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品質工学会誌(2020年4月号) |
2020年4月23日 08時07分 |
長野県品質工学研究会
2019年12月13日(金)に2019年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門(長野県松本市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
1.「オンラインQEでのフィードバック制御の考察」 (信州大学 岩下幸廣)
保全における品質工学について劣化の状態を考慮した計算方法を検討し、定期保全、予防保全についての適用事例を報告した。その後内容について議論を行い理解を深めた。
2.「直交表と機械学習によるパラメーター最適化」 (日置電機(株) 小林昌史)
直交表を使ったデータ取得と、機械学習によるモデル化およびパラメーター最適化について報告した。品質工学の良い所を取り入れつつ、コンピューターパワーを利用してより良い設計値を探すという取り組みである。例えば、高次の多項式を使ったモデル化では、データが疎な部分においてフィッティングが極端な振る舞いを示す傾向があるが、直交表を使うことで、疎密の偏りのないデータ取得を行うことができる。研究会メンバーより、他社事例の紹介や、高次変数でのフィッティングなどについて、 様々な意見をいただいた。現在の取組について、アドバイスをいただける場所として品質工学研究会は非常に貴重な存在であると考えている。
3.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計。これまで一応の結果を得ている形状とは異なる形状で同様の実験を行い比較結果を報告。動特性として考える、T法で解析する、などの意見を得る。しかし2実験はそれぞれ独立していると考えるべきかもしれず、さらに検証が必要。
【特別講演】
「環境・情報技術部門におけるIoT及びMTシステムの取り組み紹介」
(長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門 情報システム部 西田崇)
長野県は県内中小製造業の生産現場におけるAI-IoTの利活用を促進するため、IoTデバイス事業化促進事業を実施している。具体的にはAI活用/IoTデバイス事業化・開発センターの開設や生産現場IoT技術研究会の開催、生産現場で低コストにIoT構築ができるセンターIoTキットの貸与等を行っている。また、AI技術にはMTシステムも活用している。それらの取組みについて紹介した。
2020年1月10日(金)に2019年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した(参加者:14名)。以下に示す5つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化」 (日本電産(株) 塚本ちさと)
高級食パンを家のホームベーカリーで作る事が出来ないか?という発想から、パラメータ設計を用いて高級食パンの評価を行った。パラメータ設計の結果を発表し、参加者から意見などを頂いた。
2.「パラメータ設計計算方法の検討(T法の適用)」 (信州大学 岩下幸廣)
パラメータ設計でのη、Sについて、T法を用いて推定値を求める方法提案し、参加者で議論した。直交表の変更やデータ数の検討などが必要であるが、より深い情報が得られる。
3.「T法のサンプル数についての検討をシミュレーションしてみた」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法のサンプル数については、「項目数より多い」という制限がない。しかし、あまりにも少ない場合は、項目と信号の相関が低いにもかかわらず、重み付けのSN比ηが高くなってしまうケースがある。そこで、最低何個くらいあれば妥当な解析ができるかをシミュレーションしてみた。
4.「T法の基準化について」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
T法では、中位の数セットのメンバーの平均値や、ひとつのメンバーで基準化し、信号データを使って重み付けの為のSN比を求めるが、メンバーの選び方で推定精度が変わる。そこで、推定精度が最もよくなるようなメンバーを選択する方法を提案し、研究会内で議論した。
5.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計について確認実験結果を報告。研究会参加から約半年間でパラメータ設計の基本的な流れを実践することができた。ここまでを一区切りとし、今後の進め方を再考する。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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