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品質工学会誌(2008年10月号) |
2008年10月12日 18時13分 |
長野県品質工学研究会
2008年7月17日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「高周波フィルタ回路のパラメータ設計」 (上田日本無線(株) 大日方幸信)
(2)「新SN比について」 (全体ディスカッション)
QES2008にて発表された「新SN比」についてディスカッションを行った。「データ数が変わるとSN比が変わるのは当然である」という意見や「データ数が変わってもSN比が変わらないのは利点である」という意見など、賛否両論であった。また、SN比の意味としては、新SN比はとても説明がしやすく、初心者でも理解しやすいのではないかという意見もあった。 【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「イメージによるパラメータ設計」
イメージスケッチを用いたパラメータ設計の目的は、設計者がCADにより設計を開始する前に設計の構想を練り評価することである。複数の評価者により使いやすさなどをイメージして評点を付け、総合的に優れたイメージ(形)を選ぶ。対象として身近な家電や服、靴などをいくつかあげてみた。次回までに、各自、対象を絞り込んでくることにした。
(2)「シャープペンの機能性評価」
インターネットで調査した資料を元に、シャープペンシルのシステムについて勉強を行った。
理想機能は、ノック数に対して芯が安定して繰り出されることとした。次に、誤差の検討を行った。誤差は、芯の硬さや粗さなどが考えられるが一番問題になるのは、劣化によって芯が出にくくなることである。次回は、芯をいくつか用意し、硬さや荒さを測定することと、劣化の与え方について検討する。
(3)「T法、MT法、オンラインQEを使ってみよう」
この共通テーマの目的は、MTシステム(MT法とT法)とオンラインQEを実際に使い、手法に慣れることである。実際に使うデータは、参加会員に用意してもらい、その場で解析・計算をすることになっている。以下のような日程で進める予定である。
・7月:T法の解説
・8月:T法の解析ファイルをエクセルで作る
・9月:T法で自分の事例を解析する
・10月:MT法の解説
・11月:MT法で自分の事例を解析する
・12月:オンラインQE(予防保全)の解説
・1月:オンラインQEで自分の事例を解析する
・2月:予備日
・3月:まとめ
2008年8月28日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「コマのパラメータ設計」 (タカノ(株) 中原健司)
QES2008にてポスター発表した事例である。2007年度の合同研究会にて、コマのパラメータ設計を実施した。合同研究会とは、年1回地方研究会(埼玉、北陸、山梨、長野)が集まって、各研究会が抱える問題(「研究会の維持」や「会員の確保」など)をディスカッションするものである。その合同研究会のメインイベントととして、コマのパラメータ設計を競った。コマの回転している目標時間を設定し、その時間からのズレを望小SN比で評価し、順位付けを行った。その結果、山梨県品質工学研究会が優勝した。
(2)「タイバー歪み測定器による型締力測定方法の最適化」 (日精樹脂工業(株) 荒井亮平)
QES2008にて壇上発表した事例である。開発の目的は、タイバー歪み測定器の測定誤差を評価することである。当初、金型温度を誤差因子として、L18直交表実験を実施したが、利得の再現性に問題があった。また、信号因子である型締め力の設定値に対して実際の型締め力が比例しているか疑わしいので、残差項Mresを考慮して再度計算した結果、利得の再現性が改善された。次に、複数の誤差因子と信号をL18直交表に割り付けて、4種類のタイバー歪み測定器の機能性評価を行った。その結果、4つの測定器の優劣を、SN比で評価することができた。また、型締め力のばらつきおよび測定誤差について、貴重なデータを得ることができた。
議論のポイントは次の点であった。
・実機を使った評価ではなく、テストピースを用いて引張試験器で実験してはどうか。
・歪みゲージを用いて評価してはどうか。
【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「イメージによるパラメータ設計」
イメージによるパラメーター設計を行う対象について議論を行った。対象を決める上で以下のことがポイントとして上げられた。
・ 多機能なもの
・ 日常的に使用しているもの
以上を踏まえて、携帯電話のユーザビリティーについてパラメーター設計をすることに決定した。
今後の予定は、携帯電話のどの部分についてパラメーター設計を行うかと、評価方法を決定する。
(2)「シャープペンの機能性評価」
予備試験として、シャーペンの種類、芯の種類(誤差)を変化させSN比、感度を求めた。その結果、最も安価なシャーペンが最もSN比が大きい結果となった。評価方法として、ノック数に応じた芯の吐出量を測定したが、1ノック目は、0からの吐出量で、芯を0にした時にマイナス側、つまり凹み方がシャーペンの種類によって違う可能性があることを議論し、2ノック目以降のデーターから再度SN比を使った議論を行う事とした。シャーペンの機能として、ノック数に応じた吐出量が一定であり且つ、劣化後も同じ挙動を示すことが必要と考えたが、劣化の与え方については、次回までにメール等で議論する。また、芯の吐出量以外に、書き味等のシャーペンの使いやすさについては、官能評価も含めて、検討することとした。購入時の芯の吐出量、劣化時の芯の吐出量、購入時の書き味、劣化時の書き味これらを総合評価し、もっとも良いシャーペンを特定したい。
(3)「T法、MT法、オンラインQEを使ってみよう」
田口玄一氏のT法の論文(品質工学会誌 2005年6月号)を見ながら、ExcelにてT法の解析ファイルを作成した。T法の数式はシンプルなので、Excelを使って1hr程度で作成することができた。次回の研究会では、作成した解析ファイルを活用し、参加会員の事例で解析した結果を発表する予定である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記) |
http://nqes.web5.jp/blog/archive_17.htm |
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