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品質工学会誌(2012年8月号)
長野県品質工学研究会
 2012年5月18日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成23度の事業報告および平成24年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は10(正会員:6、顧問:1、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/18、6/14、7/12、8/23、9/13、10/11、11/8、12/13、1/10、2/14、3/14)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「品質工学の実践を通した教育効果―品質工学研究の実践と教育についての考察―」
講師:山本桂一郎氏(富山高等専門学校 専攻科)
内容:北陸品質工学研究会でも活躍されている山本桂一郎氏をお招きし、品質工学の実践を通した教育効果についてご講演いただいた。自己紹介から始まり、品質工学との出会い、そして品質工学を用いた最近の開発事例を丁寧にご紹介いただいた。技術者としてのあるべき姿とは?、技術者の能力を高めるにはどうしたらよいか?など、非常に考えさせられる内容であった。山本桂一郎氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。

 2012年6月14日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法における項目選択の有効性に関する研究」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法において、直交表を使わないで項目選択の方法について検討した。その結果、項目選択することにより、相関係数が「0.70」から「0.84」へ向上した。
(2)「コマのパラメータ設計」(タカノ(株) 中原健司)
7月28日に伊那市で行われる製造業向けのイベントで品質工学の事例発表を行う。全日本製造業コマ大戦も開催されるため、コマに関する事例を検討中である。3次元CADの設計テーブル機能を使ってコマのパラメータ設計を行い、光造形と金属加工で制作する。制御因子はL18直交表に割り付けた。コマを回すモーターの回転数を信号とし、止まるまでの時間を出力とする。誤差因子は予備実験し、決定する予定である。
(3)「接触式、非接触式測定機による表面性状評価の比較について」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
加工方法の違う二種類の試験片について接触式・非接触式測定機により表面性状評価を行い、結果を比較した。平均や分散の比較から両者の違いは明らかになったが、接触式と非接触式の特性の違いをあきらかにすることは難しい。今後はフーリエ解析や試験片の検討などを行っていく。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」:進展無し
(2)「パラメータ設計事例の検討」
パラメータ設計のテーマについて検討し、「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」と決まった。シャボン液は石鹸、ガムシロップ、洗濯のり、片栗粉などを配合するとよいとの情報から、これらを制御因子とした。次回、入力と出力をどうするか検討し、予備実験を行うことになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
 
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