長野県品質工学研究会の活動報告(2024年8月&9月)
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2024年9月27日 09時14分
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長野県品質工学研究会
2024年8月9日(金)に2024年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「経常研究についての相談ーT法を用いた衝撃試験と温度の関係の解析」 (長野県工業技術総合センター 古畑美咲)
衝撃試験機と温度の関係をT法を用いて解析を行いたいと考えている。
試験機の様子や現状の問題点を説明し、モデル式やデータの収集方法等についてアドバイスをいただいた。
2.「最適条件だけで確認実験する方法(利得でチェックしないやり方)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
RQES2024Sで学会発表した「確認実験における利得を考慮した条件設定に関する研究」に基づき、今後の確認実験の方法を検討した。利得で再現性をチェックせず、最適条件だけで再現性をチェックする方法を紹介した。
3.「AIと品質工学を考える(コーヒーブレイク)」(長野県工科短期大学校 宮嶋隆司)
別機関で2022年3月に講演発表した内容の一部を紹介した。初学者向けに(1)回帰分析はAIか?、(2)品質工学って何?といった2つの話題を取り上げたものである。話題(1)は、国によるAI、機械学習、深層学習の定義と、それらの関係から考えていくもの、話題(2)は、品質工学が品質管理とは異なるものであることの理解促進を目的に、それぞれの学会における用語(品質)の定義の違いなどを紹介し、比較整理を試みたものである。
2024年9月13日(金)に2024年度の第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「研究開発の経済性」 (顧問 岩下幸廣)
技術開発推進に当たっては、経済性を考慮した開発シナリオの検討が必要であるが、その際のテーマの成功確率を含んだ定量的計算方法と具体的例を紹介した。それにより、研究段階で成功確率の低い革新的なテーマも研究段階で取り上げられ、革新的な製品、サービスの実用化に結び付けられる。
2.「MT法でチェックしたい2つの確認事項(なぜチェックする必要があるのか?!)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
MT法で原因診断をする際、2水準系の直交表を用いるが、項目間の交互作用についてはチェックしていない。そこで、再現性(信頼性)の確認として、どのような解析をしたらいいのかを検討した。その結果、解析データを使って、簡単に再現性をチェックできることが分かった。
3.「タイトルおよび内容は会社都合により非公開」 (会社都合により発表者名は非公開)
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年6月&7月)
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2024年7月28日 08時51分
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長野県品質工学研究会
2024年6月18日(火)に2024年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:9名)
以下の1つの事例発表および共通テーマ「ネジ締めにおける機能の評価方法」についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「直交表を使ったパラメータ設計での確認実験の必要性〜増田氏の発表を受けて」 (顧問 岩下幸廣)
L4、L9などの直交表による実験で、要因をすべて使用すると実験値と計算値が一致するので、再現実験が必要となる。L18の場合、要因数から必要な自由度16に対してデータ数は18であるため、要因すべてを使用すると実験値と推定値の相関が高くなってしまい、同様に再現実験が必要である。L18を使って実験値と推定値の相関から再現性を確認するためには、割付数を5以下にする必要がある。
【共通テーマ】
実験に用いるジグについてディスカッションした。
2024年6月18日(火)に品質工学導入講習会(出席者:17名)をオンライン(Zoom)にて開催した。
1 主催者あいさつ、品質工学の概要説明
2「パラメータ設計の基本的考え方」(有)増田技術事務所 増田雪也
3「MTシステムの基本的考え方」東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株) 中山博之
4「オンライン品質工学の考え方」顧問 岩下幸廣
5「長野県品質工学研究会の紹介」長野県品質工学研究会事務局 児野武郎
6「品質工学本格導入のためのセミナー・講演会について」公益財団法人長野県産業振興機構
2024年7月12日(金)に2024年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:X名)
以下の2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「T法を用いた BLDCモータ 回転子 初期アンバランスばらつきの原因究明」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
各寸法を測定し、初期アンバランスに何が効いているのか、T法を用いて分析した。
理論値に沿う結果となったが、突然ばらつく原因は不明のままである為、今後は接着工程などに原因がないか検討する方向へシフトした。
2.「リスク管理への品質工学の適用」 (顧問 岩下幸廣)
リスクRの大きさをR=H*p(H:影響、p:発生確率)とすると、検査での臨界不良率の計算モデルと同様の考察が可能になり、リスクの数値管理(数値評価、対応策の検討、合理的な意思決定、合意、等)が可能になる。
3.「RQES2024Sの発表論文について」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
論文の気になる箇所について、議論した。
L18直交表で、1つの因子が、2つ同じ水準を割り付けていて、要因効果図を見ると差が無いように見えるが、論文には、差があると記載されていた。
どのように差があると判断したのか分からないが、これくらいは差が無いと判断しても良いのではないかという結論に至った。
他にも、ノイズ(N1とN2)があり、N2のみで評価する場面があったが、N1のSN比とN2のSN比が算出されていた。
どのように算出しているのか答えを見出すことが出来なかったが、独自のやり方があるのだろうという結論に至った。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年4月&5月)
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2024年5月27日 16時12分
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長野県品質工学研究会
2024年4月12日(金)に2024年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「基準データ数が少ない場合のMT法計算」 (顧問 岩下幸廣)
MT法において、基準になるデータ数nが項目数+1より小さい場合、逆行列の計算が出来ない。基準のデータ数を大きくすることが基本だが、少ないデータを活用するために、その場合の計算可能な方法を検討した。「@誤圧法An-1個以下の相関行列の組合わせによる方法B相関係数の絶対値が小さい相関係数を0する方法」を事例に適用した結果、A、Bは@の誤圧法より判別力が大きいことが分かった。
2.「再現性のチェックに重きを置かない品質工学」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
RQES2024Sで学会発表予定の「確認実験における利得を考慮した条件設定に関する研究」から、利得の再現性のチェックにはSN比と感度のそれぞれで最大利得となる条件で確認実験する必要性が明らかとなった。そこで、利得の再現性のチェックに重きを置かず、最適条件のみで再現性を大まかにチェックするやり方を模索した。
2024年5月10日(金)に2024年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:X名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【総会】
令和5年度の事業報告および令和6年度の事業計画が承認された。本年度の会員数:16(正会員:10、特別会員:3、顧問:3)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「合同研究会」および「講演会」である。
【事例発表】
1.「直交表実験の実験値と推定値の一致度は、交互作用の大小と関係があるか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
「直交表実験の実験値」と「要因効果図から推定した推定値」は一致するのか?について、2つの事例で検証した。制御因子間の交互作用が小さい場合は一致した。一方、交互作用が大きい場合も一致した。以上のことから、交互作用の大小によらず、直交表実験の実験値と推定値の一致度は高くなることが明らかとなった。
2.「基準データ数が少ない場合のMT法計算方法(2回目)」 (顧問 岩下幸廣)
前回の研究会で、“d-MT法”“p-MT法”を提案した。この方法は、特徴項目数より基準データ数が少なくても計算可能であり、多重共線性を回避できること、誤圧法より判別能力が優れていることを事例によって確認した。また、マルチMT法とも比較した。
3.「品質工学とLCAで実現する循環型社会(エコシステム)〜NICEの活動紹介を兼ねて」(顧問 常田聡)
最近よく耳にする「カーボンニュートラル」や「サーキュラーエコノミー」について、なぜそれが必要なのか気候変動を中心に解説し、
カーボン排出量の評価方法であるLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法と品質工学を上手に組み合わせて活用することを提案した。
具体的な実施事例はまだないがそれほど難しくなく活用できると思われ、機能の定義とノイズ、制御因子といった実験計画と、その結果を評価することに変わりはない。
またカーボン排出量はエネルギー使用量と同等であり、さらにカーボン排出量がコストで表現できることから、かなり品質工学の品質の概念に近いと思われることを報告した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年2月&3月)
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2024年4月3日 10時22分
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長野県品質工学研究会
2024年2月2日(金)、第14回品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)で開催した(参加者:25名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 副会長 増田雪也
2)品質工学の実践事例(3件)
「パラメータ設計を用いた薄型ブラケット旋盤加工の真円度改善」
「MTシステムによる通勤時間に関する研究」((有)増田技術事務所 増田雪也)
「MTシステムを用いた表面粗さ曲線の解析」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
3)特別講演会「AIをMTで評価する」(東京都立産業技術大学院大学 越水重臣)
AI(機械学習・深層学習)およびMT法についての紹介の後、AIが生成したゲームキャラクターの画像を、MT法で判別した結果を紹介いただいた。
人間が判別した結果と大差ない結果となっており、大変興味深かった。
2024年3月8日(金)に2023年度の第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:14名)
以下の2つの事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
1.「制御因子を割り付ける「列」を入れ替えて、要因効果図の傾向を観察してみた」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
火縄銃のシミュレーションにおいて、制御因子をL9直交表に割り付ける際、割り付ける列を様々に変えた時の要因効果図を比較した。
その結果、どの制御因子をどの列に割り付けるかによって、要因効果図の傾向が変わることが分かった。時には非線形な成分が現れるケースがあった。
2.「Signal Catcherを用いた表面粗さ曲線の解析」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
表面粗さ標準片の測定結果から得られた粗さパラメータをMTシステムで解析し、加工方法を判別できるパラメータの探索を行った。その結果、粗さ曲線判別にはRsm(粗さ曲線の平均長さ)やRsk(スキューネス)などが影響していることが分かった。
また、T法を用いてあるパラメータから別のパラメータを推定する試みを行い、高い精度で推定できることが分かった。
解析には自作のソフトに加えて田中精密工業製「Signal Catcher」を用いたが、GAなど自作では難しい解析を行うことができ、より高度な解析を行うことができた。
【特別講演】
「Signal Catcher ver3.0バージョンアップ機能紹介 -多チャンネル機能とその効果-」((株) タナカエンジニアリング 石澤剛士)
MTシステムのソフトウエア「Signal Catcher」のバージョンアップ内容について紹介いただいた。多チャンネル機能を追加したことにより、判別精度を向上させることが可能となった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年12月&2024年1月)
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2024年1月22日 11時33分
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長野県品質工学研究会
2023年12月2日(土)に第20回4県品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)をテクノプラザ岡谷(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。21名(埼玉1名、北陸3名、山梨4名、長野13名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】:参加各県の研究会の活動が報告された。
【各県の事例発表】
・パラメータ設計での推定式の活用(長野県品質工学研究会 岩下氏)
・わかりやすい品質工学の考え方(北陸品質工学研究会 林氏)
・旋削加工の技術開発(品質工学フォーラム埼玉 鷺谷 氏)
・パラメータ設計の社内実習(山梨県品質工学研究会 古江氏)
【討論:ツールとしての品質工学】:何をやれば、品質工学をツールとして使える様になるのか?単純に、社内教育し、実践し、その成果を発表しても、思うように普及しない。では次の手は何なのか?についてディスカッションした
2024年1月12日(金)に2023年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学の○○という考え方は正しいのか?(それ鵜呑みにしてませんか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学のある基本的な考え方「制御因子間の交互作用が大きい場合、そのシステム(技術)は不安定だから使えない」について検討した。この考え方は、「タグチ氏がそう言っている」という説明がされるのみで、根拠が明確に示されていないという大きな問題点があり、品質工学を普及する上での弊害となっている。この考え方の根拠を考えてみたが、根拠を導くことは出来なかった。制御因子とノイズの区別がついていないことが原因で、間違った考え方になってしまっているという結論に至った。
2.「交互作用考慮の方法」 (顧問 岩下幸廣)
回帰分析、T法の推定式での交互作用を考慮した計算方法を検討した。2項での交互作用の場合、説明変数xi、xjの積xi*xjを交互作用の説明変数としてもある程度の推定ができるが、それぞれの説明変数を標準化(x-Av)/σして、その差の絶対値を説明変数にした方がより優れていることが分かった。
3.「ηを計算しないT法の方法」(顧問 岩下幸廣)
T法では、それぞれの説明変数について、βとηを計算し、1/β*ηiΣηを係数として足し合わせて推定式としている。今回は、βを計算し、データと推定式ができるだけ一致する様に最小二乗法で重みづけをする方法を検討した。この方法は、データと相関の高い推定式が得られるだけでなく計算が簡単であり、より実用的な方法である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年10月&11月)
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2023年11月27日 10時14分
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長野県品質工学研究会
2023年10月13日(金)に2023年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:9名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「自動生産における品質管理と異常の定義について」(太陽工業(株) 葉玉知子)
自動生産ラインに組込むシステムについて異常判定をどのように定義するか、業務案件の課題を相談させていただき会員の皆様にご教示いただいた。
品質工学を用いて判断することをご提案いただいたので、社内で改めて検討したい。
2.「UAVを用いた水稲におけるリモートセンシングの活用」(南信空撮 中西徹)
マルチスペクトルカメラを搭載したドローンで、夏場の圃場のNDVI分布を確認したところ、育成不足の部分が判った。そこで、育成部分のみにドローンで追肥をしたところ十分なリカバリーが出来た。
更に、7月中旬のNDVIの高い部分は、9月初旬に倒伏した部分とほぼ一致し、NDVIで倒伏予測が可能であることが分った。
来年以降は、NDVIを予測するためにT法を活用したり、パラメータ設計でNDVIの均一化を図る等、品質工学を農業分野にも適用していきたい。
3.「シナノケンシのパラメータ設計推進活動の紹介」(シナノケンシ(株) 辻希望)
パラメータ設計の進め方や適用方法等を紹介した。
品質工学を主張しすぎるとかえって使いたくないと思う人が現れるので、困っている課題に対して、アプローチするのは良いのではないか?とか
L18直交表は時間が掛かると言う人には、L8直交表を勧めるのが有効とか
勝手にやってしまう人には、L18だとしても、1条件ずつ小出しにして試験を進めてもらうとか
他にもいろんな話を聞くことが出来た。
4.「品質工学で、予備実験しないで直交表実験に進んだ結果、無駄な最適化をしてしまった話」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
機能に与える影響度が低いノイズ(誤差因子)を与えてパラメータ設計した結果、殆ど改善が出来なかった事例を紹介した。対策としては、直交表実験の前に予備実験を行い、ノイズの影響度を把握しておく必要がある。
2023年11月10日(金)に2023年度の第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:9名)
以下の1つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質特性による最適化」 (顧問 岩下幸廣)
パラメータ設計では機能を評価するが、適用の際に機能の検討で躓いてしまうことが多い。
そこで、品質特性を使って評価する方法を検討した。品質特性は複数の特性を評価するので、「@各品質特性をT法、最小二乗法によって推定式を作成するA各特性から損失関数を計算し、合計が最小になるパラメータを求める」ことによって、最適パラメータを算出することが出来る。
その際に特性は望目特性とすることが重要である。
【共通テーマ】
「ネジ締めにおける機能の評価方法」
先ずは予備実験でデータを取り、そのデータを見ながら議論をすることになった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年8月&9月)
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2023年9月27日 12時55分
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長野県品質工学研究会
2023年8月10日(木)に2023年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:13名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「多特性の損失関数」 (顧問 岩下幸廣)
多特性の損失関数を検討した。前回の発表の様に、パラメータ設計において@T法による推定式A損失関数による最適化によって条件の最適化ができるが、品質特性などの複数の特性で最適化するためには、多特性での損失関数を使った方法が有効である。
2.「医療関連製品製造業での品質管理について」 (会社都合により発表者名は非公開)
医療関連製品製造業メーカーの品質保証担当者より、関連製品の特長、自社製品の紹介、製造方法、品質管理方法について報告。
設計から出荷後の製品管理において工業製品とは異なる部分がある中で、品質工学がどう活用できるか会員よりアドバイス・レクチャーを受けた。
3.「SN比の利得が再現したらどうする?」(顧問 常田聡)
パラメータ設計では確認実験にてSN比の利得の再現性をチェックするが、その利得の再現性の良し悪しの判断は曖昧であることを報告した。
できれば利得を品質ばらつきの改善だけでなく生産性の向上にも使い、そして、損失関数を用いて生産コストの改善効果を予測したい。
それが年間のコスト改善につながれば企業の利益増加になる。
すなわち、利得の再現性を追究することは、改善コストの再現性の追求であることを報告した。
2023年9月8日(金)に2023年度の第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「送風ファンの効率最適条件」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
利得の再現性がよくなかったのは、制御因子間の交互作用の可能性を考える前に、小さい利得で確認実験を行っていた為、精度良く再現性をチェックできているとは言えないと判断した。
目的が再現性をチェックすることでは無いので、L18の中から、1番良い条件を最終最適条件とした。
N1とN2で逆転している条件が約半分くらいとなったが、1条件以外は、差が小さい為、ノイズに強い条件と見なしても良いのではないか?とアドバイスを頂いた。
また今回、望目特性で評価をしたが、エネルギーとして捉えた動特性の考え方についてもアドバイスを頂いた。
2.「検査の課題と考察」 (顧問 岩下幸廣)
ベイズ確率を考慮した検査設計を検討した。その結果、ベイズ確率を考慮しても、臨界不良率の変化は小さいことが分かった。また、潜在的不良率が小さい場合、通常検査より精度が悪いが安価な簡易検査を行い、その後不良判定品を通常検査で再検査すると損失を減らせる。この結果は、検査精度の悪い生物的検査では効果的であり、新型コロナ感染などの検査では、キットによる検査での感染判定者をPCR検査することが効率的な場合が多いことが分かった。
【共通テーマ】
「ネジ締めにおける機能の評価方法」
過去に研究会のメンバーが集まって取り組んだ「共通テーマ」について、今回から新たなテーマに取り組んでみたいと提案した。
テーマ名は『ねじ締めにおける機能の評価方法』とし、一般機械でよく使われるボルトやナットを対象に検討を開始した。
まず、メンバーの企業でどんなねじに関する問題があるかあげてもらい、その後、JISをもとにねじ締めの方法と問題点を紹介した。
次回は、ねじ締めの機能の検討を進めたい。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年6月&7月)
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2023年7月25日 08時05分
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長野県品質工学研究会
2023年6月2日(金)に2023年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:18名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「要因効果図を使って「バラツキ」と「平均値」をコントロールする(要因効果図の4つのパターン)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
SN比と感度(平均値)の要因効果図を4つのパターンに分けて、制御因子の水準を変更すると、バラツキと平均値がどのように変化するかをアニメーションで説明した。
2.「1因子実験でも交互作用の大小のチェックが可能か?(確認実験すれば交互作用をチェック出来る!でも…)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
1因子実験においても、確認実験をすることで制御因子間の交互作用をチェックすることが可能である。交互作用が小さい場合は、1因子実験と直交表実験の差は無い。しかし、交互作用が大きい場合は、直交表実験の方が(2因子間の交互作用を含んだ)「最適条件」または「それに近い条件」が求まるというメリットがある。
3.「品質の評価(2)−SN比の歴史」(常田聡)
SN比が最初に登場した1952年から、現代のSN比のベースとなった1970年代までどのように進化してきたかを報告した。
いわゆるオメガ変換を用いた電話の明瞭度からはじまって、通信のSN比を応用して求める方法や品質の比較方法、直交多項式展開を用いた測定法における一次校正のSN比などについて紹介した。
いずれも対数を取る前の値が『分散比』であることがわかり、SN比の本質を理解するのに役立ったと感じた。
次は1980年代以降、現代に至るまでのSN比について調べてまとめたい。
2023年7月14日(金)に2023年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
「パラメータ設計での推定式の活用」 (顧問 岩下幸廣)
パラメータ設計において、T法で推定式を作成し、損失関数を使って最適化を行うことを検討した。その結果、目的に対応した最適条件が得られるだけでなく、T法の特徴も生かせることが分かった。また、複数の品質特性データからモグラたたきではない最適条件を決定できることも分かった。
【特別講演】
「SignalCatcherの紹介と使い方」((株)タナカエンジニアリング 石澤剛士)
MTシステム(MT法・T法)のソフト「SignalCatcher」の紹介と使い方の説明を紹介していただいた。
研究会会員の事例を実際にMT法にて解析し、判別可能であることが示された。
波形解析について、標本線および重心法による特徴化と解析のやり方について、詳細なレクチャーを受けた。
有料版のソフトであるが、研究会の会員はデモ機を無料で使うことが出来るため、今後のMT法の発表事例が増えるのではと期待している。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年4月&5月)
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2023年5月25日 08時07分
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長野県品質工学研究会
2023年4月14日(金)に2023年度の臨時の研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「SN比が高くなると、ノイズ(誤差因子)に対してどうなる?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
パラメータ設計をやる前と後で、ノイズに対してどうなるのかを紹介した。パラメータ設計後は、ノイズに対して強くなるので、ロバストな状態を実現できる。
2.「MT法 生産ライン適用への検討」(太陽工業(株) 葉玉知子)
センサーデータを監視し、金型破損や摩耗などの異常検知にMT法の適用を検討している。特徴量選択の手段に遺伝的アルゴリズムを用いた際の判別能力を考察した。
特徴量に標本線を用いる場合の判断方法などアドバイスをいただいた。生産ラインでの実証検証には至っていないが作業者による判断が困難な場合の選択肢の一つとして適用できるよう実用化に向け改良していきたい。
3.「Bブレーク条件出し」(KOA(株) 守谷敏)
角形抵抗器の個片分割では、分割ベルトの選定や大まかな条件についてはL18実験で条件選定を行っている。
今回はさらに細かな条件選定をL9実験で行った。制御因子を分割機の設定条件、ノイズは分割ベルトの新旧、特性値は分割した時の不良の発生率とした。
大まかな条件設定はできていたので、不良の発生はL9のうち1つ〜2つの組合せしかなかった。
そのような結果から作った要因効果図なのでV字となる因子もあったが、不良の種類別に効果図を作り、そこから最適として選んだ条件での再現実験ではよい結果が得られた。
4.「定期保全の式の検討」(顧問 岩下幸廣)
品質工学講座2などに記載されている定期保全の式は、ストレスdがd^2=a*tの変化を仮定して、最適保全時間を算出している。他のdの変化パターンに対応するため、d=a*t^bとした場合の最適保全間隔を算出した。dの変化を計測し、冪関数で近似してbを求めると、dの変化パターンに応じた最適保全間隔を求めることができる。
2023年5月12日(金)に2023年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:15名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【総会】
令和4年度の事業報告および令和5年度の事業計画が承認された。本年度の会員数:16(正会員:11、特別会員:6、顧問:1)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「合同研究会」および「講演会」である。
【事例発表】
1.「品質の評価」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
品質工学における品質の定義と損失関数の導出、および損失関数を用いた許容差の決め方について説明した。
出荷前の損失と出荷後の損失をバランスさせるために、経済的に許容差を決めることが必要である。
2.「MT法における、多重共線性の影響および一般化逆行列の効果の再考」 (日置電機(株) 永岡正敬)
MT法には多重共線性の問題があると言われるが、回帰分析で偏回帰係数を推定する計算と比べると、マハラノビス距離での逆行列によるベクトル線形変換の計算は性質が異なることから、MT法には多重共線性の問題はないと結論づけた。またランク落ちしたデータに対して、一般化逆行列を使ってマハラノビス距離の計算を試すケースがあるが、この場合の単位空間は、相関の絶対値が1の列をそれぞれ1つずつ残して、通常の逆行列で計算したものと同じになることを示した。
そしてこの状態で信号データの判別を行うと、次元が減らされた方向のマハラノビス距離はゼロになってしまうことを示した。
3.「交互作用の事前見当方法の可能性について 〜直交表の2因子間の組合わせが全て現れるのを利用して〜」(シナノケンシ(株) 辻希望)
直交表には2因子間の組み合わせが全て現れるのを利用して、利得の再現性を確認する前に、2因子間に交互作用があるかどうか、事前に見当出来るのかやってみた。
しかし、2因子間は総当たりだが、他因子は、未固定であるため、この影響がどれくらいあるのか?判断できない。
従って、交互作用の見当がつくと言えるのか?判断できない。
以上より、交互作用が小さい事例の時に、シミュレーションなどで、どのようなグラフになるのか見てみるのはどうかと、アドバイスを頂いた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年2月&3月)
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2023年3月21日 09時53分
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長野県品質工学研究会
2023年2月17日(金)に2022年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
同日の午後に開催予定の品質工学実践交流大会で事例発表するテーマについてリハーサルを兼ねた事例発表を行った。
2023年2月17日(金)、品質工学実践交流大会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した(参加者:32名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 兒玉光
2)品質工学の実践事例(3件)
「平面研削加工の最適化 〜熟練金型職人VS新入社員のパラメータ設計〜」((株)サンコー 中村勇人)
「直交表を用いたソフトウェアテスト(HAYST法)導入のための社内教育紹介」(日置電機(株) 兒玉光・高橋博之)
「MT法による音声判別の試み」(南信空撮 中西徹)
3)特別講演会「経済性評価によるものづくりの最適化〜オンライン品質工学の適用〜」(信州大学 理学部 特任教授 岩下幸廣)
2023年3月10日(金)に2022年度の第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「確認実験はSN比と感度のそれぞれで実施する必要がある(最大利得で確認実験すべき理由(わけ))」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
確認実験は通常、最適条件と比較条件で行う。SN比と感度の要因効果図の傾向が同じにならない場合は、最適条件を決める際にSN比or感度のどちらを重視するかによって、重視しない方の推定値の利得が小さくなってしまう。小さな利得でチェックすると、精度良く再現性をチェック出来ないことが明らかになった。従って、SN比と感度は、それぞれ最適条件と比較条件を設定し、実験する必要がある。また、比較条件は中位の条件ではなく、最悪条件を設定する必要がある。
2.「確認実験は、最適条件だけでいい(かも)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
確認実験は通常、最適条件と比較条件で行うが、最適条件のみの実施でも再現性は推定できるため、比較条件は省略してもいいのではないか(つまり、利得でチェックしない)、という提案をした。
3.「相関とMD」(信州大学 岩下幸廣)
MT法、T法では、少ないデータ数での判断、予測ができるが、基準になるデータの信頼性が課題になる。事例を使って、MT法の基準データはχ二乗分布になっている事、T法では実測値と予測値のMD値に異常値がない事、によって信頼性の確認、見直しができる事を説明した。
4.「L8直交表で、交互作用を見たい場合の割り付け方について」(シナノケンシ(株) 辻希望)
線点図より、交互作用が見れる割り付けを行ったところ、ある因子とある因子の組み合わせによって、自動的に決まる因子が存在し、その因子を直交表へ割り付けることが出来てしまうという問題が発生。
要因効果図からは、交互作用の効果のみと見ることが出来るのか?自動的に決まる因子の主効果と交互作用の効果、どちらも混ざっていると見ることが出来るのか?判断に悩んだが、その因子間の交互作用が気になるのであれば、その因子間で、総当たり試験するのはどうかと、アドバイスをいただいた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年12月&2023年1月)
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2023年1月21日 09時54分
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長野県品質工学研究会
2022年12月9日(金)に2022年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:15名)
以下の4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「「公差を狭めて、品質のバラツキを小さくする」それしか手段は無いのか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
「公差を狭めて、品質のバラツキを小さくする」という手段で安易にバラツキ改善しがちだが、コストが高くなるという欠点がある。この他に、設計条件や製造条件のパラメータを振ってバラツキを改善するという手段があり、コストアップせずに対処可能であることを説明した。
2.「T法の「推定値を求める」という機能を使って要因効果図を描く」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法の「推定値を求める」という機能を使って要因効果図を描く方法について説明した。試行錯誤のデータから簡単に要因効果図を作成することが可能である。
3.「T法はなぜ1/β、ηでの重みづけか?」(信州大学 岩下幸廣)
T法の特徴は、予測係数はX=βYとして計算し、Y=1/βXからYを推定する事にある。1/βは、Y=αXとして、α(補正)をα/相関係数の二乗として計算すると理解しやすい。また、各因子の重みづけとしてSN比ηを使用するが、相関係数の二乗(寄与率)を使っても計算可能である。説明変数の寄与率での重みづけと考えると理解しやすい。
3.付録「感染拡大の原因」(信州大学 岩下幸廣)
最近、厚労省から県別の抗体余裕率が発表され、最近の感染者は保有率の少ない地域に感染しているとの解説がされている。相関分析、T法での推定から、感染者数は気温と強い関係があり、抗体保有率は大きな要因でない事が分かった。夏は気温の高い地域で空調が使われ、冬は寒い地域で空調が早い時期から使われると考えると、夏の感染拡大、最近の冬の感染拡大は空調が原因と考えるのが妥当と思われる。
4.「絞り加工の直交表実験における水準について質問」((株)サンコー 中増光宏)
絞り加工のプレス金型におけるダイRの最適化を目的とした直交表実験の結果から、因子と水準の選択について考察した。また、直交表から任意の実験のみを選択して描いた要因効果図の意味について考察した。発表後の質疑応答で、今回の例ではスライド水準を取るべきなど、具体的なアドバイスを多数いただいた。
2023年1月13日(金)に2022年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「要因効果図の見方」((有)増田技術事務所 増田雪也)
要因効果図の縦軸は相対値であることを説明した。相対評価なので、横軸の水準値に設定しても、縦軸の値にはならないので注意が必要である。
2.「国産半導体技術の考察」 (信州大学 岩下幸廣)
Moorの法則は50年以上も成り立っている法則であり、国産半導体技術の復活に際しても参考になる法則である。同様に指数関数的に変化する技術的、社会的現象も多い。今までのデータを使って最小二乗法で予測することにより、技術開発などのガイドとなる。
2023年1月14日(土)、4県品質工学合同研究会をオンライン(主催は山梨)にて開催した。(オンライン参加者:確認中)
合同研究会とは、品質工学フォーラム埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、山梨県品質工学研究会(山梨)、長野県品質工学研究会(長野)の合計4地区の地方研究会が、年1回各研究会持ち回りで開催しているイベントである。今回の合同研究会の内容については、山梨県品質工学研究会(http://yqes.web5.jp)から詳しい内容の報告があると思うが、「特別講演」や「ディスカッション(基本機能を考える)」など非常に充実した内容であった。なお、2023年は長野での開催を予定している。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年10月&11月)
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2022年11月20日 09時46分
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長野県品質工学研究会
2022年10月14日(金)に2022年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「貝探しは、解探し」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
潮干狩りの「貝探し」を題材に、1因子実験と総当たり実験と直交表実験の違いについて説明した。制御因子間の交互作用の大小によらず、直交表を活用することにより、効率的に良い条件を見つけ出すことが可能となる。
2.「ワイブル分布を使用した点検保全」 (信州大学 岩下幸廣)
保全における定期点検は、摩耗故障の故障確率の少ない使用初期も長期使用後の故障確率の高い時期も等間隔で点検をするが、故障確率に応じて点検頻度を増やす方が合理的である。そこで、「損失=点検コスト+修理コスト+故障損失」が最小になる条件を、ワイブル分布を用いて算出する方法を検討した。
2022年11月11日(金)に2022年度の第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:13名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「T法を用いたソフト評価時間予測の経過」 (日置電機(株) 高橋博之)
2019年から運用を始めた「T法を用いたソフト評価時間予測」について、2021年までの運用実績を報告した。計算式作成時(既知データ)の相関係数は0.992、運用後(未知データ)の相関係数は0.937で、高い水準で運用できたことが確認できた。相関係数の集合が密になっている部分は対数の利用で間引ける可能性がある。説明変数をフラグで扱っている部分は、計算式を分けて運用することで誤差を減らせる可能性がある。などアドバイスをいただいた。
2.「計測値を使った保全管理」 (信州大学 岩下幸廣)
計測値による保全の最適化を検討した。事前に計測値の変化パターンが把握できれば、定期保全ができる。劣化などで計測値の変化パターンが変動する場合は、計測による点検保全が有効であり、計測値(点検)によって最適保全時間を調整できる。また、修理を重ねると修理間隔が短くなって全取替の方が経済的になるケースについても検討した。
3.「ExcelVBAによるMT法テストデータ作成について」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
ExcelVBAを用いて、MT法を適用するためのテストデータを生成するマクロファイルを作成した。MT法のマクロファイルと組合わせて、MTシステムの初心者向け学習資料として活用したいと考えている。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年8月&9月)
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2022年9月26日 07時34分
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長野県品質工学研究会
2022年8月10日(水)に2022年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:17名)
以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「生産マシンの不具合改善(その2)」(伊藤哲也)
“生産マシンの不具合改善へのMT法適用事例”の活動状況を聞いて頂き、皆様から下記のようなアドバイス頂けた。
・“判別不可”となった前回からは大きく進歩し“判別可能ではないか”
・もう一歩踏み込んで原因分析を実施してみてはどうか?
今回、皆様から頂いたアドバイスを元に、活動を継続し、MT法について理解を深めてゆきたいと思います。
2.「フィードバック制御の式について」(信州大学 岩下幸廣)
オンラインQEのフィードバック制御の考え方を検討した。適用に際しては、u=λD^2の検討が必要である。また、点検での計測値をフィードバック制御に反映させると、点検回数を1回にできる可能性がある。
3.「「品質工学は、2段階設計です」と説明するのはヤメよう」((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学は2段階設計と言われるが、従来型の開発手法も順番が異なるだけで2段階設計である。品質工学が従来型と異なるのは、バラツキと平均値を同時に(1段階で)実験/評価する点にある。品質工学を正確に説明することが、普及を進める上で重要である。
4.「直交表と分散分析」シナノケンシ(株)辻氏
L8直交表実験結果を分散分析して、寄与率を求めてみた。
YKK社と同様に寄与率を取り入れようとしたが、結局欲しいのは、因子のどの水準が良いかであり、要因効果図だけで十分ではないかという意見が出た。
2022年9月9日(金)に2022年度の第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:14名)
以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「保全の最適化について」 (信州大学 岩下幸廣)
定期保全の最適間隔は、「損失=保全コスト+故障損失」が最小になる間隔である。この考え方をベースに、ワイブル分布から最適保全間隔を求める事ができる。
また、品質工学講座2第11章記載の定期保全間隔は、m=2のワイブル分布の場合と一致することが分かった。
2.「N1とN2が逆転するケースはあるのか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
パラメータ設計で直交表実験をした際、ある行においてノイズのN1とN2が逆転することがある。それは異常なのか?正常なのか?について説明した。
3.「T法における項目数と総合推定の相関について」((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法の項目数と総合推定の相関について検討した結果を報告した。今まで漠然と抱いてたT法に対するイメージとは異なる結果となった。
4.「潰し加工時の材料流動をT法で予測してみたい」((株)サンコー 井上貴裕)
プレス加工の材料流動量をT法で推定した事例を報告。
推定値が負の値をとってしまう問題に対して、目的変数を対数変換する等の手法を教えていただいた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年6月&7月)
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2022年7月19日 09時37分
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長野県品質工学研究会
2022年6月10日(金)に2022年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:13名(うち事務局2名))
以下に示す事例発表についてディスカッションした。また、会員各社の出張でのコロナ対応について、ざっくばらんにディスカッションした。
【事例発表】
「品質工学(パラメータ設計)のYHKとは」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
パラメータ設計で大切なYHKについて説明した。
Y:予備実験→各ノイズの影響度合いをチェック&繰り返しのバラツキをチェック
H:本実験(直交表実験)→各制御因子の効果をチェック&全ての2因子間の組合せをチェック
K:確認実験→要因効果図の信頼性をチェック
2022年6月10日(金)に品質工学導入講習会(出席者:19名(共催・事務局3名、講師3名含む))をオンライン(Zoom)にて開催した。
1 主催者あいさつ、品質工学の概要説明
2「パラメータ設計の基本的考え方」(有)増田技術事務所 増田雪也
3「MTシステムの基本的考え方」東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株) 中山博之
4「オンライン品質工学の考え方」信州大学 岩下幸廣
5「長野県品質工学研究会の紹介」長野県品質工学研究会事務局 児野武郎
6「品質工学本格導入のためのセミナー・講演会について」公益財団法人長野県産業振興機構 鈴島浩
2022年7月8日(金)に2022年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:13名(うち事務局2名))
以下に示す2つの事例発表および話題提供についてディスカッションした。
【事例発表&話題提供】
1.「UAVを用いた写真測量における機能性評価」(南信空撮 中西徹)
ドローン2機を使い、どちらの機体が写真測量に適しているのか機能性評価を行った。信号は対空標識の距離で、ノイズは撮影時の機体の進行方向と直角方向とし、ゼロ点比例のSNで比較した。
その結果、SN比が高い機体が判明し、飛行の進行方向に対し直角方向の計測精度が悪い事も判った。
今後は撮影条件のパラメータ設計を行い、更に測量精度が改善出来るか試してみたい。
2.「直交表実験結果の寄与率について」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
パラメータ設計を知らない人は、要因効果図を見ても分からないが、寄与率で見ると理解しやすいのではないかと考え、直交表実験結果の寄与率について相談した。
しかし、繰り返しの有無や直交表の種類によって、残差や交互作用の部分で考え方が複雑になる為、本日はペンディングとし、個別で相談することになった。
3.「グラフ描画における「お・も・て・な・し」」((有)増田技術事務所 増田雪也)
RQES2022Sの予稿集に掲載されたグラフを元に、「分かりやすいグラフを作成するにはどうしたらいいのか?」について紹介した。
「見る人の視点で「おもてなしの心」を持って作成することが重要である」や「エクセルの使い勝手の悪さも問題である」などの意見が出た。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年4月&5月)
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2022年5月23日 10時21分
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長野県品質工学研究会
2022年4月8日(木)に2022年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MT法の最適化(2)」 (信州大学 岩下幸廣)
MT法において、判別精度を上げるための方法を検討した。基準の逆行列を計算後、NGデータと基準のマハラノビス距離を比較して、@項目の重みづけを行う A相関行列の最適化を行う ことによって、判別精度を上げられることが分かった。項目数が多い場合Aでは変数が多くなるので、@の方が実用的と考える。前回発表の平均化法と今回の方法(最適化法)を組み合わせると、MT法の適用範囲が広がる事が期待できる。
2.「品質工学のおける遺伝的アルゴリズムの活用」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
遺伝的アルゴリズムを品質工学にどう活用するかについて検討した。MTシステムにおける項目選択や1Dシミュレーションにおけるパラメータ設計での活用が期待される。
2022年5月13日(金)に2022年度の総会および第1回研究会をオンライン(Webex)にて開催した。(参加者:15名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【総会】
令和3年度の事業報告および令和4年度の事業計画が承認された。本年度の会員数:17(正会員:11、特別会員:6)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「合同研究会」および「講演会」である。
【事例発表】
1.「信頼性試験データの解析方法〜機能性評価 vs t検定〜」 (シナノケンシ(株)辻希望)
信頼性試験データについて、現行品と代替品に於いて、比較評価する際、機能性評価とt検定のどちらを用いた方が合理的に評価出来るのか検証を行った。
今回のケースでは、多重検定に該当。t検定は適していない。
同じ値を使い続けると、棄却されやすくなってしまう。教科書にその旨の記載あり。
従って、今回だと、条件分のn数が必要であることが分かった。
また、望目特性ではなく、望大特性でも求めてみてはどうか?とか、データの信憑性の問題とか、今回のケースでは、SN比で評価するが一番良いのではないか?など、様々なアドバイスを頂くことが出来た。
2.「金属研削加工の職人技の標準化 〜職人VS素人のパラメータ設計〜」 ((株)サンコー 中村勇人)
見て覚えろ!技術は盗め!の世界である研削加工の標準化にパラメータ設計を活用した事例を報告した。
摩擦係数が小さくなる条件を良い研削条件と定義し、望小特性のSN比で評価。
得られた条件で入社1年目の社員に研削加工させたところ、研削面の摩擦係数が大きく改善し、研削加工歴25年の職人に勝利するまでに至った。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年2月&3月)
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2022年3月26日 09時13分
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長野県品質工学研究会
2022年2月10日(木)に2021年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:15名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学で直交表の実験をやると、なぜ確実にアウトプット(成果)が出るのだろうか?(第2報)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
L9直交表で使った場合、2因子間の組合せは1組しか出現しない。4つの制御因子の内、ある2因子間の組合せが「最適」で、残りの2因子間の組合せが「最悪」だった場合がたまたま同一行に出現すると、「最適」と「最悪」が打ち消しあってしまうことになる。しかし、L18直交表では、2因子間の組合せが2組出現するため、上記のような可能性は低くなる。よって、L9直交表よりはL18直交表のモアベターである。
2.「絞り加工に適したプレスモーションの選定」 ((株)サンコー 井上貴裕)
絞り加工を行う際のプレスモーションの最適化にパラメータ設計を活用した事例を報告。
絞り加工における板厚減少量が小さくなるモーションを良いモーションと定義し、望小特性のSN比で評価。得られた最適条件と現行条件で実際に加工を行い比較したところ板厚減少量に大きな改善が見られた。
2021年2月10日(木)、品質工学実践交流大会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した(参加者:23名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 兒玉光
2)品質工学の実践事例(3件)
「パラメータ設計による絞り加工に適したプレスモーションの選定」(株)サンコー 井上貴裕
「MTシステムを用いたボルトの緩み検出」長野県工業技術総合センター 古布諭
「RT法による文字認識」長野県工業技術総合センター 児野武郎
3)特別講演会「儲ける品質工学の活用 ~パラメータ設計や機能性評価、MT 法もあるけど、オンライン品質工学も忘れずに~」YKK(株)テクノロジーイノベーションセンター 技術戦略推進室 畠山鎮
2022年3月11日(金)に2021年度の第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下に示す6つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学で直交表の実験をやると、なぜ確実にアウトプット(成果)が出るのだろうか?【第1報の修正版】」((有)増田技術事務所 増田雪也)
以前に報告した内容について訂正箇所が見つかったため、訂正箇所とその理由を説明した。
2.「効率良く交互作用を見つける!そして利用する!(交互作用を敵視するのはヤメヨウ!)」((有)増田技術事務所 増田雪也)
「制御因子間の交互作用の大小関係」と「直交表と一因子実験の比較」について検証した。その結果、直交表は、制御因子間の交互作用の大小に関係なく、2因子間の最適な組合せが求まる。一方、一因子実験では、交互作用が大きい場合は最適な組合せが求まらない。
3.「MT法の最適化(1)」(信州大学 岩下幸廣)
画像処理データのMT法解析において、基準データで同じ数字だけの項目や多重共線性などのために計算が出来ないことがある。そこでエリアでの平均化、重心処理などのよって判別精度を上げられないか、数字やひらがなの画像を例に、処理方法を検討した。
4.「生産マシンの不具合改善」(伊藤哲也)
生産機の不具合検出に、MT法が活用できないか検討を実施。
データ処理をした結果、今回検討に使用した評価特性・方法では、判別が難しい事が分かった。
また、基準の評価が出来ていなかった為、評価方法の指導をして頂いた。
今後の活動として、評価方法の見直しを行い再評価と、基準評価方法について学習を行い知見を深める。
5.「T法でも区間推定できるもん 〜ベイズ+MCMC法〜」(長野県工業技術総合センター 古布諭)
T法で得られる予測結果は、通常点推定となる。そこで、T法の計算式に、ベイズ統計とMCMC法を用いることで、予測結果が区間推定(信用区間)となることを確認した。
6.「品質工学(社内勉強会)」(日本電産(株) 塚本ちさと)
社内勉強会で品質工学を知って頂くための資料を見て頂き、皆様からアドバイスを頂きました。
2022年3月18日(金)、4県品質工学合同研究会をオンライン(主催は埼玉)にて開催した。(オンライン参加者:確認中)
合同研究会とは、品質工学フォーラム埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、山梨県品質工学研究会(山梨)、長野県品質工学研究会(長野)の合計4地区の地方研究会が、年1回各研究会持ち回りで開催しているイベントである。今回の合同研究会の内容については、品質工学フォーラム埼玉(https://ameblo.jp/qef-saitama/)から詳しい内容の報告があると思うが、「事例研究」や「フリー討論(研究会の活性化策など)」など非常に充実した内容であった。なお、2022年は山梨、2023年は長野での開催を予定している。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年12月&2022年1月)
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2022年1月19日 09時34分
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長野県品質工学研究会
2021年12月10日(金)に2021年度の第8回研究会をオンライン(Webex)にて開催した(参加者:9名+事務局2名、見学1名)。
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「安全係数についての考察」 (信州大学 岩下幸廣)
完全係数の計算値は部品メーカーの立場では実感より大きすぎるように感じる。部品損失が部品σに対して望大特性を示すと考え、オンライン品質工学の最適化手法を使うと、実感に合った結果が得られた。
2.「絞り加工に適したプレスモーションの選定」 ((株)サンコー 井上貴裕)
絞り加工を行う際のプレスモーションの最適化にパラメータ設計を活用した事例を報告した。
今回は製品寸法の一部を特性値として評価したが、その他の製品寸法を同時に評価する方法について、いくつかアドバイスをいただいた。
また、事前の誤差因子の検討が不十分であり、再現性が得られない可能性があるという指摘をいただいた。
3.「MT法の波形解析における標本線を最適化する方法」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
標本線を最適化する方法としては、2水準系の直交表に「採用する/しない」を割り付けて解析を行うのがベーシックな方法である。しかし、水準間に交互作用が大きい場合では、信頼度の高い結果を得ることができないという問題がある。GA法で標本線を最適化した場合は、水準間に交互さようが大きい場合でも、最適に近い結果を得ることが可能であるというメリットがある。
また、望大特性のSN比を用いて2水準系の直交表で評価する場合の問題点も指摘した。
2021年1月14日(金)に2021年度の第9回研究会をオンライン(Webex)にて開催した(参加者:10名+事務局2名)。
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「誤圧での最適化について」 (信州大学 岩下幸廣)
MT法の計算で逆行列の要素が大きな値になって計算できなくなることがある。一方、誤圧での計算は同様の問題は起きないが、MT法より判別精度が悪い。誤圧計算で各項目の重みづけを行い、NG品のデータを使って重みの値を最適化することによって、判別精度を上げることができる。また、項目の重要性もわかる。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年10月&11月)
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2021年11月25日 13時25分
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長野県品質工学研究会
2021年10月8日(金)に2021年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:1名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「感染シミュレーションの方法」 (信州大学 岩下幸廣)
新型コロナウィルスの感染予測シミュレーション方法の検討内容と結果を報告した。ロジスティックモデルでほぼ感染状況の説明ができ、予測も可能であるので、事前対策に役立つだけでなく、安心感も得られる。また、同モデルは商品寿命の予測にも活用できる。
2.「金型潤滑のパラメータ設計」(株式会社サンコー 中増光宏)
プレス加工の金型で加工油を効果的に潤滑させる構造を、加工荷重を特性値としたパラメータ設計で検討したが、納得できる結果が得られなかったことを報告した。会員から、制御因子の一部再検討、誤差因子に金型摩耗状態を追加すべき、など多数の意見が出た。これらを参考に再実験を計画する。
2021年11月12日(金)に2021年度の第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:1名+事務局2名、オンライン参加者:8名)特別講演および以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「直交表 VS 総当たり(直交表で総当たりに近い結果が得られるのか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学シミュレータを用いて、L18直交表の結果と総当たり(4374通り)の結果を比較した。利得の再現性が良好(制御因子間の交互作用が小)な時は、要因効果図から得られた最適条件は、総当たりのmax値と同じような結果となった。また、L18直交表の中の一番良い条件(暫定最適条件と呼称する)は、最適条件には劣るものの、比較的良い条件が得られることが分かった。
2.「MT法、標準化誤圧法、RT法の比較 − RT法の使い方の注意点 −」 (KOA(株) 守谷敏)
RT法は@サンプル数≦項目数の場合でも計算ができる、A項目データをβ、1/√ηに集約する、B分散・共分散行列の余因子行列を使うが、2×2なので計算が簡単、といった特徴がある。
ところが、問題点として@全ての項目の単位が揃っているか無次元数でなければならない、A大きな絶対値をとる項目があれば、その項目により判定結果がほぼ決まる、B微小な値しかとらない項目は、判定結果にほとんど寄与しない、などがあり、これらを理解して使わなければならない。
問題点を避けるにはデータの基準化が必要になるが、通常の基準化では平均が0になるため、β、1/√ηを計算することができない。そのため基準化にメジアンや範囲を使う方法があり、問題点が基準化で回避できるかを事例で確かめてみた。
併せて標準化誤圧法も取り上げた。
3.「圧力分布センサを使った体重の推定」 (タカノ(株) 中原健司)
寝たきりの人の体重を容易に知ることができる方法として、圧力分布センサを使った体重推定を検討している。目的変数である体重の違う5人に寝てもらい、体重を圧力と面積で換算したところ、マットレスの硬さ、姿勢、時間経過によって誤差が発生し、推定精度がよくなかった。そこで、重回帰分析とT法で推定式を作り、推定精度がどう違うか検討した。まだ、十分な精度が出ておらず、実験方法も含め継続検討とする。
【特別講演】
「MT法における重心抽出範囲の最適化 -SignalCatcherデモ-」(田中精密工業(株) 石澤剛士)
重心法の重心抽出範囲を遺伝的アルゴリズムで計算することにより、抽出範囲を短時間で最適化できるようになった。
本機能は、MT法・T法計算ソフトSignalCatcherに追加予定である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年8月&9月)
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2021年9月22日 09時54分
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長野県品質工学研究会
2021年8月10日(火)に2021年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:2名+事務局2名、オンライン参加者:5名)
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学で直交表の実験をやると、なぜ確実にアウトプット(成果)が出るのだろうか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学で直交表を使うと、なぜか確実にアウトプット(成果)が出る。例えば、2因子間の組合せで、最適な組合せ【B3・D2】があったとすると、その組合せを発見できる確率は、直交表の実験では100%、1因子実験では33.3% 56%である。直交表は全ての2因子間の組合せを網羅しているので、漏れ無く実験ができるメリットがあるのだ。また、実験回数を比較すると、1因子実験より直交表実験の方が実験回数が少ないというメリットもある。
2021年9月10日(金)に2021年度の第5回研究会をオンライン(Webex)にて開催した。(オンライン参加者:12名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MT法はパターン認識である」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
趣味の「ヒスイ拾い」を題材にして、「MT法で重要なのは、より賢い単位空間を作ることである」ということを説明した。MT法はパターン認識なので、そのパターンが現れるようなデータを取ることが重要である。
2.「損失関数による技術開発の最適化」 (信州大学 岩下幸廣)
技術活動についてオンライン品質工学の視点から把握することによって、課題や今後の見通しが得やすくなる。歩留の最適化、技術変化、適用商品の最適技術等を例に事例発表を行い、内容の検討を行った。
3.「RT法による手書き文字認識」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
初心者へのRT法紹介のため、手書き文字認識をエクセルマクロで行う事例を紹介した。
また、RT法では項目をY1Y2の2項目に縮約した後、分散共分散行列の余因子行列を求めるが、これを相関係数行列の逆行列に置き換えても判別精度にはほとんど影響しなかったことも報告した。
会員からは、文字の大きさや位置が変わると判別精度が悪くなるので、ドットデータの重心や数も項目に入れたらどうか、などの意見が出た。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年6月&7月)
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2021年7月19日 12時21分
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長野県品質工学研究会
2021年6月4日(金)に2021年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:7名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「L18直交表の半分実施の問題点は?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
L18直交表を半分実施した時点で作成した要因効果図の真偽について紹介した。全行(18行分)実施した要因効果図と比較すると、傾向が一致する制御因子もあるが、そうでない制御因子もある。よって、あくまでも目安として見る分には良いが、全行をやり切ることが大切である。
2.「オンラインQE適用事例の紹介」 (信州大学 岩下幸廣)
技術開発の検討過程についてオンライン品質工学を適用して考察した。成果があがりにくい開発初期段階の課題と、開発を終了する時期の判断が把握でき、開発の効率化や開発マネージメントの方向付けの検討が可能となる。
2021年7月9日(金)に2021年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:8名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「重心を使った画像判定事例」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
画像処理にMT法を適用する為の特徴化として重心を検討した。画像のピクセル行(列)毎に重心を求めめグラフ化したところ、正常品と異常品では、細かい画像の違いまで、重心波形に違いが見られた。この重心波形に対して標本線や基本統計量等を使って更に特徴化すれば、画像判別に用いる事が出来ると考える。
2.「MT法によるボルトの緩みの推移検知」 (長野県工業技術総合センター 古布諭)
振動によるボルトの緩みの推移を検出するため、加速度センサを用いて、取得される加速度データをMT法で解析することにより、ボルトの緩みの推移を異常度の推移として確認できるか検討した。
3.「圧力分布センサを使った体重推定に関する相談(T法)」(タカノ(株) 中原健司)
内容は会社都合により非公開
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年4月&5月)
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2021年5月21日 08時23分
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長野県品質工学研究会
2021年4月15日(木)に2020年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:4名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「制御因子間の交互作用について(我々は何故「制御因子間の交互作用の大小」を根拠とした説明を信じてしまったのか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
関西品質工学研究会の芝野氏の講演をきっかけに、交互作用について研究会で議論することになった。その叩き台として、増田が資料を作成し、ディスカッションした。制御因子間の交互作用とは何か?なぜ交互作用が大きいと悪なのか?本当に悪なのか?を議論した。ノイズの話と制御因子のスケールアップの話を別々に考えることで、品質工学における上流と下流の考え方の真相が見えてきた。スケールアップするのではなく、スケールインすることで、テストピースの結果を実機に反映できることが分かってきた。また、「テストピース」という言葉の定義を明確にしないと、誤解を生じさせることになるので、これも気を付けなければならない。
2.「相談:T法で交互作用の検証ができるのか?」 (日置電機(株) 兒玉光)
従来、品質工学では直交実験の結果から要因効果図を作成し、再現実験をおこなったうえで利得の確認をおこなう。
その際に、利得が再現せずに最適解をあきらめるようなケースでは、実際に行った実験結果以外の最適解の探索を断念することになる。
一方、重回帰分析等の分野においては、比較的簡単に交互作用を検出する工夫が行われている。
今回以下の提案をおこない、意見をいただいた。
@T法においても交互作用項を設けて交互作用の検出ができないか?
A@が可能である場合、直交実験結果をT法で解析することで、
交互作用項を含めた要因効果図を作成することができないか?
2021年5月14日(金)に2021年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:13名)
【総会】
令和2年度の事業報告および令和3年度の事業計画が承認された。本年度の会員数:15(正会員:10、特別会員:5)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「合同研究会」および「講演会」である。
【事例発表】
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
1.「SN比の利得が再現しなかったとき...」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
QES2006で発表した「直動滑り摩擦における摺動特性の研究」では、クーロンの法則を機能と考えた評価を行った。簡単な実験装置を用いて
荷重を入力とし消費電力を特性値として評価したが、SN比の利得は再現しなかった。
3年後のQES2009にて、実験装置は物の移送システムであると考え直して入力を移送距離に変えて解析をやり直し、SN比の利得が再現したことを報告した。
最初の研究ではシステムの機能を評価せず、摩擦・摩耗という弊害項目の評価であった。
実験が上手くいかなかったとき、機能を考え直すことが大切である。
研究論文は学会誌に掲載されているので参照願う。
「平行すべりしゅう動面におけるしゅう動特性評価方法の研究」品質工学 Vol.18,No.2,(2010),pp79-87
2.「パラメータ設計事例(仮)」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
パラメータ設計のチューニング方法について確認実験により利得の再現性が良かった場合、2ndステップとして感度のチューニングを行うが、4,374通り全てのSN比、感度を推定し散布図にすると、選択した最適条件の立ち位置が明確になる。特に品質工学に触れていない技術者への説明には説得力が有ると感じた。
3.「樹脂収縮率を最小とする射出成形機の制御因子間交互作用について」 ((株)サンコー 井上貴裕)
樹脂成形の成形収縮率に対する成形条件の影響を調査することを目的としてパラメータ設計を行ったところ、現行条件より良い条件を発見することはできたが利得の再現性は得られない結果となった。発表後のディスカッションでは様々な指摘をいただいた。樹脂の成形は様々な要素が影響し合っているため、制御因子間に交互作用があること。水準は機械の設定値を使用しているが、実際の加工では設定値通りになっていないため、実測値を使用するのが望ましいこと、など。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年2月&3月)
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2021年3月26日 09時26分
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長野県品質工学研究会
2021年2月7日(日)、4県品質工学合同研究会をオンライン(主催は北陸)にて開催した。(オンライン参加者:38名)
合同研究会とは、QEF埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、山梨県品質工学研究会(山梨)、長野県品質工学研究会(長野)の合計4地区の地方研究会が、年1回各研究会持ち回りで開催しているイベントである。今回の合同研究会の内容については、北陸品質工学研究会から詳しい内容の報告があると思うが、「事例研究」や「フリー討論(研究会の活性化策など)」など非常に充実した内容であった。なお、2021年は埼玉、2022年は山梨での開催を予定している。
2021年2月10日(水)に2020年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:2名+事務局2名、オンライン参加者:8名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「パラメータ設計によるプレス成形シミュレーションの精度向上」 ((株)サンコー 中増光宏)
静特性のパラメータ設計で、プレス成形CAEシミュレーションソフトの形状予測精度を向上させる試みについて事例発表を実施。シミュレーションの結果に影響するソフト上の変数項目を制御因子とし、実機とシミュレーションの乖離計測ポイントを誤差因子とした。計測ポイントはプレス加工後の外周形状全体を網羅するよう、等間隔でXまたはYどちらか一方を座標指定し、もう一方を計測値とした。
特性値となる乖離量は負の値を取らない距離として考え、望小特性のSN比で評価した。最適条件によるシミュレーション結果は、現行条件より実機に近い形状が得られ、利得の再現性も十分であった。
今回は望小特性で評価したが、実機に対するシミュレーション結果の大小を考慮し、ゼロ望目特性で評価すべきかもしれないという指摘をいただいた。
2.「動特性計算の考察」 (信州大学 岩下幸廣)
0点比例動特性でのη、Sの簡便な計算方法を検討した。まず、データそれぞれのβを計算し、βの平均値と標準偏差からη、Sを計算した。事例への適用でも通常の計算方法とほぼ同じ結果が得られた。
2021年2月10日(水)、品質工学実践交流大会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した(参加者:38名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中西徹
2)品質工学の実践事例(3件)
「パラメータ設計によるプレス成形シミュレーションの精度向上」(株)サンコー 中増光宏
「ねじ緩みの不具合に対する機能性評価の適用」日置電機(株) 兒玉光
「MT 法を使った波形判別」日本電産サンキョー(株) 中西徹
3)特別講演会「品質工学の魅力 ~基礎から応用まで~」TM実践塾 芝野広志
2021年3月12日(金)に2020年度の第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:1名+事務局2名、オンライン参加者:12名)
以下に示す特別講演および2つの事例発表についてディスカッションした。
【特別講演】
「MT法を用いたトリミング異常検知の単位空間自動作成手法」 (田中精密工業(株) 寺井太朗)
MT法を用いて波形を解析する際、標本線の位置の設定が重要となる。その設定方法として遺伝的アルゴリズムを活用した結果、判別精度を向上できる最適な位置を求めることができるようになった。これにより、従来は試行錯誤で長時間を要していた作業が、短時間かつ現場の作業者でも解析できるようになった。
【事例発表】
1.「プレス金型の予知保全」 ((株)サンコー 井上貴裕)
板金プレスの連続穴あけ加工でMT法による金型の予知保全を試みた。加工開始からの100ショットで単位空間を作成し、破損前のMD値変化で破損の予兆を検知する。ひずみ波形と時間軸との間にできる形状の面積と重心、またひずみの最大値最小値など、全14項目を計算に使用した。金型が破損するまでの加工データが4回分あり、これらでMD値の推移を確認したところ、それぞれで異なる傾向が見られた。そこで項目選択を静特性のパラメータ設計で考え、制御因子は上記14項目、水準は項目使用の可否、誤差因子は4回の加工、評価特性は破損前100ショットのMD平均値とし、望大特性のSN比で解析した。その結果SN比は向上し、利得の再現性も良かったが、加工データ毎の傾向の違いに変化は無かった。発表後のディスカッションで様々なアドバイスをいただいたが、現時点ではプレス加工自体が安定しておらず、これを改善することが先決と考えている。
2.「サンコー様のデータを用いた田中精密工業様ソフトのデモ」 (田中精密工業(株) 石澤剛士)
プレス金型の予知保全において、金型の振動波形をMT法を用いて判別解析した。この振動波形を田中精密工業製のMT法ソフトで解析した結果、標本線を遺伝的アルゴリズムで最適したことにより、判別精度を大きく向上させることができた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年11月&2021年1月)
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2021年1月21日 10時03分
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長野県品質工学研究会
2020年12月11日(金)に2020年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「プレス成形CAEの精度向上」((株)サンコー 中増光宏)
パラメータ設計を用いて、プレス成形後形状のCAE予測精度を向上させようと試みた。CAEの結果に影響を与えるであろう項目を制御因子、測定箇所を誤差因子と考え、実機とCAEの乖離量を望小特性のSN比として評価した。最適条件SN比は現行条件SN比と比較し十分な向上が得られた。また実際の外形線比較でも現行条件より実機に近いと体感できる結果が得られた。パラメータ設計はCAE予測精度を効率的に向上させる手段としても有効と考えられる。
2.「ねじ脱落不具合の原因調査と対策確認への『実験計画法』『機能性評価』の活用」(日置電機(株) 兒玉光)
ねじ脱落不具合の事例をもちいて、原因調査の段階から、対策効果の確認の機能性評価を意識して実験を計画することで、原因調査から対策効果をスムーズに実施できるのではないかという提案をおこなった。
発表後のディスカッションでは、実験方法の指摘や、因子の扱い方などについてアドバイスをいただいた。
2021年1月8日(金)に2020年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:8名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MTシステムと市販AIソフトの予測比較」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
内容は会社都合により省略
2.「ねじ緩みの不具合に対する機能性評価の適用」(日置電機(株) 兒玉光)
2021年2月10日に開催される品質工学実践交流大会にて発表する内容についてアドバイスをいただいた。
機能性評価についての用語の定義、評価方法や、直交表の使い方についてなど、多くの助言をいただく事ができ、私自身機能性評価を理解する大変良い機会となった。
3.「はんだ付け装置の条件設定」 ((株)JVCケンウッド長野)
@はんだ付け条件
はんだ付け温度について、L18の直交表を使用し装置条件を変えて測定した。
結果、影響が大きい装置パラメータがわかった。
Aブリッジ低減条件
ブリッジが発生しづらい条件をL18の直交表を使用し良品率で確認した。
結果、速度や移動量など最適な装置パラメータがわかった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年10月&11月)
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2020年11月23日 08時34分
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長野県品質工学研究会
2020年10月9日(金)に2020年度の総会および第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
【総会】
2020度の事業報告および2019年度の事業計画が承認された。今年度は会費徴収をしないこと、ウェブ会議用にウェブカメラを購入することなどが決議された。
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「オンラインQEの決定分析への適用」 (信州大学 岩下幸廣)
多数の案から最適案を選択する場合、従来はKT法などが使用されています。決定分析にOn-Line品質工学の考え方を適用して最適案を検討する方法を提案し、コロナウィルス対策などを例に参加者で議論した。
2020年11月13日(金)に2020年度の第7回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Zoom)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:5名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「技術プレゼンのコツ」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
分かりやすい技術プレゼンを作成するコツについて説明した。頭の中にマイクロクエスチョンを発生させないような工夫が必要である。
2.「品質工学相談窓口設置について」 (日置電機(株) 兒玉光)
社内で実施している品質工学支援活動について、以下の取組を紹介し、内容についてアドバイスをいただいた。
@「品質工学WEBページ」のリニューアル
A「品質工学を用いた設計最適化支援活動」の概要
B初学者向けに作成した「品質工学説明資料」の紹介
3.「プレス成形解析の最適化」 ((株)サンコー 中増光宏)
プレス成形解析ソフトは各種設定数値によって解析結果を変化させることができる。これまで解析結果を実機に近づけるよう数値調整を繰り返してきたが、どのプレス製品にも最適となるような選択をしているとは言えない。そこで解析対象のプレス製品をノイズとして、ロバストな設定をすることを考えた。発表後には、出力の定義方法や、望小特性とゼロ望目特性どちらのSN比で考えるべきか、など意見交換を実施。この内容を参考に実験に臨む。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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