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品質工学会誌(2013年8月号) |
2013年8月31日 09時30分 |
長野県品質工学研究会
2013年5月17日(金)、本年度の総会および特別講演会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成24度の事業報告および平成25年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は10(正会員:6、顧問:1、特別会員:3)である。開催日程(原則として毎月第2木曜日)は、全11回(5/17、6/13、7/11、8/8、9/12、10/10、11/14、12/12、1/9、2/13、3/13)を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【特別講演会】
演題:「シックスシグマから見た品質工学の活用のすすめ」
講師:太田勝之氏(株式会社シマノ)
内容:関西品質工学研究会で活躍されている太田勝之氏をお招きし、シックスシグマと品質工学の活用についてご講演いただいた。シマノ社内でシックスシグマをどのように普及したのか、また、品質工学をどのように活用しているのかをわかりやすくご紹介いただいた。太田勝之氏には、研究会として今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
2013年6月13日(木)、第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および2つの共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「希土類圧縮ボンド磁石用コンパウンドの流動性改善」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
圧縮ボンド磁石の品質の安定化の為には、金型に充填されるコンパウンドの量を安定化させる必要がある。また、コンパウンドの充填性は流動性の影響を受ける。そこで、磁粉とエポキシ樹脂を混合する工程の条件をL18直交表に割り付け、流動性に影響を与える制御因子を抽出し、感度優先で最適化した。その結果以下の成果が得られた。
・コンパウンドの流動性に影響を与えている因子が明確に出来き、その因子の最適化により流動性の改善が出来た。
・流動性が改善されたコンパウンドでマグネットを成形したところ、充填性が大幅に改善出来た。
(2)「ケンカコマの実験セット」 (タカノ(株) 中原健司)
ケンカコマを品質工学の教育教材として使えるキットの開発を進めている。軸の先端径・長さ、おもりの内径・外径・材質・枚数などを制御因子としてL18直交表に割り付ける。ノイズは、相手が重いコマ、軽いコマを想定したおもりを置いて実験する。
長野県品質工学研究会の共通テーマとして研究を行い、成功体験ができる実験の進め方についてまとめ、入門セミナーなどで活用できないか検討する。
【共通テーマ】
(1)「T法によるパターン認識の検討」:進展無し
(2)「割れにくいシャボン玉のパラメータ設計」
シャボン液の引上げ速度をノイズと考えたが、予備実験では明確なシャボン液の性能の差は見られなかった。他県の研究会では湿度をノイズとして実験することで再現性の良い実験が得られたとの情報があったため、ノイズについては改めて検討することとなった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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