)
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2015年8月15日 05時30分
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長野県品質工学研究会
2015年5月15日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成26度の事業報告および平成27年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は9(正会員:6、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/15、6/11、7/10、8/20、9/10、10/8、11/12、12/10、1/14、2/18、3/10)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「富士ゼロックスでの品質工学推進活動についての紹介」および「長野県品質工学研究会との意見交換」
講師:齊藤潔氏(品質工学会長)
内容:富士ゼロックスでの品質工学導入の歴史を含め、詳細にご説明いただいた。2003年の論文を元に、地道に継続してきたことが品質工学が根付いたポイントであるとのことで、大変参考になる内容であった。続いて、地方研究会との意見交換ということで、学会を活性化させるためのディスカッションを行った。
2015年6月11日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「推定値と確認値は一致しない」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
要因効果図の信頼性は利得でチェックするが、なぜ推定値と確認値で直接比較しないのかを解説した。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
品質工学の学習教材である「コマ実験セット」について、説明書に基づき実験を行った。その結果、参考データに比べて利得の再現性が低かった。データを解析すると実験の繰り返しのばらつきがやや大きい事が原因と思われた。今後は、影響の大きい誤差因子の選択やコマを回す装置の治具形状の検討などを課題として活動を行う。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2015年6月号)
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2015年6月15日 05時30分
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長野県品質工学研究会
2015年3月13日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す講演、事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【講演】
「To improve Quality, don't study Taguchi Method, but practice Taguchi Method」 (長野県品質工学研究会 顧問 原健一)
長野県品質工学研究会草創期から活動された原顧問より、品質工学との出会い、業務への応用、定年退職後の社会貢献活動について発表があった。氏は品質工学を単に「勉強する」のではなく、実務で「実践する」ことの大切さを訴えた。氏は顧問としては会を離れるが、今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
【事例発表】
「ヒータチップ形状の検討」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
自動半田付装置に用いるヒータチップを内製したところ、目標温度分布±20℃に対し150℃の温度差が発生した。そこで、パラメータ設計により温度均一化の為のヒータ形状を解析により求めた。発熱量はジュールの法則からQ=i^2・R・tで求められるが、抵抗値が発熱とともに変化する事から標準SN比で解析する事とした。入力は電源投入からの時間とし、その時の温度を出力とした。ヒータチップ形状を制御因子・ノイズはヒータの場所とし18モデルを作成し解析した。要因効果図より最適形状を求めた結果、温度差約44℃まで改善でき、さらに形状の微調整で、温度差16℃まで改善出来るモデル形状を得た。さらに実際に、比較形状と最適形状でヒータチップを作製し、温度計測を行った結果、解析の温度差と一致し、最適形状品の温度差は15℃と目標を達成する事が出来た。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
前回に引き続き、長野県工業技術総合センターの試験機器について、損失関数を用いて最適な保守点検間隔を検討した。損失額Aについて、企業の依頼に応えられないことによる企業側の損失も計上する必要がある。そこを追跡するためには利用企業にアンケートを取るなど、調査を行う必要があるとの意見があった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2015年4月号)
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2015年5月2日 05時36分
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長野県品質工学研究会
2015年1月8日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学実践交流大会での鶴田氏の講演内容について」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
2014年12月5日(金)に長野県塩尻市で開催された品質工学「実践」交流会にて、三菱電機(株)の鶴田明三氏に特別講演をお願いしたが、その講演内容について、再度研究会にてディスカッションした。再現性より改善を優先する考え方や直交表の使い方等、非常に参考になる内容であった。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
真円度測定器および振動試験機の定期点検&定期保全について、具体的な数値を入れて検討した。Aの数値をどう決めるかが難しく、そこがポイントになることがわかった。
2015年2月12日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「静特性望目特性のSN比に関する問題提起」 (KOA(株)守谷敏、(有)増田技術事務所 増田雪也)
浜松品質工学研究会の鈴木真人氏から提案のあった静特性望目特性のSN比に関する問題提起について議論した。SN比の加法性および利得の再現性について、各自の意見を交換しあった。詳細については、鈴木氏を招聘し、議論を深めることとなった。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
長野県工業技術総合センターの試験機器について、損失関数を用いて最適な保守点検間隔を検討した。その結果、現状の保守点検間隔や費用について、改善点が見つかった。今後、試験機器が稼働しない際の損失や機器の機能限界について検討することとした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2015年2月号)
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2015年2月28日 10時47分
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長野県品質工学研究会
2014年11月13日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「品質工学パラメータ設計基礎セミナーのまとめ」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
9月8,9日のパラメータ設計基礎セミナーで実施した紙飛行機のパラメータ設計の実験データを検証した。今回の実験では、研究会で検討した結果が反映されて比較的再現性の良い実験結果となった。参加者にパラメータ設計の有効性を更に実感していただくための課題あげて、次回セミナーまでの課題として研究会で検討を進める。
(2)「MT法による表面粗さ波形の判別」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
圧縮ボンド磁石は、成形時に上下パンチの加圧量で密度を均一化させる必要がある。 現在は密度が均一かどうか、空孔分布を作業者の目視により行い、加圧量を調整している。そのため精度の良い判別が出来ていない。
そこで、外周の空孔を表面粗さ計で測定し、その波形をMT法で判別できないか試みた。 均一な密度と判断したサンプルの粗さ波形を単位空間とし、意図的に不均一にさせたサンプルの粗さ波形を判別した結果、MD値による良否判別が可能である事が判った。
(3)「コマシミュレータの紹介」 (タカノ(株) 中原健司)
品質工学の手順を簡単に学べるコマシミュレータを開発したので、メンバーに紹介し
た。Excelでパラメータを選択し、ファイルを保存すると、L18直交表が自動作成され、シミュレータ上で実験Noごとのコマの回転時間を予測することができる。実物のコマ実験セットと合わせ込みを行っているので、挙動もリアルで楽しく、教育に役立つと考えている。
【共通テーマ】
「MTシステムの活用」
就寝時の姿勢をMT法で判別する際の特徴量についてディスカッションした。荷重分布や重心の位置などの案が出された。
2014年12月5日(金)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 守谷 敏
2)品質工学実践事例(3件)
「品質工学教育の実践」セイコーエプソン(株) 高田 圭
「希土類ボンド磁石の塗装条件最適化」日本電産サンキョー(株) 中西 徹
「オンライン品質工学の紹介(装置や加工機を保全する間隔)」(有)増田技術事務所 増田雪也
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「品質工学基本講座開発設計現場に応える!実践型品質工学活用のための12のルール」三菱電機(株) 鶴田明三
5)名刺交換会
2014年12月11日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「片方のノイズだけじゃダメ?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
出力が大きい方が良い場合や小さい方が良い場合は、片方のノイズのみで実験すれば、目的とする最適な条件が得られるのではないかという提案をした。出力をある値に合わせ込みたい場合や、ノイズの傾向が逆転する場合は適用できないが、それ以外ならば適用でき、実験回数が半分になるというメリットがある。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
公共施設やインフラの老朽化に対する保全の事例を検討した。次回は、計測器の保全について検討することになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2014年12月号)
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2014年12月22日 10時09分
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長野県品質工学研究会
2014年9月11日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「オンライン品質工学(臨界不良率の考え方)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
オンライン品質工学の中の臨界不良率について紹介した。偶発的に発生する不良で、不良の原因が不明な場合、工程の改善は不可能である。そこで、臨界不良率の考え方を用いて、全数検査する/しないを判断する頻度を求める。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
今回は日本製品と中国製品それぞれの硬さの許容差Δを求め、結果について議論した。今回の計算ではコストの低い中国製品の許容差Δの方が大きくなった。品質工学ではコストが低い程、許容差が厳しくなると言われている。しかし、今回の計算結果ではコストの低い中国品の許容差の方が大きく納得が得られない結果であった。
「MTシステムの活用」
圧力分布センサのデータから寝姿勢の判別を検討中。予備検討としてRT法では仰臥、側臥は容易に判別出来そうな事が判ったが、同姿勢の微妙な体位の違いはMT法の方で検討する事とした。MT法については、存在量と変化量の項目で検討を進める事とし、圧力分布データから存在量と変化量を抽出する簡易ソフトを次回までに作成する事とした。
2014年10月9日(木)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター材料技術部門(長野県長野市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「寝返り評価のためのMT法の検討事例」 (長野県工業技術総合センター材料技術部門 相澤淳平)
寝返りの姿勢を6種類に分類する解析を行った。特徴量は圧力センサーの出力を用いた。その結果、分類をすることが可能となった。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
中国製鋳物と日本製鋳物の許容差の計算結果について協議した。ものづくりの立場では品質工学で言われる値段の安い物程、許容差を厳しくするということは納得ができそうで、できないと言った意見が多かった。
個々の企業で不良品の処置方法が異なることから値段が安いものの方が処置コストが大きくなるケースがある。今回の計算結果の様に値段の安い物の方が許容差が大きくなる場合があることが分かった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2014年10月号)
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2014年10月19日 16時50分
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長野県品質工学研究会
2014年7月24日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「QES2014報告」 (日精樹脂工業(株)常田聡)
今年のQES2014で受賞した研究について紹介した。金賞1、銀賞3、大会実行委員長賞1、会長賞1の計6テーマの研究内容をかいつまんで話した。大会では1昨年より「マクロ視点」をキーワードにして、部分最適ではなく全体最適を狙った研究発表を求めている。今年の受賞研究は、より「マクロ視点」の研究に近づいており、以下のような特徴があったと説明した。
・生産現場と生産技術や生産技術と設計の協同研究
・自社開発CAEによる製品全体の評価
・開発段階における毒性の環境影響評価
・水産業における継続的な研究
研究の内容は年々難しくなってきており、それはテーマ自体の難易度が高くなってきているためであろう。また、損失関数の適用事例も増えてきており、長野県の研究会で大いに参考にしたい。
【共通テーマ】
「MTシステムの活用」
圧力の分布が測れるセンサで寝姿勢が判別できるか検討した。予備実験の結果、仰向けと横向きのような姿勢の違いは、判別できることがわかった。まずは特定の人の基本的なデータを判別することで、精度向上を検討することとした。
2014年8月21日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つ事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1) T法による膜厚測定器の校正(KOA株式会社 守谷敏)
部品のNiめっき膜厚の測定を、測微計から蛍光X線測定に切り替えた。しかし、測定値にズレがあるため、測微計の値を真値、蛍光X線の測定値を項目値として推定式を求めた。この推定式が蛍光X線での測定値の補正式となる。
(2) T法による売上げ高の推定(KOA株式会社 守谷敏)
項目に経済指標(株価、ドル、日経平均、GDP)と産業指標(自動車、白物家電、移動電話、PCなどの生産台数)として、何が会社の売上げと関係しているかを調べた。結果は予想外に、全売上げの13%程度しかない項目が最もSN比を高くしていることがわかった。今後、この項目の生産動向を注視していけば、会社の売上げを±10%程度のズレで推定することができる。
(3) T法で有馬記念を獲る(KOA株式会社 守谷敏)
T法セミナーの事例として取り上げた競馬の勝ち馬予想である。各種の項目データから作成した推定式が、翌年にはほとんど使えないのはなぜなのか。少しでも推定精度を上げるために、どう工夫したのかを紹介した。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
一般的に中国製品は日本製品より価格が安い。そこで、実例を使用して許容差を求め、検討することとした。今回の研究会では許容差を求めるに当たり、機能限界Δ0、機能限界を超えたときの損失A0、許容差Δの求め方について議論した。
「MTシステムの活用」
圧力分布センサのデータから寝姿勢が判別できるか検討した。RT法またはMT法の適用について議論した。MT法に関してはデータ数に対し項目数が多すぎるため、生データの圧縮を検討することとした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2014年8月号)
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2014年8月26日 09時02分
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長野県品質工学研究会
2014年5月16日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成25度の事業報告および平成26年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は9(正会員:5、顧問:1、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/16、6/12、7/10、8/21、9/11、10/9、11/13、12/11、1/8、2/12、3/12)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「ものづくり革新のススメ」
講師:熊坂治氏(株式会社産業革新研究所)
内容:山梨県品質工学研究会で幹事を務めておられる熊坂氏をお招きし、品質工学を含め経営工学的手法の全体像、効用および企業内推進についてご講演いただいた。熊坂治氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
2014年6月12日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学学習教材コマ実験セット」 (タカノ(株) 中原健司)
本年度の品質工学研究発表大会で発表予定の学習教材について状況報告を行い、メンバーで議論した。議論の中で、
(1)基準点比例式で評価しているが、初心者向けには望目特性の方がわかりやすい
(2)計算に使うEXCELのシートについて、SN比、感度、最適条件は、少ない操作で自動計算させるように工夫した方がよい
などの意見が出された。また、この教材を長野県品質工学研究会の公認とすることになった。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
コマ実験セット用に開発したコマ回し器を使い、数種類のコマを回した。以前の試作バージョンよりも使いやすくなり、誰でも簡単に実験ができるように工夫されていた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2014年6月号)
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2014年6月21日 14時39分
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長野県品質工学研究会
2014年3月13日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「タンブリング塗装条件の最適化」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
希土類ボンド磁石の防錆処理として、タンブリング塗装装置により防錆処理を行っているが、扁平のマグネットの場合、外径よりも厚み方向に厚く塗装される問題があった。タンブリング塗装の基本機能は塗料の量と塗膜厚がy=βMのゼロ点比例である。誤差因子は外径と厚み方向とし、制御因子は、特性要因図を作成しそこから抽出した8因子をL18直交表に割り付け実験した。
その結果、従来条件に対しSN比で11dbの改善ができ利得の再現性も良好であった。さらに、作業時間の要因効果図も作成しSN比、感度への影響が少ない因子で再調整した結果、SN比をそれほど落とすことなく作業時間も従来条件の1/3以下にまで短縮出来た。
(2)「釣りにおけるMTシステムの活用(対数変換適用後)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
MTシステム(T法)を用いて釣果の推定および釣果UPに効く項目を検討した。釣果を対数変換することにより、推定精度を向上させることができた。
【共通テーマ】
「紙飛行機のパラメータ設計」
予備実験のSN比と感度から、クリップを使ったカタパルト用フックの有効性が確認された。再度L18直交実験を計画し、最適条件での再現性が向上しているかを確かめる。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2014年4月号)
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2014年4月30日 14時25分
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長野県品質工学研究会
2014年1月9日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「「パラメータ設計基礎セミナーでの紙飛行機の最適化実習」についての課題」 (公益財団法人長野県テクノ財団 岩下幸廣)
昨年9月に実施したパラメータ設計のセミナーで、実習として紙飛行機の最適化を行ったが、再現性があまり良くなかった。そこで実習でのデータを分析してその原因を検討した結果を報告し議論を行った。それを受け、研究会の共通テーマとして、次回セミナーに向けて実験方法の改良検討をすることとした。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
L18直交表に割り付けた組合せで実験を行った。まずは、単体での回転時間の最適化を行うこととした。信号は、初期の回転数を2240rpmと3200rpmの2水準、ノイズは土俵上の摩擦とした。結果を、0点比例式、基準点比例式、静特性望目特性で評価したところ、基準点比例式での評価が最も再現性が良かった。しかし、要因効果図に山谷があることから、制御因子間の交互作用がありそうである。次回までに、標準SN比による評価と最適条件と最悪条件での実験を行うこととした。また、交互作用が少ない実験(制御因子の割り付け)についても検討する。
2014年2月13日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門(長野県松本市)にて開催した。以下に示す施設見学および共通テーマについてディスカッションした。
【施設見学】
「3Dプリンタおよび3Dデジタイザの紹介・見学」
工業技術総合センターに導入されている3Dプリンタを見学した。近年流行の3Dプリンタは、手軽に三次元造形が実現できる方法であるが、温度や湿度の影響で出来映えが異なる。そこで、環境をノイズとしたパラメータ設計を実施すれば、最適な加工条件が得れる可能性がある。
【共通テーマ】
「紙飛行機のパラメータ設計」
共通テーマは紙飛行機用ゴムカタパルトのゴムを引っかける方法について検討した。従来は紙飛行機に切り欠きを作り、そこに引っかけていたが、ゴムのはさまりなどで飛距離のばらつきが大きかった。そこで、クリップを加工したフックを取り付ける方式にしたところ、切り欠きに比べて6dbほどの改善ができた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2014年2月号)
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2014年2月22日 20時16分
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長野県品質工学研究会
2013年11月14日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「圧力分布センサの評価方法検討」 (タカノ(株) 伊東孝道)
内容は会社都合により省略
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
前回の実験では、コマ回し機の性能が悪く、回転時間のばらつきが大きかったため改善を行った。摩擦係数が違う2つの土俵を用意し、数種類のコマを回したところ、平均的な回転時間の再現性、ノイズの傾向は一致した。次回までに、コマの制御因子をL18直交表に割り付けた実験をおこない、結果をメンバーで検討することとした。
2013年12月6日(金)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 守谷 敏
2)品質工学実践事例(3件)
「T法によるワインの品質予測」東京エレクトロン(株) 中山博之
「ボールミル条件の最適化」KOA(株) 守谷 敏
「MTシステムによる射出成形工程の診断」日精樹脂工業(株) 常田 聡
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「製造業における品質工学活用の実際-日産自動車での経験と学会 20 年の振返りから-」Hamada Quality Solution 浜田和孝
5)名刺交換会
2014年12月12日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「両側T法による鋳物製品の実体強度の推定」 (日精樹脂工業(株) 荒井亮平)
当社で製造、販売を行っている射出成形機では球状黒鉛鋳鉄(FCD)と呼ばれる鋳物部品が多く使用されている。
球状黒鉛鋳鉄のJIS規格では、鋳物製品本体の機械的強度、すなわち実体強度については定義されていない。定義されているのは、製品とは別の砂型から作製した試験片(別鋳込み供試材)と製品へ付着させて作製した試験片(本体付き供試材)の機械的強度のみである。
現状、実体強度を知るためには製品本体を切断し、試験片を採取しなければならない。したがって、製品として使用するものの実体強度は知ることができない。
幸いにも、当社には新規立ち上げ品などの別鋳込み供試材と実体強度のデータがあったことから、両側T法を使用して別鋳込み供試材の機械的性質、化学成分分析値から実体強度の推定を試みた。推定精度の精度はSN比で-44.28db、相関係数0.33であり、実体強度は推定できなかった。
今後の課題として、実体の機械的性質に影響を与える工程のデータを項目に入れるなどを検討していきたい。
【共通テーマ】
「風力運搬車の検討」
例年開催している4県(埼玉、北陸、山梨、長野)の品質工学合同研究会でQEF埼玉より発表された品質工学教材試作品の「風力運搬車」について、検討した。これは外部から電気を受けながら、プロペラを回転させて得た風力でレール上を走るものである。合同研究会では基本機能をエネルギー変換として、信号を電力、出力を仕事として、重りの数と電圧を変えて1周する時間を測定した。当研究会での議論では、まずエネルギー変換では信号を電力、出力は風力として、モーター、プロペラまでを最適化する、次に安定して走るためにモーター取り付け位置やその他車体に関するところを最適化する、というように分けて考えるべきとの意見があった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2013年12月号)
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2013年12月26日 09時48分
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長野県品質工学研究会
2013年9月12日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つ共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「ISO/TS16949と損失関数」 (KOA株式会社 守谷敏)
ISO/TS16949のSPC参照マニュアル第2版には損失関数が記載されている。従来のゴールポスト思考より、顧客や社会の被る損失を考慮した損失関数思考の方が現実の現象に近いと述べられている。TSでは製品分布の偏りによる損失が主であることや、なぜ損失は2次曲線なのかといったことについて発表し、それについて議論を行った。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
現在、全国の中小企業を中心に「全日本製造業コマ大戦」という取り組みが行われている。直径φ20のコマを25cmの土俵の上で戦わせ、長く回るか、相手を弾き飛ばした方が勝ちというシンプルなルールである。コマは、片手でひねって回すが、コマの材質や重心位置の設計条件によって回転時間が大きく変化する。土俵の状態や相手によらず、長く安定して回るコマのパラメータを求めるために品質工学を使った教育教材を検討することになった。「成功体験をしてもらう」ことを第一目標とし、まずは、適切なノイズの検討を行うことにした。検討の結果、土俵の摩擦、コマの偏心、相手コマとの距離等があげられた。次回実験を行うため、パラメータ設計(L18)したコマと土俵などを準備する事となった。
2013年10月10日(木)、第6回研究会をKOA株式会社(長野県上伊那郡箕輪町)にて開催した。以下に示す事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学フローチャートから浮き上がってきた普及に関する問題点」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
顧客から「品質工学のフローチャートが欲しい」との要望があり、パラメータ設計、MTシステムおよびオンラインQEについてフローチャートを作成した。顧客の反応は好評であったが、新たに普及に関する問題点が見えてきた。そこで、問題点を克服するための導入システムについて検討した。
【共通テーマ】
「品質工学学習教材 コマ実験セット」
コマ実験セットの試作品をメンバーで評価した。まずは、実験の再現性があるかどうかを評価するために、コマ回し機(安定化電源にソーラーモーターをつないだもの)でコマを回してみた。
同じ条件で回しても平均の回転時間に±10数秒程度の違いがあるため、大きな誤差を与えるか、コマ回し機を改善する必要があるとの結論になった。次回までに、コマ回し機の先端部を改良することとした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2013年10月号)
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2013年10月23日 18時57分
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長野県品質工学研究会
2013年7月11日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (タカノ(株) 中原健司)
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
今回は、パソコンに取り込んだ指紋画像を256段階のRGB値に変換し、さらにしきい値を200として二値化したデータを用いて計算した誤圧の距離について考察をおこなった。
計算に使用したデータは、単位空間は同じ指紋で角度を変えた5種類、信号は2種類の指紋でそれぞれ角度を変えた6種類の合計12メンバーとした。
単位空間に対して信号のメンバーの距離が大きかったことから、ある程度のパターン認識ができた。ただし、メンバーごとの距離では、指紋の元画像の色が濃い物は距離が大きくなる傾向であった。色の濃淡による影響を軽減するために、画像処理の方法のひとつとして二値化する時のしきい値を検討してきたが不十分であった。
指紋のパターン認識の精度を向上させる為には、指紋のパターンを忠実に数値データへ変換する技術の検討が必要であることが分かった。
本テーマについては今月度の活動をもって終了することとした。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
今回は水分の蒸発によるシャボン液の劣化をノイズと仮定し、シャボン液の水分量を変化させて、実験を行った。結果、顕著な差は見られなかったが、ひずみセンサの出力をPCに取り込んでいるため、次回詳細な結果の分析を行うこととなった。
2013年8月8日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学の手法における納得性の研究(第一報)」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
今年度の研究発表大会にて発表した、「品質工学の手法における納得性の研究(第一報)」の、詳しい内容を紹介した。
技術者はなぜ品質工学の成果に納得するか、自分の論文を読んでアンケートに答えてもらい、そこからパターンを探り出す研究である。
誤圧による解析の結果から、論文毎、評価者毎に納得性が異なっており、また評価者の能力評価ができる可能性もでてきた。
第二報に向けては、品質工学をよく知らない人たちの納得性を得るにはどうすれば良いか、が重要なポイントになるだろう。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2013年8月号)
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2013年8月31日 09時30分
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長野県品質工学研究会
2013年5月17日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成24度の事業報告および平成25年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は10(正会員:6、顧問:1、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/17、6/13、7/11、8/8、9/12、10/10、11/14、12/12、1/9、2/13、3/13)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「シックスシグマから見た品質工学の活用のすすめ」
講師:太田勝之氏(株式会社シマノ)
内容:関西品質工学研究会で活躍されている太田勝之氏をお招きし、シックスシグマと品質工学の活用についてご講演いただいた。シマノ社内でシックスシグマをどのように普及したのか、また、品質工学をどのように活用しているのかをわかりやすくご紹介いただいた。太田勝之氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
2013年6月13日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「希土類圧縮ボンド磁石用コンパウンドの流動性改善」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
圧縮ボンド磁石の品質の安定化の為には、金型に充填されるコンパウンドの量を安定化させる必要がある。また、コンパウンドの充填性は流動性の影響を受ける。そこで、磁粉とエポキシ樹脂を混合する工程の条件をL18直交表に割り付け、流動性に影響を与える制御因子を抽出し、感度優先で最適化した。その結果以下の成果が得られた。
・コンパウンドの流動性に影響を与えている因子が明確に出来き、その因子の最適化により流動性の改善が出来た。
・流動性が改善されたコンパウンドでマグネットを成形したところ、充填性が大幅に改善出来た。
(2)「ケンカコマの実験セット」 (タカノ(株) 中原健司)
ケンカコマを品質工学の教育教材として使えるキットの開発を進めている。軸の先端径・長さ、おもりの内径・外径・材質・枚数などを制御因子としてL18直交表に割り付ける。ノイズは、相手が重いコマ、軽いコマを想定したおもりを置いて実験する。
長野県品質工学研究会の共通テーマとして研究を行い、成功体験ができる実験の進め方についてまとめ、入門セミナーなどで活用できないか検討する。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」:進展無し
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
シャボン液の引上げ速度をノイズと考えたが、予備実験では明確なシャボン液の性能の差は見られなかった。他県の研究会では湿度をノイズとして実験することで再現性の良い実験が得られたとの情報があったため、ノイズについては改めて検討することとなった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2013年6月号)
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2013年6月18日 11時39分
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長野県品質工学研究会
2013年3月8日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「ものづくり立国への郷愁」 (長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門 丸山六男)
丸山氏は、長野県品質工学研究会の創設時に事務局を担当していた。今年度で退職するにあたり、「ものづくり立国への郷愁」 と題して、日本経済の状況と今後の見通しについてご紹介いただいた。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
指紋画像を256階調のRGB値へ変換し、二値化するときの閾値の検討をおこなった。その結果、R値、G値、B値のすべてで閾値を200に設定すると、指紋画像の濃淡に関係なく指紋のパターンを再現できそうなことがわかった。また、同じ指紋画像から変換したRGB値のそれぞれの値において、再現した指紋のパターンに大きな違いはなかった。今後は、閾値を200に設定し、誤圧を計算する。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
長野県工業技術総合センターの引張試験機を使用して、シャボン液の性能評価方法を検討した。シャボン液中からリングを引き上げてシャボン膜を作る際の速度がノイズとなることを想定した。速度を変えながら数回実験を行ったが、シャボン膜が破れる高さにはほとんど差が見られなかった。ノイズについては再検討が必要と思われる。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2013年4月号)
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2013年4月19日 14時42分
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長野県品質工学研究会
2013年1月10日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法でビールの売上の予測を試みた」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
「冷夏ではビールが売れない」などと一般にはいわれている。そこで、気象データからそれを予測するするため、T法の適用を試みた。気象データは気象庁、ビールの売上データは総務省のそれぞれホームページから取得した。また、経済の影響も考えられたので、日経平均株価も単位空間のデータとして付加した。結果は重回帰分析による結果と比べ予測精度が劣った。予測精度を上げるために、忘年会など月ごとの要因を考慮する、単位空間は均質なデータを用いて作成するなどが提案された。これらを用いて今後再検討する。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
今回は、単位空間と信号空間のサンプル数を増やして、誤圧の距離を求めた。その結果、単位空間と距離の差が大きくなるもの、ほとんど変わらないものがあることが分かった。そこで、二値化したデータと指紋画像を見直したところ、指紋画像を二値化したデータが指紋画像の色の濃淡によって指紋のパターンが表現できていないものがあった。よって、指紋画像を二値化する時の処理方法にまずさがあることが分かったので、次回までは処理方法の検討を行ない、再分析をする。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
前回の実験では、シャボン液を約1mの高さから滴下した際の気泡高さを評価項目としていた。L9実験の最適条件は、標準条件に対して利得は得られたものの、割れにくいシャボン玉の条件とは言えなかった。そこで、シャボン液の配合に関して再調査を行った。ぬるま湯、洗濯のり、台所用洗剤、ゼラチン、ガムシロップ、グリセリン、炭酸飲料など材料を混ぜ合わせて、6種類のシャボン液を作ったところ、1つが比較的割れにくいシャボン液であったため、その条件を標準条件として再実験を行うこととした。評価方法については、割れにくいシャボン液は弾性が高いことから、その強度を小型の材料試験機で評価できないか検討することとした。
2013年2月14日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学できない男 − 勘と経験と度胸で悪いか!! −」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学と出会い、品質工学のメリットを実感し、研究会を作り、今に至る過程を紹介した。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」
前回、二値化したデータが指紋のパターンをきちんと表現できていなかったため、指紋画像のコントラストを変化させて再評価を行なったが、結果はほとんど変わらなかった。このことから、指紋画像をソフトウェアで単純に二値化するだけでは、指紋のパターンを忠実に再現できないことがわかった。使用しているソフトウェアでは二値化の他に256階調のRGB値へ変換でき、そのデータをもとに自分たちで閾値を設定し二値化することが可能である。今後は、RGB値に変換した値から二値化するための閾値について検討をしていく。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
シャボン玉の割れにくさを評価するため、長野県工業技術総合センターの協力を得て引張試験機を使用しての評価方法を検討した。シャボン玉を作る輪の柄にひずみゲージを貼り付け、輪の部分をシャボン液に漬ける。柄の部分を引張試験機に取り付け、等速で引き上げる。シャボン液が伸び、割れた瞬間のひずみゲージの出力をパソコンに取り込んだ。その結果、シャボン液や引き上げ速度の違いにより、ひずみゲージの出力に差が出る可能性が得られた。次回はノイズを検討し、予備実験を行う。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2013年2月号)
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2013年2月23日 11時30分
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長野県品質工学研究会
2012年11月8日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「基板ブレークの最適条件」(KOA株式会社 守谷敏)
基板ブレーク機の改善をするにあたり、すべての部分を対象にすると膨大な時間がかかってしまう。そこでL18実験により、基板ブレークへの影響が大きな部分を抽出し、そこを改善ポイントとすることにした。評価は品質特性であるが、不具合の内容を分けて要因効果図を作成することにより、トレードオフの存在や調整箇所の特定をすることができた。現行機を最適化した後に改善を行い、さらに加工能力を上げることが可能となった。
(2)「シックスシグマについて」(KOA株式会社 守谷敏)
シックスシグマの概要と品質工学の関わりについての説明を行った。改善プロセスであるDMAICのIフェーズで品質工学が使われること、TQCとの相違点、長所と短所などについて質疑応答やディスカッションにより知見を広げた。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
前回はデジタルカメラで撮影した指紋の画像処理について検討を行なったが、効率性が良くないことからスキャナーで指紋画像をパソコンに取り込み、数値化をしてみた。その結果、デジタルカメラで撮影した指紋画像と同様にパターンが認識できることが分かった。今後は、数値化したデータの処理方法を検討し、T法によるパターン認識が可能かを見極めていく。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
L9直交表実験からシャボン液の最適条件を検討した。SN比の再現性が難しいと判断したため、精製水、ガムシロップ、洗濯のり(PVA)の量を感度を優先して選択した。比較条件は感度における中位の水準を選択して決めた。確認実験を行った結果、推定の利得6に対して3という結果であった。結果より精製水、洗濯のりの配合が性能に関わっていることが分かった。前回の実験より気温が大きく下がっているため、気温がノイズとして大きく影響していると考えられる。次回は結果をまとめ、今後の方針を決める。
2012年11月30日(金)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 浦野崇
2)事例発表(4件)
「検査ゲージを用いた三次元測定機の誤差評価と点検方法の検討」日精樹脂工業(株) 常田 聡
「空調の機能性評価」長野県テクノ財団 岩下幸廣
「マイクロビアのテーパー低減」KOA(株) 守谷 敏
「スポンジゴムの切断作業者の能力評価」日精樹脂工業(株) 荒井亮平
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「イラストと事例でつかむ品質工学のツボ」 アルプス電気(株) 宇井友成
5)名刺交換会
2012年12月13日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「紙ヘリコプタの滞空実験を行い、分散分析、滞空時間の推定を行った」 ((株)イースタン 大西 衛)
QC勉強会セミナーに参加して下記実験を行った。
紙ヘリコプタの滞空時間に関し、一元配置実験(水準数:4、繰返し:3)、二元配置実験(水準数:2、繰返しあり)、直交表L8(27)(5因子、各2水準)実験を行い、それぞれ実験結果から分散分析を行い、滞空時間の推定を行った。二元配置実験では、実験結果のグラフより交互作用有意であることがわかっていたが、実際の分散分析からも交互作用有意が読み取れた。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」
前回、スキャナーで取り込んだ指紋画像が数値化できることが分かったので、今回は単位空間としてAさんの右手人差し指を4パターン、信号空間としてBさんの右手人差し指2パターン、Aさんの右手中指1パターンの合計3パターンとして誤圧によってパターン認識ができるか検討した。その結果、信号空間であるBさんの右手人差し指については単位空間との差が大きくありパターン認識できそうなことが分かった。しかし、単位空間と同一人物のAさんの右手中指は単位空間とほとんど差がなくパターン認識がむずかしい状態であった。今後は、単位空間、信号空間のサンプル数を増やすと共に、様々な評価方法を検討していくこととした。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
前回の実験結果を元に内容を検討した。気泡力試験では台所用洗剤を使用しないほうが泡立ちが良くなってしまい、シャボン玉の性能評価としては難しい。また今回の実験では、感度での評価のみとなったので、シャボン玉の性能を正確に評価するにはどうするか今後さらに検討し、再実験を行うこととなった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2012年12月号)
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2012年12月21日 15時18分
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長野県品質工学研究会
2012年9月13日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
「全日本製造業コマ大戦に向けた『ケンカゴマ』の研究」 (タカノ(株) 中原健司)
10月26日に行われる全日本製造業コマ大戦新潟大会に向けた『ケンカゴマ』の研究を行っている。コマの重心位置、外径、先端の形状などをL18直交表に割り付け、光造形と金属加工により試作した。ノイズは、対戦相手のコマに見立てたおもりを置く位置と初期の回転数のばらつきとした。実験方法を工夫したところ再現性のある要因効果図が得られ、強いコマができた。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
今回の共通テーマ「T法によるパターン認識の検討」および「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」は、時間の都合上、中止となった。
2012年10月11日(木)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「射出成形機における型締め装置の設計条件の最適化」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
射出成形金型の精度が年々高くなり、それに伴って射出成形機の型締め装置の要求精度も高くなってきている。そこで、長い期間にわたって精度を維持できる型締め装置の研究開発に取り組んだ事例である。工場出荷の条件を標準条件とし、ユーザーの使用条件(誤差因子)との差が小さいことを理想として設計条件の最適化を行った。その結果、寿命が約2倍になる条件を見出すことができた。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」:進展無し
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
精製水、ガムシロップ、洗濯のり(PVA)の量をそれぞれ3水準に振り、L9直交表に基づき実験を行った。前回報告のとおり、シャボン液を約1mの高さから滴下した際の気泡高さを評価項目とした。滴下直後の高さと5分経過後高さを測定し、望目特性でSN比と感度を計算した。次回はその結果をもとに議論を行い、確認実験を行う。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2012年10月号)
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2012年10月25日 22時15分
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長野県品質工学研究会
2012年7月12日(木)、第3回研究会を(株)IHIシバウラ(長野県松本市)にて開催した。
【事例発表】
(1)「機械加工設備の保全間隔の最適化」 ((株)IHIシバウラ 浦野崇)
ディーゼルエンジンシリンダブロック加工用のマシニングセンタに関する定期保全の間隔について検討を行った。現状ではメーカー指定の保全部品以外は定期交換を行っていないが、オンライン品質工学を適用し保全間隔の検討を行った結果、取り上げた3部品いずれも定期交換を実施した方が、損失が少ないという結果であった。また、部品の平均故障間隔、損失の見積もりの推定が現実とずれていた場合も想定して試算をしたが、ほとんどのケースで定期交換を実施した方が良いという結果を得た。
【会社紹介・工場見学・セグウェイ試乗】
2年1回のペースで、会員企業にて研究会を開催している。今回は、(株)IHIシバウラにて開催された。会社紹介の後、工場見学(ディーゼルエンジンおよびトラクターの製造ライン)をした。最近、コミュニケーションツールとして導入されたセグウェイの試乗体験をした。
2012年8月23日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「経済性工学の考え方の紹介(損失関数のAの決め方について)」 (公益財団法人長野県テクノ財団 岩下幸廣)
前回研究会のIHIシバウラからの報告で、損失関数のAの決め方が問題になった。そこで、簡単なモデルによりAの決め方を議論した。生産に余裕のある場合は、状況に応じてAの値が異なるが、繁忙時は「価格」とするのが適当であることが分かった。
(2)「田口玄一メモリアルに参加して」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
7月29日にホテルオークラ東京の別館で開催された、「田口玄一メモリアル」の参加報告を行った。当日は多くの懐かしい人に会ったことや、3人のお孫さんによるオムレツのパラメータ設計の発表、田口先生の好きだった歌の合唱など、楽しい時間を過ごすことができた。田口先生を慕って、多くの人が品質工学の発展に力を尽くしてきた賜だと思われる。あらためて田口先生の偉大さを感じた。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」
今回はデジタルカメラで撮影した指紋の画像処理について検討を行なった。
ビットマップファイルから二値化し、CSVファイルに変換するソフトを使用して画像データを数値化したところ、指紋のパターンが認識できそうなことが分かったので、次回からはメンバーの指紋を採取して画像データから数値データに変換を行なっていく予定である。
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
シャボン液の性能評価方法を検討した。「JIS K 3362:2008 家庭用合成洗剤試験方法」にある起泡力及び泡の安定度の試験を参考にして、液を約1mの高さから滴下して泡を発生させ、その高さを測ることにした。シャボン液の配合はいくつかの例と入手の容易さから食器用洗剤、精製水、洗濯のり(PVA)、ガムシロップを選択した。標準条件は先に調べたいくつかの例の平均値とした。次回は、まずノイズを与えずにL9直交表で予備実験を行い、制御因子の効果を調査することとなった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2012年8月号)
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2012年9月3日 12時39分
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長野県品質工学研究会
2012年5月18日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成23度の事業報告および平成24年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は10(正会員:6、顧問:1、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/18、6/14、7/12、8/23、9/13、10/11、11/8、12/13、1/10、2/14、3/14)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「品質工学の実践を通した教育効果―品質工学研究の実践と教育についての考察―」
講師:山本桂一郎氏(富山高等専門学校 専攻科)
内容:北陸品質工学研究会でも活躍されている山本桂一郎氏をお招きし、品質工学の実践を通した教育効果についてご講演いただいた。自己紹介から始まり、品質工学との出会い、そして品質工学を用いた最近の開発事例を丁寧にご紹介いただいた。技術者としてのあるべき姿とは?、技術者の能力を高めるにはどうしたらよいか?など、非常に考えさせられる内容であった。山本桂一郎氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
2012年6月14日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法における項目選択の有効性に関する研究」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法において、直交表を使わないで項目選択の方法について検討した。その結果、項目選択することにより、相関係数が「0.70」から「0.84」へ向上した。
(2)「コマのパラメータ設計」(タカノ(株) 中原健司)
7月28日に伊那市で行われる製造業向けのイベントで品質工学の事例発表を行う。全日本製造業コマ大戦も開催されるため、コマに関する事例を検討中である。3次元CADの設計テーブル機能を使ってコマのパラメータ設計を行い、光造形と金属加工で制作する。制御因子はL18直交表に割り付けた。コマを回すモーターの回転数を信号とし、止まるまでの時間を出力とする。誤差因子は予備実験し、決定する予定である。
(3)「接触式、非接触式測定機による表面性状評価の比較について」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
加工方法の違う二種類の試験片について接触式・非接触式測定機により表面性状評価を行い、結果を比較した。平均や分散の比較から両者の違いは明らかになったが、接触式と非接触式の特性の違いをあきらかにすることは難しい。今後はフーリエ解析や試験片の検討などを行っていく。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」:進展無し
(2)「パラメータ設計事例の検討」
パラメータ設計のテーマについて検討し、「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」と決まった。シャボン液は石鹸、ガムシロップ、洗濯のり、片栗粉などを配合するとよいとの情報から、これらを制御因子とした。次回、入力と出力をどうするか検討し、予備実験を行うことになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2012年6月号)
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2012年7月4日 16時48分
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長野県品質工学研究会
2012年3月8日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター食品技術部門(長野県長野市)にて開催した。長野県外の相談者から持ち寄られた紙ヒコーキの事例についてディスカッションした。その後、食品技術部門の見学をした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2012年4月号)
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2012年4月23日 19時33分
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長野県品質工学研究会
2012年1月19日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「女子プロゴルフの獲得賞金予測 2011年版」 (KOA株式会社 守谷 敏)
女子プロゴルフの各種データを利用してT法の推定精度への影響を検討した。検討は、(1)信号の変換の有無 (2)単位空間の位置 (3)逆方向の推定 (4)項目選択について行った。今回の結果からは、信号を変換した方が精度が高くなること、単位空間の位置は影響しないことなどがわかった。また、特定の女子プロに注目し、2011年の途中の成績からツアー終了時の獲得賞金を推定してみた。結果は推定式の精度の±1σ内に入ったが、金額で見れば14%もズレてしまった。どの範囲になれば当たったと判断するかの基準はないので、推定式を使う側で許容範囲を決めるしかない。推定式は簡単に作れるが、精度の高い式を得るのは難しい。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
今回は、予備実験の一つとして指紋を紙に転写したものをデジカメで撮影し、パソコンに取り込んで、画質の確認を行なった。確認の結果、デジカメの画像であっても評価ができそうなことが分かった。次回は画像の処理方法について検討する予定である。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
前回実施した機能性評価の実験結果についてディスカッションした。動特性および望目特性にて解析を行った結果、ほぼ同じような順位になった。シュガーディスペンサーの機能性評価は、短時間に実験ができるため、実習用教材としても活用できるのではないかと考えられる。次回からは、新テーマに取り組むことになった。
2012年2月16日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。また、非会員から寄せられたテーマについて検討した。
【事例発表】
(1)「商品価値分析へのT法の適用」 (長野県工業術総合センター 情報・情報技術部門 花岡健一)
商品のコストパフォーマンス(効用/コスト)や環境効率(効用/環境負荷)を数値化する際に、効用の計算が課題である。長野県工業技術総合センター等での、T法を利用した効用の推定方法の検討状況を報告して、研究会メンバーでの意見交換を行った。
(2)「電源装置の不具合調査事例」(発表者氏名および所属名は都合により省略)
自社で製造している回路基板ユニットにおいて、ユニットをシステムに組み込む際に特定のチップコンデンサにクラックが傾向的に発生した。一軸の歪センサでコンデンサ部に加わる歪量を測定したところ、歪量はわずかであった。クラックの発生状況から、斜め方向に歪が加わったことが疑われたため、三軸の歪センサで測定したところコンデンサに対して斜め方向に耐力限界を超える歪が加わっていることが分かった。システムに組み込む作業を改善することで不具合発生は収束した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2012年2月号)
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2012年2月19日 11時00分
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長野県品質工学研究会
2011年11月17日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「検査ゲージを用いた三次元測定機の誤差評価と点検方法の検討」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
三次元測定機の測定誤差を常に管理できるように、製造メーカの定期的な校正と社内の定期点検を組み合わせる方法を検討した。
その結果、メーカ校正を1年から2年に延長し、社内定期点検を1ヶ月に1回実施することが妥当との結論を得た。このことにより、年間約34万円の損失改善となった。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
従来より取り組んできた「電気回路のパラメータ設計」に代わり、T法によるパターン認識の事例を取り組んでいくこととした。今回は、パターン認識の対象を何にするかを検討した。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
4種類のシュガーディスペンサーを用意して、予備実験を行った。入力:「傾ける回数」、出力:「出た砂糖の重量」、ノイズ:「容器内の砂糖の量(大、小)」で設定した。その結果、設定したノイズの影響により、砂糖の量が異なることが判明した。また、繰り返しのバラツキもある程度大きいことが判明した。次回は、ノイズに砂糖の種類を加え、本格的に実験を行うことになった。
2011年12月19日(月)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。出席者は37名で、盛況であった。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 浦野崇
2)ポスターセッションによる事例発表(5件)
「オゾン水生成槽の最適化」(株)IHIシバウラ 浦野 崇
「ボールネジの機能性評価」日精樹脂工業(株) 常田 聡
「アメリカ中央情報局(CIA)のデータを用いたT法の解析」(有)増田技術事務所 増田雪也
「ファインライン印刷条件の最適化」KOA(株) 守谷 敏
「シミュレーションによる跳ね上げ式門扉のパラメータ設計」タカノ(株) 中原健司
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「高品質と開発期間半減は両立できる」 のっぽ技研 長谷部光雄
5)名刺交換会
2011年12月15日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法による非線形データ処理方法の検討」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
(有)増田技術事務所 増田雪也氏の「非線形成分を考慮したT法の研究」(2008年5月12日 増田技術事務所技報)の内容をベースに、T法による非線形データの処理方法を検討した結果を報告した。増田氏の方法は、T法と重回帰分析を組み合わせたものであったが、重回帰分析を使用せず、T法のみでのデータ処理する方法として、
@2次を項目として追加する(必要なら、3次も)
An次を項目として追加する(推定データと使用したデータのSN比が大きくなるようにnを決める)
B非線形の原因をモデル化して、データを補正する
を提案し、実際のデータで推定式の精度検証を行った。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」
パターン認識の対象を何にするか検討した結果、指紋のパターン認識を行なうことした。そこで、今回はどの様に指紋を画像データとしてパソコンに取り込むかを検討した。次回は、今回の検討結果を踏まえて予備実験を行う予定である。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
4種類のシュガーディスペンサーを用意して、機能性評価を行った。ノイズは「容器内の砂糖の量(大、小)」と「砂糖の種類(グラニュー糖、ザラメ)」を調合した。次回は、今回の結果をディスカッションし、今後の進め方を検討することになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2011年12月号)
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2011年12月25日 10時49分
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長野県品質工学研究会
2011年9月15日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「T法による都道府県データの解析」 ((株)IHIシバウラ 浦野崇)
T法の実習素材として、総務省統計局発行の「統計でみる都道府県のすがた2008」を利用して、各種データの解析を行った。統計は全459項目の各都道府県毎のデータである。
取り上げたのは、一人当たりの高齢者医療費、刑法犯認知件数、平均余命などであるが、それぞれ興味深い解析結果を得ることができた。例えば、高齢者医療費に最も効いているのは、被生活保護者の割合であった。
このように都道府県データを実習に使用することにより、T法の有用性、簡便性を実感できた。
また、データの入手も容易で身近なデータでもあり、実習素材として適当だと考えられる。
【共通テーマ】
(1)「電気回路のパラメータ設計」
直交表L18の実験結果について考察を行なった。
感度の要因効果図より制御因子Bの抵抗C、制御因子Cの抵抗Dの効果が大きいことがわかった。そこで、SN比の分散分析を行ない各因子の効果を確認したところ、実験間誤差が非常に大きかったことから、実験装置のまずさが明確になった。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
基本機能およびノイズについて検討した。ノイズは、容器内の砂糖の量、砂糖の粒の大きさ、容器の回転角度など、7つをリストアップした。次回は実際に実験をして、測定方法や実験のやり方に不備がないかをチェックすることになった。
2011年10月29日(土)、第8回品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)を湯田中温泉「清風荘」(長野県下高井郡山ノ内町)にて開催した。20名(埼玉5名、北陸3名、山梨5名、長野7名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】
参加各県の研究会の活動が報告された。
【基調講演「MTシステムによる地震予測」】
富山高等専門学校の早川幸弘氏に、地震の予測について講演をお願いした。T法、RT法、誤圧を組み合わせた地震の予測について、第1報から第4報までをわかりやすく説明していただいた。
【T法 vs 重回帰分析】
「T法 vs 重回帰分析」と題して、T法と重回帰分析の比較を行った。各研究会から持ち寄ったT法の事例について、T法と重回帰分析の推定結果を総合推定のSN比および相関係数で比較した。T法のメリットは何か?重回帰分析の優位性とは何か?について、徹底討論した。その結果、T法のメリットとして、「項目数よりもデータ数が少なくても適用できる」「未知データの予測に優れる」「制約が少ないので使いやすい」「項目数が多くても、エクセルで簡単に解析できる」という意見が挙げられた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2011年10月号)
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2011年10月25日 13時59分
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長野県品質工学研究会
2011年7月21日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「QES2011の参加報告」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
2011年6月22日・23日に開催されたQES2011について、大会の様子および関心の高かった発表テーマについて報告した。
【共通テーマ】
「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計の実験を行なった。前回の課題であった、誤差因子の与え方の検討を行なった。次回までに直交表実験を行なう予定とした。
実験後にはホイートストンブリッジをパラメータ設計の教材とすることができるかを検討していきたい。
2011年8月25日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表、報告および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「共通テーマ「紙飛行機のパラメータ設計」のまとめ」 (KOA株式会社 守谷敏)
この事例は、共通テーマとして1年間行った結果をまとめたものである。結論から言えば、SN比、感度共に再現性を得ることはできなかった。交互作用のある制御因子を用いたことが主な原因であるが、その他にも飛行機の作成ばらつき、飛ばし方なども大きく影響していた。これらを実習での注意点としてまとめ、本テーマの終了とした。
なお余談になるが、本テーマで得られた注意点を基に発表者が社内教育で行った実習では、誰が作っても均一によく飛ぶパラメータを求めることができた。
(2)「T法における欠測データの活用の検討」 (有限会社増田技術事務所 増田雪也)
T法における欠測データの活用について、新SN比を採用し、推定を行った。その結果、従来のゼロ点比例式とほとんど同じ推定精度になった。
【報告】
「品質工学導入講習会 参加者アンケート調査結果」(財団法人長野県テクノ財団 岩下幸廣)
2011年7月20日に岡谷市にて開催された品質工学導入講習会のアンケート調査結果について報告された。7割以上の参加者が、「非常に参考になった」または「参考になった」と答えていた。導入講習会に引き続き、8月末に2日間の品質工学パラメータ設計基礎セミナーを開催する予定である。
【共通テーマ】
(1)「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計の直交表実験を行なった。L18直交実験の結果をゼロ望目特性で解析した。実験時、抵抗器のリード線をワニ口クリップで挟んだが、値が安定しなかった。次回は動特性による解析と実験の問題点について検討する予定である。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
従来より取り組んできた共通テーマ「紙飛行機のパラメータ設計」に代わり、新たなテーマとして「シュガーディスペンサーの機能性評価」を実施することにした。次回は、基本機能やノイズなどを検討する予定である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2011年8月号)
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2011年8月19日 14時23分
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長野県品質工学研究会
2011年5月20日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成22度の事業報告および平成23年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は11(正会員:6、顧問:1、特別会員:3)になった。開催日程は、全11回(5/20、6/16、7/21、8/25、9/15、10/20、11/17、12/15、1/19、2/16、3/8)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「MTシステムによる個人認証 自動車運転座席での着座認証」
講師:越水重臣氏(産業技術大学院大学 産業技術研究科)
内容:浜松品質工学研究会でも活躍されている越水重臣氏をお招きし、MTシステムに関する事例をご講演いただいた。MTシステムを個人認証に活用した事例で、自動車の運転座席に座った人を判別するという内容である。単位空間の作成および特徴量の設定について、苦労話を含め、興味深い内容であった。越水重臣氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
2011年6月16日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す協議事項および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【協議事項】
(1)「4県合同研究会について」
毎年1回、各県の持ち回りで4県合同研究会が開催されている。2011年度は長野県が開催県となっており、会場および内容について検討した。その結果、10月に湯田中温泉にて開催することになった。内容は、「T法 vs 重回帰分析」と題して、各研究会より事例とデータを持ち込んで、T法と重回帰分析で解析し、どちらが優れているか検討することになった。
(2)「長野県テクノ財団主催の講習会およびセミナーについて」
7月に品質工学導入講習会、8月にパラメータ設計基礎セミナー、10月頃にT法基礎セミナーを開催することになった。T法セミナーについては、会員が事例を持ち寄り、紹介することになった。
【共通テーマ】
(1)「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計の実験を行なった。前回の課題であった、回路の確認を行ない直交表実験を開始した。実験を進める上で、設定した誤差因子をどの様に与えるかが課題となったので次回検討する。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
交互作用がありそうな因子を除いて再度L18の実験を行い、得られた最適条件と比較条件での確認実験を行った。
確認の結果、またしても再現性は得られなかった。SN比の要因効果図からはまだ交互作用があるように見受けられる。この点について意見交換を行い、紙の折り方や飛ばし方によって繰り返し再現性が低いことも原因の一つであろうとの結論になった。
ただし、利得の再現は得られなかったが、最適条件はSN比(薄紙、厚紙での飛距離ばらつき)、感度(飛距離)ともに比較条件よりも格段によかった。品質工学の教材としては、受講者が興味を持ち、手軽に、安く行えるものを探すのに担当者は腐心している。紙飛行機実験も条件を詰めて再現性が得られるようになれば、よい教材になると感じられた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2011年6月号)
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2011年6月19日 14時22分
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長野県品質工学研究会
2011年3月10日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「計測器管理手法の一例」 (長野県工業技術総合センター 松沢草介)
長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門における、計測器管理手法について紹介された。センターでは、抵抗、直流電圧、交直電圧電流比較標準を元に、様々な計測器の管理を行っている。校正試験の記録データを統計処理することにより、経年変化を予測している。管理精度とコストの関係では、オンライン品質工学に似た検討を行っており、歩留まり損失と設備および解析コストのトータルコストで最適な精度を導き出している。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計にて、実験を開始した。回路を組んで測定を始めたが、可変抵抗を変化させても電流が変わらないため、回路が合っているか確認した。原因が不明のため、次回、再度回路を確認する。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
交互作用があると思われるいくつかの因子について、それぞれの働きを考えて絞り込み、再度L18実験を行った。その結果、交互作用を起こしていた因子では前回と逆の効果図が得られた。次回以降で再現性の確認と、まだ交互作用があるのかを検証する。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2011年4月号)
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2011年4月19日 14時21分
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長野県品質工学研究会
2011年1月21日(金)、第9回研究会(特別講演会および事例検討)を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【特別講演会】
浜松品質工学研究会で活躍されている鈴木真人氏を招いて、以下の2つの内容でご講演いただいた。
講師:鈴木真人氏(アマノ株式会社 タイム開発部)
演題1:「移動体誘導技術の基礎開発 品質工学とLabVIEWの親和性」
内容:産業技術大学院大学での研究テーマとして、自動搬送車の誘導技術について開発を行った事例である。研究開発を支援するツールとして有名な「LabVIEW」を用いて、効率的(L18直交表実験を1日で終了)に実験を進めた。品質工学を知らない技術者に対して、理解しやすいよう工夫された発表資料であり、テーマ内容も含めて、初心者向けの教材としての可能性も秘めていると感じた。
演題2:「回帰寄与率型SN比の提案と検証」
内容:SN比の数式は、難解という印象から敬遠される場合が少なからずあり、品質工学の普及を阻害する要因のひとつとなっている。回帰寄与率型SN比は、品質工学を知らない人でも、SN比の概念が理解しやすいようにと提案されたものである。いくつかの事例データを用いて、従来のSN比と回帰寄与率型SN比を比較した結果、実用可能であるとの結論を得た。
【事例検討】
「野沢菜漬けのパラメータ設計」について検討した。各会員の自家製野沢菜漬けを持ち寄り、レシピを見比べながら試食した。レシピは様々で、塩以外に醤油、ザラメ、酢、リンゴなど、各家庭秘伝の配合があることがわかった。基本機能は、入力「時間」、出力「アミノ酸(旨み)の量」「乳酸菌の量」という意見や、味を官能評価する意見が出された。ノイズについては、原料となる野沢菜のロット間バラツキ、気温が考えられる。
2011年2月5日(土)、品質工学合同研究会を勝沼ぶどうの丘(山梨県甲州市勝沼町)にて開催した。合同研究会とは、品質工学フォーラム埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、山梨県品質工学研究会(山梨)、長野県品質工学研究会(長野)の合計4地区の地方研究会が、年1回各研究会持ち回りで開催しているイベントである。今回の合同研究会の内容については、山梨県品質工学研究会から詳しい内容の報告があると思うが、「MTシステムの最新事情」の紹介など、非常に充実した内容であった。なお、2011年度は長野での開催を予定している。
2011年2月10日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「モールド成形の最適条件」 (KOA(株) 守谷敏)
モールド成形において樹脂の充填不足の発生があり、樹脂の種類、温度、射出圧力、速度などを制御因子としてL18直交実験を行った。水準の組合せは事前に検討したが、実験では一部で設定値にならないものがあり、要因効果図にV字がいくつか現れた。そのため設定値にならない組合せを欠測値扱いとし、SN比の高い組合せの水準幅と比較して要因効果図を作成し直した。要因効果図にはV字もなくなり、そこから求めた最適条件はよい再現性を示した。
【共通テーマ】
(1)「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計にて、制御因子を直交表L18に割り付けて実験計画を作成した。また、信号因子として使う抵抗を、M1:33Ω、M2:68Ω、M3:100Ωとし実物の抵抗の測定をし真値とした。次回は常温にてホートストンブリッジを用いて信号因子の抵抗値を求めてみる。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
L18直交実験の結果をゼロ点比例、標準SN比、静特性で解析した。要因効果図はどれも似通っており、前回の交互作用の実験結果を踏まえて水準の動きや効果の大きさなどについて議論した。また、交互作用のある因子を除くと再現性が上がるかを確認する実験の因子を選定した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2011年2月号)
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2011年2月16日 16時01分
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長野県品質工学研究会
2010年11月18日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表、協議事項および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学におけるクラウドコンピューティングの活用」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
製品開発において、効率化は非常に重要なキーワードである。品質工学の普及・教育においても、効率良く人材を育成していくことが求められている。そこで、近年注目を浴びているクラウドコンピューティングを、品質工学のコンサルティングにどう活用するかについて提案を行った。
【協議事項】
2010年11月26日(金)に長野県塩尻市で開催される品質工学「実践」交流大会の運営方法について、打ち合わせを行った。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計にあたり実験のための装置を作成した。まず回路図より実体配線図を作成し、それにもとづいて配線やハンダ付けを行った。制御因子となる抵抗や電源などは、接続がしやすいようにバナナクリップを用いた配線とした。次回からはいよいよ実験を行う。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
L18直交表実験に続き、確認実験を行った。次回は、利得の再現性を確認した後、制御因子間の交互作用について検討する予定である。
2010年11月26日(金)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。出席者は31名で、盛況であった。内容は以下の通りである。
1)あいさつ (財)長野県テクノ財団 小泉博司
2)長野県品質工学研究会の紹介 会長 常田聡
3)特別講演会「センサ開発を通じて、夢を形に」 マイクロストーン(株) 白鳥典彦
4)ポスターセッションによる事例発表(6件)
「射出成形機における材料落下口形状の最適化」日精樹脂工業(株) 常田聡
「タイバー歪み測定器による型締め力測定方法の最適化」日精樹脂工業(株) 荒井亮平
「内視鏡消毒機のプログラムチェック」(株)IHIシバウラ 浦野崇
「MTシステムを用いたキーボード入力による個人判別方法の検討」(有)増田技術事務所 増田雪也
「乾電池の機能性評価」KOA(株) 守谷敏
「デジカメの機能性評価」KOA(株) 守谷敏
5)自由討論および相談会
6)懇親会
参加者アンケートでは、次のような感想が寄せられた。「実際に品質工学がどのように使われているのかよくわかった」「自社の事例にも応用できそうなものが何点かあった」「製造に直接かかわらないソフトウェアなどについても活用出来るなど大変興味深く聞けた」
2010年12月16日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す協議事項および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【協議事項】
11月に開催された品質工学「実践」交流大会の報告と次回への反省について検討した。2011年度も開催する方向であるが、アンケートの結果などを考慮し、発表方法などを改善することとなった。また、より多くの皆さんに出席してもらえるよう、開催方法についても再度検討することになった。
【共通テーマ】
(1)「電気回路のパラメータ設計」
ホイートストンブリッジのパラメータ設計に当たり、前回に引き続き、実験のための回路の部品を作成した。制御因子の抵抗を簡単に変えられるようにバナナクリップを用いた配線を作った。今回は時間が短かったので、実験装置の製作で終わった。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
利得の再現性が乏しかったため、制御因子間の交互作用が疑われる制御因子BとCについて、追加の実験を行った。具体的には制御因子B「隙間」を10mmに固定して、制御因子C「折り返し」を3水準振った追加実験を行った。その結果、SN比については、要因効果図とは異なる傾向となり、交互作用の存在が明らかとなった。感度については、要因効果図と同じような傾向となった。次回は、制御因子Cを固定し、再度L18直交表実験を行い、利得の再現性を確認することになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2010年12月号)
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2010年12月15日 14時50分
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長野県品質工学研究会
2010年9月16日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「オゾン殺菌装置のプログラムチェック」 ((株)IHIシバウラ 浦野崇)
内容は会社都合により省略
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「電気回路のパラメータ設計」
前回の実験で、ホイートストンブリッジが作れることがわかった。そこで、今回は信号、誤差、制御の各因子の検討をした。信号は未知抵抗とするが、別の測定機にて抵抗値を測定して真値とする。誤差因子は、未知抵抗の温度とする。制御因子はホイートストンブリッジを構成する抵抗の値や抵抗の精度、電源の種類、検流計or電流計などを考えた。次回は実験がやりやすいように回路を組んで、実験を開始する。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
前回折りあげた36機の紙飛行機を飛ばし、飛距離のデータを取った。入力は、輪ゴムを伸ばした量を3水準(10、13、16mm)設定した。次回は確認実験を行う予定である。
2010年10月21日(木)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。共通テーマについては、時間の都合上、実施しなかった。
【事例発表】
(1)「圧力センサ開発における評価方法の検討」 (タカノ(株) 中原健司)
現在、圧力センサの開発を行っている。社内では新しい分野になるため評価方法が確立されていない。そのため、品質工学手法を用いて技術の評価ができないか検討した。
基本機能は、入力を荷重、出力を抵抗値とした。制御因子は、圧力センサの材料や形状等を取り上げた。誤差因子は、ヒステリシス、劣化、製造上の誤差を取り上げた。その結果、出力値(抵抗値)バラツキの少ない制御因子の組合せを見つけることができ、SN比を使った圧力センサの評価方法を確立することができた。
(2)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (サンスター技研(株) 大久保直樹)
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2010年10月号)
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2010年10月19日 12時45分
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長野県品質工学研究会
2010年7月15日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「色素増感太陽電池の原理と品質工学によるパラメータ設計」 (KOA(株) 守谷敏)
会員の共通研究テーマとして色素増感太陽電池を取り上げた。最近は実験キットがいろいろなところから販売されている。そこで、知的クラスター創成事業で色素増感太陽電池の研究に参加していたKOA(株)から、発電原理と実験キットの中で制御因子として水準が振れそうなものについて発表を行った。
実験する上で(1)費用の点から、研究会では半導体部分の因子しか取り上げられない、(2)発電量の測定に必要なソーラーシミュレータがない、(3)電池の組立て再現性が得られにくいなどがあり、研究会としてはテーマの実施を保留とした。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」 (KOA(株) 守谷敏)
研究会主催の品質工学セミナーでは、実習として紙飛行機のパラメータ実験を行っている。紙の折り方を制御因子、紙の重さを誤差因子として、計測特性を飛距離にしている。しかし、これが結構むずかしく、最適条件を求めても再現性が得られにくい。それは制御因子の組合わせによっては交互作用が現れ、重心位置がずれてしまうためである。
そこで、共通研究テーマとして交互作用の見つけ方、対処の仕方を取り上げ、セミナー参加者への見本解答をつくることにした。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「電気回路のパラメータ設計(仮題)」
共通テーマとして前回検討した「ホイートストンブリッジのパラメータ設計」について、進め方を議論した。メンバーの中に電気の専門家がいないので次回、工業技術センターが所有している適当な部品を組み合わせて、回路を組んで実験してみることにした。その後、制御因子の水準を決めて必要な部品を購入して実験を行う。
ホイートストンブリッジは未知抵抗の計測器であり、計測のSN比を求めて測定誤差の研究ができる。また、最後は損失関数により品質コストの計算をして最適なホイートストンブリッジの設計条件を求める。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
事例発表にて紙飛行機のパラメータ設計の概要が紹介された。次回から実際にパラメータ設計を行い、その結果から、制御因子間の交互作用について検討することになった。
(3)「色素増感太陽電池のパラメータ設計」
制御因子の準備および基本機能の測定方法を検討した結果、現時点での実験は困難との結論に達した。よって、このテーマについては、中止とすることにした。
2010年8月26日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「射出成形機における可塑化装置の設計条件の最適化」(日精樹脂工業(株) 常田聡)
本研究は、射出成形機のサブシステムである可塑化装置の最適化をねらった研究で、可塑化装置の仕事量とエネルギー量の理想関係を基本機能と定義して、評価する方法を検討した。また、スクリュ回転数に対する押出重量(仕事量)の目的機能にて、評価と目標値への合わせ込みも行った。研究の結果、利得の再現性も良く評価方法を確立することができた。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「電気回路のパラメータ設計」
工業技術総合センター所有の計測機器と抵抗を使って、実際にホイートストンブリッジを作ってみた。既知の抵抗の抵抗値を測ってみたところ、値が一致し測定精度が得られることがわかった。次回は、信号、誤差、制御の各因子を決める。
(2)「紙飛行機のパラメータ設計」
制御因子の決定と飛行機の折り込み作業を行った。制御因子は紙の折る位置だが、因子と水準の組み合わせによっては作成不可となるものもある。セミナーの実習ではこの点の考慮が足りず、L18直交表に因子を割り付けたはいいが、作り始めてからできない組み合わせに気づく参加者がまま見受けられる。L18に割り付けた因子と水準で作成できるか、水準ずらしが必要かなど事前に十分検討することが必要である。この日は、研究会の終了時間にも気づかず、夢中で誤差2水準の計36機を折りあげた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2010年8月号)
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2010年8月19日 12時43分
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長野県品質工学研究会
2010年5月28日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成21度の事業報告および平成22年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は11(正会員:8、顧問:1、特別会員:2)になった。開催日程は、全11回(5/28、6/17、7/15、8/26、9/16、10/21、11/18、12/16、1/21、2/10、3/10)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「アルプス電気における品質工学展開」
講師:宇井友成氏(アルプス電気株式会社 技術支援G)
内容:
アルプス電気で品質工学推進員リーダーをされている宇井友成氏に、社内の品質工学展開についてご講演いただいた。
品質工学の話から始まると思いきや、社内講義で使っているお話の紹介ということで「時間の3つの理(ことわり)」と「寓話『二人の石切り職人』から学ぶこと」の話題から講演が始まった。品質工学とは関係のない話題のように思えるが、人間として、ビジネスパーソンとして、技術者として、ハッとさせられる内容であった。
その後、東北品質工学研究会や2010年度ASI賞受賞事例の紹介など、多彩な内容に魅了された。アルプス電気社内での研究会活動の話題では、社内講師会や教育コースの様子が紹介され、品質工学の普及に悩む当研究会の会員にとっては、大変参考なる内容であった。
宇井友成氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
2010年6月17日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表・報告および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表・報告】
(1)「QES2010報告」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
先日開催されたQES2010の参加報告を行った。昨年とほぼ同じ出席者数であったが、活気に満ちた大会であった。
(2)「品質工学と私」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学と出会い、品質工学のメリットを実感し、現在に至る過程を紹介した。
(3)「地方研究会の集まり報告」(日精樹脂工業(株) 常田聡)
QES2010の2日目に開催された地方研究会の集いに参加してきたので報告する。
今回の研究会活動の紹介は、品質工学フォーラム埼玉代表の渡辺義晴から、活動の概要と課題などについて発表があった。どの地方研究会でも共通の悩みである、参加者の減少と検討事例の減少について活発な議論が行われた。たとえば関西の研究会では、品質工学の行事に参加するときに補助金を出すなどの工夫をしているそうだ。また、他の研究会では事例発表会を開催して会員の関心を高めるなどの工夫も行っている。
長野県品質工学研究会でも、長野県テクノ財団などの協力を得て事例発表会などの規格を検討したらどうか、といった提案がなされた。
【共通テーマ】
2010年度の共通テーマは、「紙飛行機のパラメータ設計」、「色素増感太陽電池のパラメータ設計」、「電気回路のパラメータ設計(仮題)」を予定している。各グループで進め方などのディスカッションを行った。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2010年6月号)
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2010年5月31日 16時15分
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長野県品質工学研究会
2010年3月11日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す品質工学導入セミナー、2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【品質工学導入セミナー】
財団法人長野県テクノ財団との共催で、開発・技術関係の担当者、管理者および経営者向けに、品質工学導入セミナーを開催することになった。また、この導入セミナーの数ヶ月後には、2日間の本格的な品質工学基礎セミナーの開催も予定されている。これを機会に長野県内企業に品質工学が普及するよう、研究会としても積極的に活動していきたいと考えている。
なお、品質工学導入セミナーの内容は以下の通りである。
・主催:長野県テクノ財団
・共催:長野県工業技術総合センター/長野県品質工学研究会
・日時:2010年3月18日(木)13:30〜17:00
・会場:塩尻市インキュベーションプラザ(長野県塩尻市大門八番町1-2)
・参加費:無料
・定員:40名程度
・内容:
13:30〜13:35 あいさつ
13:35〜15:30「品質工学の基本的考え方」
(有)増田技術事務所 増田雪也
15:35〜16:15「企業での品質工学適用状況」
セイコーエプソン(株) 高田 圭
16:15〜16:55「品質工学適用事例」
(長野県品質工学研究会での事例 2件)
日精樹脂工業(株) 常田 聡
(株)IHIシバウラ 浦野 崇
16:55〜17:00 品質工学基礎セミナーについて
長野県テクノ財団
【事例発表】
(1)「機器校正について事例紹介」 (KOA(株) 守谷敏)
機器の校正は製品の特性値保証、試験結果の適切性などのために実施される。トレーサビリティの確保や校正周期の変更、調整の有無など、その考え方は企業によりまちまちである。研究会参加企業のいくつかは、この時期ISO審査を受けるため、校正システムの代表例として紹介した。校正にはJIS Z 9090-1991「測定-校正方式通則」があるが、企業で使われている例は少ない。会員からは、研究会の会場が長野県工業技術総合センターなので、事例研究として校正を取り上げてみてはどうかという意見があった。
(2)「生キャラメル班報告」 (シナノケンシ(株) 池田貴穂)
2月にL9実験で作成した生キャラメルの官能評価の結果を発表した。
制御因子として、牛乳、生クリーム、砂糖、添加物をそれぞれ3水準設定し、冷蔵庫取り出し直後と30分後の官能の違いをノイズとした。評価者の評価ポイントから、それぞれ感度とSN比が高い条件を導くことができた。生クリームの種類によっては、ノイズの影響が強く現れることが解り、評価の有効性についても確認することができた。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「生キャラメルのパラメータ設計」
L9での評価結果を口どけ、濃厚感の項目に焦点を当て、結果をまとめた。
結果のまとめから、それぞれの因子によるSN比の差が見られた。但し、再現実験が出来ていない事から、6月の研究会にて再現実験を行い、結果の妥当性、計算結果の妥当性を確認することとなった。また、T法やMT法での解析も試み、他の解析方法での妥当性を検証など議論する予定である。
(2)「歩数計の機能性評価」
前回の研究会にて測定したデータを用いて歩数計の機能性のSN比を求めて品質水準を比較した。テストした歩数計は7種類で価格は800円から3181円までさまざまである。おおよそ値段によって歩数の検知方式が異なっており、安いものは振り子式で高いものはセンサ方式である。同じセンサ方式でも1軸から3軸まである。
評価の結果、最も品質水準の優れたものは、1軸センサ方式のもので、次が2軸センサ方式のもの、3軸センサのものはどちらかと言えばあまり良くないものという評価になった。あまり複雑でないものの方が信頼性が高そうである。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2010年4月号)
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2010年4月14日 19時13分
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長野県品質工学研究会
2010年1月21日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (タカノ(株) 中原健司)
(2)「標準SN比について」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
入力と出力の関係が非線形な場合、ゼロ点比例式では解析ができない。そのような場合は、非線形な関係でも対応可能な標準SN比が用いられる。しかし、「標準SN比は難解」という印象があり、あまり活用されていないようである。そこで、標準SN比の内容について簡単に紹介した。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「生キャラメルのパラメータ設計」
以前行った市販キャラメルの官能評価(予備実験)結果について、メンバー(守谷敏氏)の作成した評価ファイルの内容を確認し、これに沿って感度の評価を進めることになった。
全体的な経過としては以下の通りである。
■実験条件の決定
・制御因子:生クリーム、牛乳、砂糖、塩、バニラ
・誤差因子:キャラメル温度(冷蔵庫からの取り出し時間)
・評価法:試食アンケート(5段階評価)を感度で評価(+T法?)
■予備実験の実施
・試作による制御因子、誤差因子の影響有無の確認
・市販品試食アンケートによる評価法の確認
次回は、実際にキャラメルを作って評価を行う予定である。
(2)「歩数計の機能性評価」
振動試験機を用いて評価を行った。振動試験機のスペックの関係上、5Hzで実験を行った。その結果、振動試験機では歩行状態を再現できないことが判明した。5Hzでは速すぎて、正しく計測できないのが原因と考えられるため、実験装置を工夫することにした。次回は、しゅう動性シミュレータを用いて実験することになった。
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品質工学会誌(2010年2月号)
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2010年2月13日 21時11分
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長野県品質工学研究会
2009年11月19日(木)、第7回研究会を日精樹脂工業株式会社(長野県埴科郡坂城町)にて開催した。会社見学および2つの事例発表についてディスカッションした。
【会社見学】
研究会は通常、長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催しているが、定期的に会員企業にて開催するようにしている。
今回は日精樹脂工業株式会社にて開催した。内容は、以下の通りである。
・会社紹介:企業理念や業務内容についての紹介
・成形実演見学:拡大レンズの樹脂成形工程の実演(樹脂成形の仕組みの理解)
・工場見学:各種成形機の組み立て工程の見学
・資料館見学:歴代の成形機の発展と歴史の紹介
【事例発表】
(1)「MT法を用いた製品欠陥の検出」(KOA(株)守谷敏)
小形の薄膜抵抗器は、欠陥がある製品を出荷時の抵抗値測定により除いている。しかし、客先での通常より厳しい使用条件下では、不具合の発生を十分に防ぐことができない。これは、抵抗値に現れない欠陥の影響によるものである。そこで、抵抗値以外の特性値と、MT法を組み合わせた検査システムを検討した。良品と判断される製品の特性パターンを単位空間として、不良品のMD値を求めてみると、閾値3で良品と不良品を判別できることがわかった。この検査システムにより判別した良品は、客先の要求を十分満たすものとなった。
(2)研究発表大会発表章賞金賞受賞記念講演「直動すべり摩擦におけるしゅう動特性の研究」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
QES2006にて、直動滑り摩擦の実験装置を用いた摺動特性の評価に関する研究発表を行った。往復運動が可能な小型の実験装置にて、アモントン-クーロンの摩擦の法則より、滑り摩擦面に負荷される荷重を入力としてその時の消費電力を出力とした機能を考え評価した。その結果、SN比の利得が再現せず、納得のいく結論を得ることができなかった。
そこで、実験装置の機能をおもりの移送システムと考え、評価をやり直してみた。各因子を見直して解析したところ、利得の再現性が向上し技術的な面でも納得性が高い結果が得られた。単に科学の法則を利用するのではなく、システムの機能をきちんと考えたことが成功につながった。
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品質工学会誌(2009年12月号)
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2009年12月17日 22時33分
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長野県品質工学研究会
2009年9月17日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「オゾン水生成槽の最適化」((株)IHIシバウラ 浦野崇)
新型オゾン水生成槽の最適設計条件を求めた。開発の目的は、以下の2つである。
・必要濃度へ最短時間で到達すること
・必要濃度へ最小酸素で到達すること
2つの基本機能を設定し、標準SN比で解析を行った。
3つのノイズについて予備実験を行い、ノイズを調合した。
8つの制御因子をL18直交表に割り付け実験したところ、2つの基本機能で相反する最適条件が得られたため、必要コストで重み付けをし、望小特性で分析・チューニングを行った。
その結果、コストを考慮したうえで、必要濃度への到達時間を大幅に改善することができた。
また、ノイズによるばらつきも改善することができた。
(2)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (サンスター技研(株) 大久保直樹)
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「生キャラメルのパラメータ設計」
手作りの攪拌装置を用いて生キャラメルを試作し、制御因子としてどの様に活用できるか検討した。また、その他の制御因子で、何が適切かを判断する為、2点試作を行った。
作製方法は、標準レシピで行い、加熱後の攪拌時のみ攪拌速度を速い、遅いの2点で試作を行った。
試作した結果、攪拌速度を速くした場合、材料が吹きこぼれる事が判明した。よって、攪拌速度を制御因子とするのではなく、攪拌速度を一定にし、攪拌時間を制御因子とする事に決定した。
これらの結果より、制御因子は、牛乳(6因子)、生クリーム(3因子)、砂糖(3因子)、バニラエッセンス(3因子)、塩(3因子)、攪拌時間(3因子)とすることにした。L18直交表での実験を予定しており、もう1因子追加出来るが、何を追加するかアイデアを次回議論する。追加案が無ければ、上記因子で12月に18個作製する。
また、次回までに、官能評価のアンケート用紙を作製し、市販のキャラメルを2種類購入し、品質工学研究会メンバーで試食し、アンケート内容の妥当性を判断し、12月に作製したものでの官能評価アンケート内容を決める。
(2)「歩数計の機能性評価」
購入した7機種の歩数計の内、3機種について小規模な機能性評価実験を実施した。
■入力「実歩数:3水準(20歩、40歩、60歩)
■出力「歩数計の表示値」
■ノイズ「歩く速さ:2水準(速[120歩/分]、遅[84歩/分])、歩く人:3水準(A氏、B氏、C氏)」
測定したデータを解析し、次回までにSN比と感度を算出しておくことになった。
次回は、残りの4機種について同様な実験を行うことになった。
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品質工学会誌(2009年10月号)
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2009年10月13日 17時39分
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長野県品質工学研究会
2009年7月16日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す検討事項、2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【検討事項】
・研究会は基本的に毎回長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門にて開催しているが、年に1〜2回、会員企業にて開催を行っている。2009年度は、11月19日(木)に長野県坂城町の日精樹脂工業(株)にて開催されることになった。
・初心者向けの品質工学入門コース(2日間)を9月10日(木)と11日(金)に開催することになった。講師は、本年度の研究会役員であるKOA(株)の守谷敏である。対象者は会員企業の技術者であるが、定員に余裕があれば非会員でも参加できる。参加費などの詳細については、事務局までお問い合わせいただきたい。
・当研究会の常田聡会長が第17回品質工学研究発表大会(QES2009)にて発表したテーマ「直動滑り摩擦における摺動特性の研究(2)」で(財)精密測定技術振興財団品質工学賞【金賞】を受賞した。そこで、秋に金賞受賞記念講演会を開催することになった。
【事例発表】
(1)「超音波センサーの設計開発」 (上田日本無線(株)宮下俊彦)
長野県上田市にある上田日本無線(株)では、医療用超音波振動子や産業用超音波センサーの開発製造を行っている。
圧電セラミックスの粉体作成からセンサーの製造まで一貫生産を行っており、開発から製造までの段階で、品質工学を活用できる場面についてディスカッションした。まず最初に品質工学を活用して安定した製造方法を確立し、次にセンサーの性能向上を目指してセンサー自体のパラメータ設計を行ってはどうかという提案があった。誤差因子としては、季節的な変動や原材料のバラツキなどが考えられる。
(2)「イメージによるパラメータ設計」 (日精樹脂工業(株)常田聡)
前期の共通テーマで、「イメージによるパラメータ設計」にて掃除機の使いやすさを評価した結果を発表した。
掃除機の形や操作性などを制御因子にして直交表L9に割り付けて、点数による評価を行った。結果より最適条件と比較条件を選択し確認実験を行ったところ、評価者が同じ顔ぶれでなくてもほぼ利得が再現した。一般的な家電製品においては、どんな製品でも同じように評価ができる可能性が高いと考えられる。この方法を、いわゆる商品開発に利用すれば、優れた商品開発ができる可能性があると感じた。
【共通テーマ】
今年度のテーマを以下の2テーマに絞り、次回から本格的に活動することになった。
・「歩数計の機能性評価」
・「生キャラメルのパラメータ設計」
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品質工学会誌(2009年8月号)
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2009年8月16日 16時42分
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長野県品質工学研究会 2009年5月29日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。 【総会】 平成20度の事業報告および平成21年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は15(正会員:12、顧問:1、特別会員:2)になった。開催日程は、全11回(5/29、6/18、7/16、8/27、9/17、10/15、11/19、12/17、1/21、2/18、3/11)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。また今年度は、初心者向け講習会の開催も検討している。 【特別講演会】 演題:「儲かる品質工学」・「ゼロ点比例式のSN比の定義式の見直し」 講師:前田誠氏(有限会社前田コンサルティング代表) 内容: 元ソニーの技術者で、現在品質工学のコンサルティングをされている前田誠氏に、2つのテーマでご講演をいただいた。 最初のテーマ「儲かる品質工学」では、品質工学による開発を成功させるための秘訣や企業における普及方法などについて、今までの体験を通した貴重なアドバイスをいただいた。 2つ目のテーマ「ゼロ点比例式のSN比の定義式の見直し」では、品質工学会誌Vol.16 No.4(2008年8月号)のP62〜P69に掲載された新しいSN比に関する論文「ゼロ点比例式のSN比の定義式の見直し」について、この定義式の導出などを含め詳しくご説明いただいた。前田氏の提案する新しい定義式では、「従来のSN比」や「エネルギー型SN比」に比べ、より適用範囲が広がるというメリットがあることがわかった。前田氏のSN比に関しては会員の関心度も高く、多くの受講者が集まり、山梨県品質工学研究会からもご参加いただいた。 前田氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
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品質工学会誌(2009年6月号)
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2009年6月8日 17時23分
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長野県品質工学研究会
2009年3月13日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す共通テーマおよび特別講演会を行った。
【共通テーマ】
「イメージによるパラメータ設計」
共通テーマである「イメージによるパラメータ設計」では、掃除機をターゲットにして使いやすさ(ユーザビリティ)を追究した。
掃除機の設計条件を直交表L9に、誤差因子を外側の直交表L4に割り付けて評価を行った。
制御因子は以下の4つ。
(1)取っ手の形
(2)押しボタンの配置
(3)ゴミパックの脱着
(4)収納時の形
誤差因子は以下の3つ。
(1)手袋をしている/していない
(2)大人か子供(小学生)
(3)高い所の掃除か、低い所の掃除か
また、掃除のとき、メンテナンスのとき、それぞれ別々に採点した。採点は1から5点とし点数が高いほど良い評価とした。5点から得点を引いて望小特性のSN比を求めて解析する。
次回は結果から得られた要因効果図より確認実験の条件を選び、研究会のメンバーにて確認実験を行う。
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品質工学会誌(2009年4月号)
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2009年4月20日 09時45分
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長野県品質工学研究会
2009年1月22日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「機械部品の機能品質と幾何公差の図面表示」 (CDT研究所 中村哲夫)
「幾何公差の図面表示」を例にして、実際の機械設計に品質工学が活かされているとは云い難い現状の話題提供があった。図面指示する幾何公差の適合性評価について、シミュレーション実験による可能性の議論、シミュレーション結果と現実の装置と の結果が一致しなかった場合の対処などについての討論がなされた。
(2)「直動滑り摩擦における摺動特性の研究(2)」 (日精樹脂工業(株)常田聡)
QES2006で発表した事例を見直した。当時はクーロンの法則をもとに荷重(信号)に対する電力量(出力)の機能を考えたが、SN比の利得の再現性が悪かった。今回、システムの捉え方を物を移送することとし、移動距離と電力量の関係と考えた。移動距離が1水準なので望目特性のSN比により評価した。その結果、利得の再現性が向上した。
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http://nqes.web5.jp/blog/archive_21.htm |
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品質工学会誌(2009年2月号)
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2009年2月26日 09時35分
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長野県品質工学研究会
2008年11月20日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「満足度調査における、静特性VSコンジョイント分析」(日置電機(株) 永岡正敬)
マーケティングにおけるアンケート調査解析方法の一つとして、直交表を利用した「コンジョイント分析」という手法があるが、静特性でも同様の解析ができることが紹介されていたため、実際のアンケート結果を使って両者を比較してみた。
比較をしたところ、静特性とコンジョイント分析の結果はほとんど一致した。また静特性に関しては、SN比による推定値、平均値による推定値、および標準偏差による推定値とをそれぞれ比較したが、SN比による推定値は、ほとんどが平均値によるものであり、標準偏差の寄与は、非常に低いことが分かった。参照元では、人による評価のバラツキをノイズとしてSN比を計算していたが、このノイズは、タグチメソッドで言うところのノイズには当たらないためと思われる。
また本事例では、最初のアンケート時に、再現確認用のデータも含めてアンケートをとり、再現確認はこのデータを使うことにした。本来ならば最適条件を出してから、改めてアンケートをとって確認を行うべきであろうが、実使用を考えると、お客様のところに2回出向いてアンケートをとらねばならず、また時間経過による感覚のずれも心配されるため、このような方法を採用した。
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品質工学会誌(2008年12月号)
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2008年12月28日 18時30分
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長野県品質工学研究会
2008年9月18日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「オンライン品質工学の取り組み」 ((株)IHIシバウラ 浦野崇)
オンライン品質工学を用いて、以下の3つの事例に取り組んだ。
・「バケットコンベアに関する予防保全」
・「歯車工場のホブ破損に関する予防保全」
・「リークテストにおける臨界不良率の検討」
オンライン品質工学を使った感想としては、今までは勘と経験により決めていたものが、理論的に数値で示される点が好評であった。
(2)「品質工学とSN比」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
新SN比の登場で、SN比とは何か?という議論が盛り上がり始めた。そこで、品質工学とは?SN比とは?という視点で、改めてSN比の意味について調査した。その中で、SN比の数理に対しても深く検討し、SN比を求めるときの注意点についてまとめた。
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品質工学会誌(2008年10月号)
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2008年10月12日 18時13分
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長野県品質工学研究会
2008年7月17日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「高周波フィルタ回路のパラメータ設計」 (上田日本無線(株) 大日方幸信)
(2)「新SN比について」 (全体ディスカッション)
QES2008にて発表された「新SN比」についてディスカッションを行った。「データ数が変わるとSN比が変わるのは当然である」という意見や「データ数が変わってもSN比が変わらないのは利点である」という意見など、賛否両論であった。また、SN比の意味としては、新SN比はとても説明がしやすく、初心者でも理解しやすいのではないかという意見もあった。
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http://nqes.web5.jp/blog/archive_17.htm |
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品質工学会誌(2008年8月号)
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2008年8月16日 20時15分
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長野県品質工学研究会 2008年5月16日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。 【総会】 平成19度の事業報告および平成20年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は18(正会員:15、顧問:1、特別会員:2)になった。開催日程は、全11回(5/16、6/19、7/17、8/21、9/18、10/23、11/20、12/11、1/22、2/19、3/12)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会(年2回)」である。 【特別講演会】 演題:東亞合成における品質工学の普及 −推進者の役割と行動− 講師:中島建夫氏(元 東亞合成株式会社) 内容: 東亞合成での品質工学の普及活動を通して、推進者の役割と行動について、貴重なご講演をいただいた。「品質工学への期待」、「社内での推進状況」、「普及の課題」、「推進者の役割と行動」、「品質工学を学問する」という内容で、中島氏の体験を交えて、わかりやすくご説明していただいた。品質工学の普及に頭を痛めている会員も多く、大変参考になる内容であった。 質疑応答では、「トップが品質工学をやる気になったきっかけは何か?」、「普及に対する地方研究会の役割とは何か?」といった内容について意見交換した。中島氏には、今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
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品質工学会誌(2008年6月号)
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2008年6月19日 23時26分
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長野県品質工学研究会 2008年3月7日(金)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
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http://nqes.web5.jp/blog/archive_15.htm |
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品質工学会誌(2008年4月号)
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2008年4月22日 18時27分
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長野県品質工学研究会
2008年1月24日(木)、第8回研究会をタカノ株式会社(長野県伊那市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした後、タカノ株式会社の工場見学を行った。
【事例発表】
(1)「T法による受注予測」 (KOA(株) 守谷敏氏)
製品の受注量をT法で予測する方法を解説していただいた。最初の数日の受注量から数十日先の総受注量を予測する。同じ総受注量でも数日間の受注パターンが異なり、予測の精度を上げられない。そのため、真値と推定値との差を測定項目に設定するなど予測精度を高めるいくつかの工夫を行った。会員からは曜日や月によるパターン差、景気の動向などを項目に入れるとよいのではとの意見があった。
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品質工学会誌(2008年2月号)
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2008年2月21日 19時56分
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長野県品質工学研究会
2007年11月22日(木)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「MT計算に関する検討」 (日置電機(株) 永岡正敬)
標準偏差=0の項目が含まれるデータや、多重共線性が強いデータでも計算できるMTシステムのプログラムをExcelマクロを使って作成した。
同じく、このような特異値を持つデータでも、MT計算可能としている市販ソフトと比較した結果は、次のようであった。
・特異値の割合が少ないデータの計算結果は、大体良い一致を示した
・特異値の割合が多くなるにつれて、計算結果は不一致となる傾向となった
今回このようなプログラムを作成したものの、標準偏差=0や多重共線性の処理を、どのような数理にするのが最もらしいかという検討がまだ不十分な状態なので、今後の課題としたい。
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品質工学会誌(2007年12月号)
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2007年12月26日 16時20分
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長野県品質工学研究会
2007年9月20日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。10月に開催される合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)のテーマ「コマのパラメータ設計」について、実験を行った。
【コマのパラメータ設計】
コマの設計条件をL18直交表に割り付けて実験を行った。手動でコマの回転させた場合、繰り返しの誤差が大きくなった。そこで、常に同じ回転力を与えるために、モータの動力を用いた専用回転機を開発した。より詳細な実験を行うため、有志による臨時研究会を10月10日(水)に開催することになった。
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品質工学会誌(2007年10月号)
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2007年11月25日 12時45分
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長野県品質工学研究会
2007年7月19日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例研究、合同研究会および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例研究】
「プリンタにおけるユーザビリティの機能性評価Part2(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)、坂本、他)」 (日精樹脂工業(株)常田聡)
QES2007で発表された事例について意見交換をした。議論のポイントは次の点であった。
・設計者がCADで図面を描く前に評価ができるので、具体的に設計に反映できる優れた方法である。
・イメージと現実が一致するかは疑問だが、”開発部と品証部の両方の人が評価している”ので問題はないのではないか。
・ノイズをうまく与えることがポイントになるのではないか。
【合同研究会について】
毎年恒例となっている、埼玉、北陸、長野の合同研究会についてディスカッションした。日程は、2007年10月26日(金)および27日(土)の2日間に決まった。内容については、今後メーリングリストを使って決めることなった。
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品質工学会誌(2007年8月号)
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2007年8月28日 02時00分
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長野県品質工学研究会
2007年5月24日(木)、第1回研究会(特別講演会)を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【特別講演会】
演題:固有技術を高めるオンライン品質工学
講師:アルパインプレシジョン(株)秋山幸示 氏
内容:
一般的には、品質をよくするとコストは高くなる。品質とコストはトレードオフ出来ない。
そこで、品質をよくすることで、歩留まりの向上、検査コストの低減、品質をカバーするための部品不用などによりコストを下げる。
損失関数の利用において、高級車の価格といったような飛び抜けた値を用いると許容限界値が非現実的なものになる。このような場合は、客が不良のために掛かる費用を計算対象としている。
モグラたたきの下に潜む問題の本質は計測誤差で、それが忙しさの原因である。計測誤差は人により異なることに注意を要する。
生産に品質工学を活用する文化を育てる。ただし、強制しても文化は変わらない。現在、文化を定量的に評価する試みを行っていて、品質工学会で成果を発表する。
といった秋山氏の経験に基づく講演が行われれた。
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品質工学会誌(2007年6月号)
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2007年7月20日 00時57分
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長野県品質工学研究会 2007年3月9日(木)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下にその内容を示す。 【共通テーマ】 (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 パター評価試験機にて、6種類のパターについて試験・評価を行った。特性値は、目標方向の距離とその角度とした。また、誤差として、オフセットヒット(芯から40mm外へずらすこと)とした。評価は、時間の関係上、特性値として、目標方向の距離のみで、望目特性のSN比で評価した。6種類のパターに4dbほどの差が出た。最もSN比が良いパターは、最新のタイプであった。今後は、特性値として、角度もとりあげ、総合評価してみる予定である。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」について、今年度活動の全体について議論した。MT法では、スリッパに限定した足裏面積変化波形の微分積分特性評価で、対象者と他者との切り分けは十分に可能であったが、単位空間に用いない対象者データの判別能力としては課題が残った。同様の評価をT法で行った結果は、人単位での切り分けは、独自の改良手法を用いることで可能であったが、個別データ毎での切り分け、未知の対象者データでの判別等についての検討が残された。活動を通じ、様々な議論と実験を行うことで、MTシステムに関する個々の理解が深まったことと思われる。 最後に、まとめの報告を研究会のメンバー全員に行い、特徴抽出の工夫に対するアドバイスなど、有益な意見交換ができた。 (3)「モータの電力評価」 前回までに測定したデータを用いて、SN比の算出を行った。データをプロットしたところ、-10℃でのデータに不可解な点が見つかった。そこで、次回の研究会にて再度-10℃での測定をすることになった。 【共通テーマ発表会】 今年度最後の研究会のまとめとして、各共通テーマの内容について発表会を行った。どのテーマも興味深い内容であり、来年度も継続していく予定である。 ((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2007年4月号)
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2007年7月20日 00時56分
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長野県品質工学研究会 2007年1月18日(木)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す1つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「もの作りにおける計測の品質」 (元(株)ミツトヨ 中村哲夫) 品質工学会誌Vol.14 No.6に掲載された論説について、著者である中村氏に解説をお願いした。3次元測定機を例にして「測定の不確かさ」、マイクロメータの測定を例にして「適切な計測の方法」、そして「図面の品質と測定の混乱」について、丁寧に解説をしていただいた。図面の話題については、かなり耳の痛い話であったが、その重要性について理解することができた。なお、中村氏には今後、長野県品質工学研究会に参加していただく予定である。 【共通テーマ】 (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 ゴルフのパターの評価装置を作成した。評価装置は完成したが、一部修正が必要なため、次回までに部品を手配しておくことにした。また、次回の研究会までに計測項目・評価方法を考えて、実際に計測し評価してみることになった。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」について、MT法で判別を試みた結果について議論した。履き物をスリッパに限定すると、ある1人については、足裏の分布面積変化の時系列データ波形における微分/積分特性を項目にして、判別が可能であった。さらに様々な履き物への対応や、他の方法(T法など)による判別など、引き続き試みていくことにした。 (3)「モータの電力評価」 ノイズ(温度、運転時間、姿勢)をL4直交表に割り付け、5種類のモータについて、電圧、電力、回転数について測定を行うことになった。今回は、温度(−10℃)での測定を行った。次回の研究会では、残りの温度(+50℃)での測定を行い、各モータのSN比および感度を算出する予定である。
2007年2月15日(木)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「パターのパラメータ設計」(タカノ(株) 中原健司) 現在共通テーマとして活動している「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」について、シミュレーション(LS-DYNA)を用いてパターのパラメータ設計を行った。基本機能は、入力「パター速度」、出力「ボール速度」とした。誤差因子は「打点の位置」として、スイートスポットで打った場合とスイートスポットから外れた場合を設定した。シミュレーションの結果、パターのヘッドが大きくなるほどSN比は高くなった。また、利得の再現性は良好であった。 (2)「ゴルファーの能力評価」(KOA(株) 守谷敏) 「標準化と品質管理」Vol.57、No.3を参考にして、女子プロゴルファーの能力評価を行った。用いたデータは、2006年9月10日の「第39回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」最終日のデータである。パー数毎に望小特性でSN比を算出し、能力評価を行っ た。また、ハンディの検討も行った。 【共通テーマ】 (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 ゴルフのパターの評価装置を作成し、完成した。2種類のパターを用意して、評価装置にてボールを打った。打ち方は、「中心でヒット」、「オフセットヒット」の2種類で行った。ボールが転がった位置を計測してみた結果、2種類のパターでは転がった位置に差が出た。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」について、T法とMT法で判別を試みた結果について議論した。T法では、対象とする項目の選び方で認識率が変わっていく様子が確認できた。また、MT法ではスリッパ以外の履き物すべてを含めた識別を試みた。すべての人の認識はできなかったが、当初の予測よりは認識が可能であった。T法とMT法の違いが明確になる比較実験などを引き続き試みていくことにした。 (3)「モータの電力評価」 1月の研究会に引き続き、ノイズ(温度、運転時間、姿勢)をL4直交表に割り付け、5種類のモータについて、電圧、電力、回転数について測定を行なった。今回は、温度(+50℃)での測定を行った。次回の研究会では、測定したデータ(電力、回転数、電圧)を用いて、各モータのSN比を算出し、機能性評価を行う予定である。 ((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2007年2月号)
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2007年7月20日 00時55分
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長野県品質工学研究会 2006年11月16日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「研究会活動の成果発表の概要について」(長野県工業技術総合センター材料技術部門 宮嶋隆司) 本研究会の活動及びH17年度の共通テーマ「MTシステムを用いた足裏圧力測定による個人識別」の研究成果について、計測自動制御学会中部支部シンポジウムでポスター発表した結果の報告である。ポスター説明をした大学関係者、学生、企業技術者の方の中でMTシステムを知っている方はいなかったが、成果の紹介を通じて興味を持ってもらえたとの事である。品質工学の普及には、他の分野の方法との違いや優位性のわかりやすい説明が必要である、などの感想や意見が出された。 (2)「MTシステムでの波形判別」 (新光電気工業(株) 野川和幸) MTシステムを用いて、2種類の製造データの判別を行った。波形データを変化量と存在量で特徴化した結果、どちらのデータを単位空間としても、判別は可能であった。しかし、MD≒1とならず、データ数や特徴化の仕方について再考の余地があるという事をディスカッションした。 【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 パター評価用の装置を組立した。また、評価用の部品について検討した。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」について、MT法で判別を試みた結果について議論した。前回測定した12名の実験データで、足裏の分布面積変化の時系列データ波形から微分/積分特性を抽出して行った試みである。抽出するデータ範囲や解析方法など、改善できそうな事項を整理し、T法による判別等とあわせて、引き続き判別を試みていくことにした。 (3)「モータの機能性評価」 ノイズについてディスカッションした。リストアップされたノイズは、温度、姿勢、運転時間、固定位置であった。次回は、ノイズを与えてデータを取ることになった。ノイズは、温度(-10℃、+50℃)、姿勢、運転時間(初期、連続5分後)、固定位置である。
2006年12月22日(金)、特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。 【特別講演会】 ・日時:12月22日(金)14:00〜17:00(質疑応答を含む) ・講師:石丸節男氏(セイコーエプソン(株)) ・題目「オンライン品質工学の実践と普及のポイント」 ・概要 第一部『黎明期の活動』 第二部『停滞期からの再開』 第三部『オンラインQE推進者の役割の私見』 質疑応答のポイントは次の点であった。 ・社内での普及について ・社会的な損失と社内での損失について ・人材育成のポイントについて 石丸氏には、オンライン品質工学の普及および人材育成について、大変貴重なお話を披露していただいた。これを機にオンライン品質工学が益々普及するよう、研究会としても精力的に活動していきたいと考えている。((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2006年12月号)
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2007年7月20日 00時53分
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長野県品質工学研究会 2006年9月21日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「ラジエタとファンの最適配置」 (石川島芝浦機械(株) 新橋哲也) トラクターのラジエタとファンの最適配置についてパラメータ設計を行った。入力は「ファンの回転数」、出力は「ラジエタの前面の風速」である。ノイズはラジエタに付着するゴミを想定し、パンチングメタルを用いてゴミの代用とした。SN比の利得の再現性は乏しかったが、感度は良好であった。議論のポイントは次の点であった。 ・ノイズを「ゴミの付着」にしたが、パンチングメタルを装着してノイズを作り出したことは素晴らしい。 ・基本機能は、「熱交換」というラジエタの機能に着目してみてはどうか。 ・ファンの回転数と風速での評価では、理想の状態は感度が大きいことなのか?それが本当に熱交換で有利になるのか? ・ファンを実際のエンジンで回転させるのではなくて、モータで回転させるなど、実験装置を工夫している。このような工夫が実験を実施する上ではとても重要である。 (2)「QES2006金賞受賞テーマ『金属材料評価の研究』について」(新光電気工業(株) 野川和幸) 受賞テーマについてディスカッションをした。議論のポイントは次の3点であった。 ・材料評価における劣化 ・破断後の応力0のデータの扱い方 ・破壊エネルギーでの評価 【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 パタ−の機能を検討した。入出力は、「強さ」と「距離」の関係とする。また、パターがブレたときも距離が変わらないと考え、誤差因子は「ブレ」とする。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」のテーマについて、会員2名が試験的に計測した生データを皆で見ながら、今後の進め方について議論した。重心軌跡の変化や、圧力分布パターンの変化について、靴下、スリッパ、サンダル、スニーカー等の履き物による違いや、人による違いを考察した。大まかな次回のデータ収集方針を決め、個々のメンバーが様々なアプローチを試みていくことを確認した。 (3)「モータの電力評価」 ラジコン用モータを購入し、実際に回転させてみた。電力計を用いて計測を行ったところ、無事に電力測定をすることができた。次回の研究会では、5種類のモータに負荷を与え、電力や回転数などを測定することになった。またノイズに関するディスカッションを行うことになった。
2006年10月14日(土)、3県合同研究会を東山旅館(埼玉県さいたま市)にて開催した。3県とは、QEF埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、長野県品質工学研究会(長野)である。合同研究会は、年1回各研究会持ち回りで開催しており、2004年(長野)、2005年(富山)の順番で行ってきた。なお、2007年は長野での開催を予定している。今回の合同研究会の内容については、QEF埼玉から詳しい内容の報告があると思うが、「各研究会の活性化」や「官能評価研究」など非常に充実した内容であった。
2006年10月26日(木)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表、2つの報告および3つの共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「抵抗器の端子位置精度に関する検討」 (KOA(株) 守谷敏) 新人研修で実施された事例である。カシメ工程の最適加工条件を求めた。利得の再現性は良好であり、現行よりもばらつきを37%低減できた。 (2)「T法を用いた足圧による人の判別」(KOA(株) 守谷敏) 共通テーマで実施しているMT法による足裏判別について、T法を適用して解析を行った。重心位置をデータとして解析した結果、判別は可能であった。また、足圧分布をデータとして解析した結果、判別は難しいという結果になった。再現性については、今後検討を行う必要がある。 (3)「岡谷OL品質教育上級コースの紹介」 ((株)岡谷オリンパス 柴田恭男) QCコースの教育カリキュラムについて紹介した。ゲーム感覚で学べるような工夫をした。今後は、QEの考え方も取り入れたカリキュラムを検討している。 【報告】 (1)「計測自動制御学会中部支部シンポジウムでのMTシステム事例紹介について」 (長野県工業技術総合センター材料技術部門 宮嶋隆司) 2006年11月10日に長野県上田市にて開催される「計測自動制御学会中部支部シンポジウム」にて、MTシステムの紹介と品質工学研究会の勧誘を兼ねて、足裏判別の事例をポスター発表することになったことが報告された。 (2)「3県合同研究会について」 ((有)増田技術事務所 増田雪也) 2006年10月14日に埼玉県さいたま市で開催された合同研究会について報告された。 【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 ゴルフのパターの最適化を目標に取り組んでいる。実験とシミュレーションの2通りからのアプローチを試みている。今回は、パター最適化の理想機能について考えた。その結果、パターの理想機能は、ストロークの大きさに対する距離とした。つまり、位置エネルギに対する速度エネルギである。この関係が誤差因子に対して、ばらつきが小さいのが良いパターとして評価することとした。 次回は、実験ロボットを作成する予定である。また、シミュレーションによる評価を進める予定である。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」について、前回試験的に計測した2名のデータをMT法及びT法で判別を試みた結果について議論した。重心位置の移動データから、両方法ともに判別できる可能性が高い事がわかり、新たな11名の実験データでの検証を進めることにした。また、重心位置の移動速度変化や分布面積変化などによる判別も試みることにした。 (3)「モータの電力評価」 5種類のモータについて、無負荷状態での回転数、電圧、電力について測定を行った。モータにプロペラを装着し、負荷を与えるつもりであったが、回転数を計測する関係上不都合があり、とりあえず無負荷状態でデータを取ることになった。次回は、ノイズを与えて測定をすることになった。 ((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2006年10月号)
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2007年7月20日 00時52分
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長野県品質工学研究会 2006年8月24日(木)、第3回研究会をKOA株式会社(長野県上伊那郡箕輪町)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「LTCCのブレイクライン加工条件の検討」 (KOA(株) 守谷敏) 新入社員が教育プログラムの中で実施した事例である。LTCCとは、ガスセラミックスのことで、これを重ねた状態でブレイクライン加工を施し、焼成を経てブレイク加工をする。出力はブレイク加工をした時のバリやカケの寸法を望小特性で評価した。15db程度の利得が得られ、再現性は良好であったが、バリやカケは品質特性であるので、ブレイクする時の加工エネルギーなどで評価した方が良かったのではという意見が出された。 (2)「Excelでできるパラメータ設計入門」((有)増田技術事務所 増田雪也) パラメータ設計による開発を支援するために作られたExcelファイルの紹介である。このExcelファイルでできることは、予備実験結果のグラフ化、L18直交表への割り付け、SN比と感度の計算、補助表の作成、要因効果図の作成、工程平均の推定、利得の再現性の確認などである。初心者でも抵抗なく活用できるように、直感的に操作できる工夫をした。 (3)「『実践タグチメソッド』の書評」(新光電気工業(株) 野川和幸) 2006年6月に日科技連より出版された『実践タグチメソッド』の書評をした。全体的には、「タグチメソッドを実践する上で躓きやすいところがコラムなどで紹介されている」、「計算と手順の説明がとてもわかりやすい」、「活用する場面をイメージできるのでやる気が出る」という感想が聞かれた。 【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる ・「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 パターマシンを設計し、メンバーで審査をした。次回の研究会では、実際にパターマシンを作成することになった。なお、パターマシン作成費用は、研究会から出費することになった。また、パターの理想機能および誤差因子について継続して検討していくことになった。 ・「MT」 今年度の活動テーマの選定について議論した。議論の結果、今年度のテーマは「足裏判別2」にすることになった。この内容は、「圧力計測マット上を靴下やスリッパで歩行してもらい、測定された時系列データから、MTシステムを用いて人の判別(認識)を行ってみよう」というものである。どんなセンサを用意して、どんな条件でどんな方法でやろうかといった事も一部議論した。 ・「モータの電力評価」 ラジコンカー用の540モータについて、インターネット上で調べた結果をディスカッションした。同じタイプのモータであるが、トルク重視や回転数重視などの仕様があることがわかった。また、値段も2〜3倍の差があることがわかった。次回の研究会では、5種類のモータを購入し、電力や回転数などの測定をすることになった。
2006年12月22日(金)に、オンライン品質工学に関する特別講演会を開催することになった。講師はセイコーエプソン(株)の石丸節男氏である。石丸氏は、第12 回品質工学研究発表大会においてオンライン品質工学の活用で実行委員長賞を受賞された方であり、実務に関する貴重なお話が聞けると期待している。((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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品質工学会誌(2006年8月号)
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2007年7月20日 00時48分
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長野県品質工学研究会
2006年5月18日(木)、本年度の総会および第1回研究会(特別講演会)を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。 総会では、昨年度の事業報告および今年度の事業計画が承認された。今年度の会員数は16(正会員:13、顧問:1、特別会員:2)になった。開催日程は、全11回(5/18、6/8、7/20、8/24、9/21、10/19、11/16、12/21、1/18、2/15、3/9)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」および「特別講演会(年2回)」である。
特別講演会では、アングルトライ(株)の手島昌一氏に、MTシステムについて講演をお願いした。工夫を凝らしたプレゼンは大変わかりやすく、MTシステムの概要とメリットを簡単に紹介していただいた。手島氏の開発したMT用ソフトも披露され、多くの会員がその使い勝手の良さと計算スピードの速さに魅力を感じた。
2006年6月8日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表(QES2006で研究会会員の発表するテーマ)および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「女子プロゴルフの獲得賞金予測の比較」 (KOA(株) 守谷敏)
(2)「バーフロー金型における射出成形条件の最適化」(日精樹脂工業(株) 常田聡)
(3)「直動滑り摩擦における摺動特性の研究」(日精樹脂工業(株) 三浦克朗)
【共通テーマ】
・「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」
・「MT」
・「モータの電力評価」
※会員は上記の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組む予定である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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