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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年6月&7月)
長野県品質工学研究会
 2023年6月2日(金)に2023年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:18名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「要因効果図を使って「バラツキ」と「平均値」をコントロールする(要因効果図の4つのパターン)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
SN比と感度(平均値)の要因効果図を4つのパターンに分けて、制御因子の水準を変更すると、バラツキと平均値がどのように変化するかをアニメーションで説明した。
2.「1因子実験でも交互作用の大小のチェックが可能か?(確認実験すれば交互作用をチェック出来る!でも…)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
1因子実験においても、確認実験をすることで制御因子間の交互作用をチェックすることが可能である。交互作用が小さい場合は、1因子実験と直交表実験の差は無い。しかし、交互作用が大きい場合は、直交表実験の方が(2因子間の交互作用を含んだ)「最適条件」または「それに近い条件」が求まるというメリットがある。
3.「品質の評価(2)−SN比の歴史」(常田聡)
SN比が最初に登場した1952年から、現代のSN比のベースとなった1970年代までどのように進化してきたかを報告した。
いわゆるオメガ変換を用いた電話の明瞭度からはじまって、通信のSN比を応用して求める方法や品質の比較方法、直交多項式展開を用いた測定法における一次校正のSN比などについて紹介した。
いずれも対数を取る前の値が『分散比』であることがわかり、SN比の本質を理解するのに役立ったと感じた。
次は1980年代以降、現代に至るまでのSN比について調べてまとめたい。

 2023年7月14日(金)に2023年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
「パラメータ設計での推定式の活用」 (顧問 岩下幸廣)
パラメータ設計において、T法で推定式を作成し、損失関数を使って最適化を行うことを検討した。その結果、目的に対応した最適条件が得られるだけでなく、T法の特徴も生かせることが分かった。また、複数の品質特性データからモグラたたきではない最適条件を決定できることも分かった。
【特別講演】
「SignalCatcherの紹介と使い方」((株)タナカエンジニアリング 石澤剛士)
MTシステム(MT法・T法)のソフト「SignalCatcher」の紹介と使い方の説明を紹介していただいた。
研究会会員の事例を実際にMT法にて解析し、判別可能であることが示された。
波形解析について、標本線および重心法による特徴化と解析のやり方について、詳細なレクチャーを受けた。
有料版のソフトであるが、研究会の会員はデモ機を無料で使うことが出来るため、今後のMT法の発表事例が増えるのではと期待している。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)

 
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