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品質工学会誌(2011年12月号) |
2011年12月25日 10時49分 |
長野県品質工学研究会
2011年9月15日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
「T法による都道府県データの解析」 ((株)IHIシバウラ 浦野崇)
T法の実習素材として、総務省統計局発行の「統計でみる都道府県のすがた2008」を利用して、各種データの解析を行った。統計は全459項目の各都道府県毎のデータである。
取り上げたのは、一人当たりの高齢者医療費、刑法犯認知件数、平均余命などであるが、それぞれ興味深い解析結果を得ることができた。例えば、高齢者医療費に最も効いているのは、被生活保護者の割合であった。
このように都道府県データを実習に使用することにより、T法の有用性、簡便性を実感できた。
また、データの入手も容易で身近なデータでもあり、実習素材として適当だと考えられる。
【共通テーマ】
(1)「電気回路のパラメータ設計」
直交表L18の実験結果について考察を行なった。
感度の要因効果図より制御因子Bの抵抗C、制御因子Cの抵抗Dの効果が大きいことがわかった。そこで、SN比の分散分析を行ない各因子の効果を確認したところ、実験間誤差が非常に大きかったことから、実験装置のまずさが明確になった。
(2)「シュガーディスペンサーの機能性評価」
基本機能およびノイズについて検討した。ノイズは、容器内の砂糖の量、砂糖の粒の大きさ、容器の回転角度など、7つをリストアップした。次回は実際に実験をして、測定方法や実験のやり方に不備がないかをチェックすることになった。
2011年10月29日(土)、第8回品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)を湯田中温泉「清風荘」(長野県下高井郡山ノ内町)にて開催した。20名(埼玉5名、北陸3名、山梨5名、長野7名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】
参加各県の研究会の活動が報告された。
【基調講演「MTシステムによる地震予測」】
富山高等専門学校の早川幸弘氏に、地震の予測について講演をお願いした。T法、RT法、誤圧を組み合わせた地震の予測について、第1報から第4報までをわかりやすく説明していただいた。
【T法 vs 重回帰分析】
「T法 vs 重回帰分析」と題して、T法と重回帰分析の比較を行った。各研究会から持ち寄ったT法の事例について、T法と重回帰分析の推定結果を総合推定のSN比および相関係数で比較した。T法のメリットは何か?重回帰分析の優位性とは何か?について、徹底討論した。その結果、T法のメリットとして、「項目数よりもデータ数が少なくても適用できる」「未知データの予測に優れる」「制約が少ないので使いやすい」「項目数が多くても、エクセルで簡単に解析できる」という意見が挙げられた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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