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品質工学会誌(2019年10月号) |
2019年10月29日 08時07分 |
長野県品質工学研究会
2019年6月14日(金)に2019年度第2回研究会を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「実験計画法について」 ((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレスの穴あけ加工時にせん断を長くする最適条件を,L9直交表による実験で求めた。発表後のディスカッションで,使用した因子に金型の摩耗を意味するものが含まれており,それをノイズとすれば,生産を考慮した品質工学的アプローチに路線変更可能とのアドバイスを受けた。
2.「2018年度 NT/C品質工学活動報告」 (日本電産(株) 三宅拓郎)
品質工学に関する、昨年度の社内での活動状況を報告した。また活動の1事例として、接着剤塗布量のばらつき改善の評価結果について報告した。過去の評価、経験等から影響がありそうなパラメータを抽出し、L8直交表を用いて影響度を確認した。結果、塗布機の違いが最もばらつきに影響することが判明した。研究会メンバーより、次のステップとして、塗布機自体に注目してパラメータ設計を実施、改善を進めてはどうか、また今回は塗布量一定の静特性として評価しているが、塗布量を変更して、動特性として評価するのもよい等、貴重な意見をいただいた。いただいた意見を参考に、内部での活動に反映していく。
3.「T法を用いたソフト評価時間予測 進捗報告」 (日置電機(株) 高橋博之)
T法によるソフト評価時間予測ついて、一定の効果が得られる見通しがついたため、社内での運用を開始した。ソースコードを流用して開発したソフトの見積りについて、流用の度合により、誤差が大きくなる懸念がある旨、相談させていただいたところ、現行の全ソース行数の他に、流用したコード行数の情報を付加する方法を提案いただいた。今後、社内の仕組みへ展開する。
2019年6月14日(金)に品質工学導入講習会(出席者:27名)を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)にて開催した。
1 主催者あいさつ、品質工学の概要説明
2「パラメータ設計の基本的考え方」(有)増田技術事務所 増田雪也
3「MTシステムの基本的考え方」東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株) 中山博之
4「オンライン品質工学の考え方」信州大学 岩下幸廣
5「長野県品質工学研究会の紹介」長野県品質工学研究会事務局 児野武郎
6「品質工学本格導入のためのセミナー・講演会について」公益財団法人長野県テクノ財団
2019年7月12日(金)に2019年度第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「板金プレスの特殊加工における生産条件」 ((株)サンコー 井上貴裕)
材料板厚に対するせん断長の比率が、従来より高いことを特徴とする板金プレス特殊加工において、生産の最適条件を求める作業の進捗状況を報告。金型の摩耗を疑似的に再現する方法や、実験データの処理方法について数多くのアイディアを得た。
2.「画像処理へのMT法適用検討」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
画像処理にMT法を適用するにあたり、社内教育資料として、”間違い探し”をMT法で試してみた。実際にカメラを使った画像処理を想定し、元画像の位置精度や明るさを変えた画像50枚と、5か所の間違いがある1枚の画像を用意した。単位空間は元画像50枚としたが、何処に間違いがるのかを調べるために、画像を5分割し、それぞれの場所で単位空間を作成した。特徴化は、画像の重心(X,Y,Z)の3項目で行った。その結果、微小な画像の変化には不向きでは有るが、たった3項目でもかなりの判別が出来る事が判り、特徴化の方法としての重心監視の有効性を確認出来た。また、微小な画像の違いの判別を行うために、分割数を増やす事で十分対応出来るものと考える。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
BNCコネクタの機能性評価を実施した事例について、これまでの経過と解析結果を整理して報告し、以下の内容について、ディスカッションをおこなった。
・動特性として評価できないか(入出力を電流・電圧にする)
・L8直交表の使用
・繰り返しのデータを平均化せず生データで計算する
・誤差成分をさらに分解したほうが良い
・サンプルによってノイズの影響の仕方が違う
・実験サンプル数について
・実験の際の配線抵抗の影響について
・要因効果図の信頼性と確認実験の必要性について
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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