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品質工学会誌(2019年2月号) |
2019年2月27日 08時18分 |
長野県品質工学研究会
2018年10月12日(金)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法の展開」 (信州大学 岩下幸廣)
T法は基準となるデータから推定式を作成する。推定式は線形式を基本としているが、帰納的推定の幅を広げるために、非線形現象への拡張を検討し、まず「べき関数」を使用する方法を議論した。他の方法も検討を進めたい。
(2)「ミニ四駆を使ったパラメータ設計」 (富士電機エフテック(株)大島宏一)
品質工学の素人が品質工学の職場への普及を狙い、単純構造のミニ四駆を使ったパラメータ設計に取り組んだ事例を紹介した。
・機能:コースに依らず安定して走行する。
・入力:周回数
・出力:スプリット・タイム
・制御因子:主要部品をL18直交表に割り当て
・ノイズ因子:正式コースの構成要素を模擬した8要素
利得の再現性が悪かったが、今後、出力等を見直し再現性の改善を図る。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
3種類のBNCコネクタについて、L9直交表に誤差因子を割付けて直交実験を実施した経過を報告し、ディスカッションをおこなった。データのまとめ方、S/N比の算出方法等について指摘があった。次回の定例会にて実験の結果を報告する。
「MTシステムによる加工部品の品質推定」
旋盤で条件を変えながら加工した試料について表面粗さ測定を行った。試しに加工条件と算術平均粗さで重回帰分析を行ったところ、比較的相関が高い結果となった。これは、項目に対して実験データが少ないためと考えられる。次回は、同じデータをT法で解析し比較する。
2018年11月9日(金)、第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」 (日置電機(株) 高橋博之)
社内で採用しているソフトウェア評価時間見積りの算出方法では、実際の評価時間と乖離する場合が多いため、T法を用いて評価時間の推定と検証をを行った。T法を用いることで、現行よりも相関が高い結果が得られたが、規模の小さい製品について、推定評価時間がマイナス値となるケースがあった。対数を用いた解決方法を教示いただいたので、今後効果を確認することとした。
(2)「T法で、1/βを使うわけ」 (信州大学 岩下幸廣)
T法では推定式に1/βを使用しているが、重回帰分析等と比較しながら、その意味についての検討結果を報告した。その後参加者で議論を行い、考え方のすばらしさを改めて認識した。
【共通テーマ】
「BNCケーブルの機能性評価」
3種類のBNCコネクタについて機能性評価を実施した事例について、望目特性を用いてS/N比を計算した結果を報告した。
・トラブルが発生したBNCコネクタのSN比が最も低く、構造的に優位性があると考えられるBNCコネクタのSN比が最も高く出た。
・誤差因子の影響について検証するため要因効果図を作成した。
今後、誤差因子に耐久性を加えた実験を実施する予定。
「MTシステムによる加工部品の品質推定」
今回議論無し
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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