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品質工学会誌(2012年2月号) |
2012年2月19日 11時00分 |
長野県品質工学研究会
2011年11月17日(木)、第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「検査ゲージを用いた三次元測定機の誤差評価と点検方法の検討」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
三次元測定機の測定誤差を常に管理できるように、製造メーカの定期的な校正と社内の定期点検を組み合わせる方法を検討した。
その結果、メーカ校正を1年から2年に延長し、社内定期点検を1ヶ月に1回実施することが妥当との結論を得た。このことにより、年間約34万円の損失改善となった。
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「T法によるパターン認識の検討」
従来より取り組んできた「電気回路のパラメータ設計」に代わり、T法によるパターン認識の事例を取り組んでいくこととした。今回は、パターン認識の対象を何にするかを検討した。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
4種類のシュガーディスペンサーを用意して、予備実験を行った。入力:「傾ける回数」、出力:「出た砂糖の重量」、ノイズ:「容器内の砂糖の量(大、小)」で設定した。その結果、設定したノイズの影響により、砂糖の量が異なることが判明した。また、繰り返しのバラツキもある程度大きいことが判明した。次回は、ノイズに砂糖の種類を加え、本格的に実験を行うことになった。
2011年12月19日(月)、品質工学「実践」交流会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。出席者は37名で、盛況であった。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 浦野崇
2)ポスターセッションによる事例発表(5件)
「オゾン水生成槽の最適化」(株)IHIシバウラ 浦野 崇
「ボールネジの機能性評価」日精樹脂工業(株) 常田 聡
「アメリカ中央情報局(CIA)のデータを用いたT法の解析」(有)増田技術事務所 増田雪也
「ファインライン印刷条件の最適化」KOA(株) 守谷 敏
「シミュレーションによる跳ね上げ式門扉のパラメータ設計」タカノ(株) 中原健司
3)自由討論および相談会
4)特別講演会「高品質と開発期間半減は両立できる」 のっぽ技研 長谷部光雄
5)名刺交換会
2011年12月15日(木)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法による非線形データ処理方法の検討」 (長野県テクノ財団 岩下幸廣)
(有)増田技術事務所 増田雪也氏の「非線形成分を考慮したT法の研究」(2008年5月12日 増田技術事務所技報)の内容をベースに、T法による非線形データの処理方法を検討した結果を報告した。増田氏の方法は、T法と重回帰分析を組み合わせたものであったが、重回帰分析を使用せず、T法のみでのデータ処理する方法として、
@2次を項目として追加する(必要なら、3次も)
An次を項目として追加する(推定データと使用したデータのSN比が大きくなるようにnを決める)
B非線形の原因をモデル化して、データを補正する
を提案し、実際のデータで推定式の精度検証を行った。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」
パターン認識の対象を何にするか検討した結果、指紋のパターン認識を行なうことした。そこで、今回はどの様に指紋を画像データとしてパソコンに取り込むかを検討した。次回は、今回の検討結果を踏まえて予備実験を行う予定である。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
4種類のシュガーディスペンサーを用意して、機能性評価を行った。ノイズは「容器内の砂糖の量(大、小)」と「砂糖の種類(グラニュー糖、ザラメ)」を調合した。次回は、今回の結果をディスカッションし、今後の進め方を検討することになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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