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品質工学会誌(2009年12月号) |
2009年12月17日 22時33分 |
長野県品質工学研究会
2009年9月17日(木)、第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「オゾン水生成槽の最適化」((株)IHIシバウラ 浦野崇)
新型オゾン水生成槽の最適設計条件を求めた。開発の目的は、以下の2つである。
・必要濃度へ最短時間で到達すること
・必要濃度へ最小酸素で到達すること
2つの基本機能を設定し、標準SN比で解析を行った。
3つのノイズについて予備実験を行い、ノイズを調合した。
8つの制御因子をL18直交表に割り付け実験したところ、2つの基本機能で相反する最適条件が得られたため、必要コストで重み付けをし、望小特性で分析・チューニングを行った。
その結果、コストを考慮したうえで、必要濃度への到達時間を大幅に改善することができた。
また、ノイズによるばらつきも改善することができた。
(2)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」 (サンスター技研(株) 大久保直樹)
【共通テーマ】→会員は以下の2テーマに分かれ、各テーマで1年間共通テーマに取り組んでいる
(1)「生キャラメルのパラメータ設計」
手作りの攪拌装置を用いて生キャラメルを試作し、制御因子としてどの様に活用できるか検討した。また、その他の制御因子で、何が適切かを判断する為、2点試作を行った。
作製方法は、標準レシピで行い、加熱後の攪拌時のみ攪拌速度を速い、遅いの2点で試作を行った。
試作した結果、攪拌速度を速くした場合、材料が吹きこぼれる事が判明した。よって、攪拌速度を制御因子とするのではなく、攪拌速度を一定にし、攪拌時間を制御因子とする事に決定した。
これらの結果より、制御因子は、牛乳(6因子)、生クリーム(3因子)、砂糖(3因子)、バニラエッセンス(3因子)、塩(3因子)、攪拌時間(3因子)とすることにした。L18直交表での実験を予定しており、もう1因子追加出来るが、何を追加するかアイデアを次回議論する。追加案が無ければ、上記因子で12月に18個作製する。
また、次回までに、官能評価のアンケート用紙を作製し、市販のキャラメルを2種類購入し、品質工学研究会メンバーで試食し、アンケート内容の妥当性を判断し、12月に作製したものでの官能評価アンケート内容を決める。
(2)「歩数計の機能性評価」
購入した7機種の歩数計の内、3機種について小規模な機能性評価実験を実施した。
■入力「実歩数:3水準(20歩、40歩、60歩)
■出力「歩数計の表示値」
■ノイズ「歩く速さ:2水準(速[120歩/分]、遅[84歩/分])、歩く人:3水準(A氏、B氏、C氏)」
測定したデータを解析し、次回までにSN比と感度を算出しておくことになった。
次回は、残りの4機種について同様な実験を行うことになった。 2009年10月23日(金)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。今回は、1つの共通テーマについてのみディスカッションした。
【共通テーマ】
(1)「生キャラメルのパラメータ設計」
今回は、6種類(n=2) と1種類(n=4)の市販キャラメルを用いて、外観、香り、口どけ、舌触り、後味、濃厚感の6項目での官能評価を行った。
誤差因子として、冷蔵庫取り出し直後と取り出し30分後とした。
今回の評価結果から、項目の妥当性確認と、誤差因子として冷蔵庫取り出し直後と30分後としているが、実際に誤差因子として適当かの確認を行う。この結果を基に、アンケート項目を見直し、12月にL18直交表をもちいた生キャラメルを作製し、同時に官能評価する。1月定例会で、データーのまとめと、確認実験を実施する。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記) |
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