長野県品質工学研究会 2008年3月7日(金)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】 (1)「直交表L9実験はやめましょう」 (宇井技術士事務所 宇井經雄) 線点図では1列と2列の交互作用が3列、4列に現れる。推定値の利得が確認実験で全く再現性がない事例が発生した。実験計画法の手法で交互作用の計算をしたところ、SA×B=SC+SDとなった。これはSCとSDの要因効果が、交互作用の影響で区別がつかないことを示していると判断した。したがって、L9直交表は使わないようにPRした方が親切である。 (2)「ソフトバグ検討用の二元表作成におけるエクセル関数の活用」 (宇井技術士事務所 宇井經雄) ソフトバグ検討用の二元表をつくるために、エクセルの関数(IF,AND)を活用した。L18,L9の小さな直交表の場合、エクセルは正常に動くが、L36に適用したところ暴走して使えなかった。エクセルの1セルに入れることのできる文字数に制限があるのではないかと推測している。 【共通テーマ】 「MT」 T法による諏訪湖の水質予測について、直交表による実験結果において効果の高くなった項目のみでの解析や、水質データのみでの解析、単位空間を大きく変更した解析などの結果について議論した。効果の高い項目のみでは予測精度が必ずしも高まらない事や、予測精度の評価方法としてのSN比、相関係数、残差平均の3つの違いについてなど、議論を深めた。また、来年度の活動に向けた新たなテーマ探しも進めることとした。 ((有)増田技術事務所 増田雪也 記) |