長野県品質工学研究会 2006年11月16日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および3つの共通テーマについてディスカッションした。 【事例発表】 (1)「研究会活動の成果発表の概要について」(長野県工業技術総合センター材料技術部門 宮嶋隆司) 本研究会の活動及びH17年度の共通テーマ「MTシステムを用いた足裏圧力測定による個人識別」の研究成果について、計測自動制御学会中部支部シンポジウムでポスター発表した結果の報告である。ポスター説明をした大学関係者、学生、企業技術者の方の中でMTシステムを知っている方はいなかったが、成果の紹介を通じて興味を持ってもらえたとの事である。品質工学の普及には、他の分野の方法との違いや優位性のわかりやすい説明が必要である、などの感想や意見が出された。 (2)「MTシステムでの波形判別」 (新光電気工業(株) 野川和幸) MTシステムを用いて、2種類の製造データの判別を行った。波形データを変化量と存在量で特徴化した結果、どちらのデータを単位空間としても、判別は可能であった。しかし、MD≒1とならず、データ数や特徴化の仕方について再考の余地があるという事をディスカッションした。 【共通テーマ】→会員は以下の3テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる (1)「パラメータ設計でゴルフのパターを作る」 パター評価用の装置を組立した。また、評価用の部品について検討した。 (2)「MT」 歩く際の足裏の圧力分布変化から人の判別を行おうとする「足裏判別2」について、MT法で判別を試みた結果について議論した。前回測定した12名の実験データで、足裏の分布面積変化の時系列データ波形から微分/積分特性を抽出して行った試みである。抽出するデータ範囲や解析方法など、改善できそうな事項を整理し、T法による判別等とあわせて、引き続き判別を試みていくことにした。 (3)「モータの機能性評価」 ノイズについてディスカッションした。リストアップされたノイズは、温度、姿勢、運転時間、固定位置であった。次回は、ノイズを与えてデータを取ることになった。ノイズは、温度(-10℃、+50℃)、姿勢、運転時間(初期、連続5分後)、固定位置である。
2006年12月22日(金)、特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。 【特別講演会】 ・日時:12月22日(金)14:00〜17:00(質疑応答を含む) ・講師:石丸節男氏(セイコーエプソン(株)) ・題目「オンライン品質工学の実践と普及のポイント」 ・概要 第一部『黎明期の活動』 第二部『停滞期からの再開』 第三部『オンラインQE推進者の役割の私見』 質疑応答のポイントは次の点であった。 ・社内での普及について ・社会的な損失と社内での損失について ・人材育成のポイントについて 石丸氏には、オンライン品質工学の普及および人材育成について、大変貴重なお話を披露していただいた。これを機にオンライン品質工学が益々普及するよう、研究会としても精力的に活動していきたいと考えている。((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
|