長野県品質工学研究会の活動報告(2021年8月&9月)
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2021年9月22日 09時54分
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長野県品質工学研究会
2021年8月10日(火)に2021年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:2名+事務局2名、オンライン参加者:5名)
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学で直交表の実験をやると、なぜ確実にアウトプット(成果)が出るのだろうか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学で直交表を使うと、なぜか確実にアウトプット(成果)が出る。例えば、2因子間の組合せで、最適な組合せ【B3・D2】があったとすると、その組合せを発見できる確率は、直交表の実験では100%、1因子実験では33.3% 56%である。直交表は全ての2因子間の組合せを網羅しているので、漏れ無く実験ができるメリットがあるのだ。また、実験回数を比較すると、1因子実験より直交表実験の方が実験回数が少ないというメリットもある。
2021年9月10日(金)に2021年度の第5回研究会をオンライン(Webex)にて開催した。(オンライン参加者:12名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MT法はパターン認識である」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
趣味の「ヒスイ拾い」を題材にして、「MT法で重要なのは、より賢い単位空間を作ることである」ということを説明した。MT法はパターン認識なので、そのパターンが現れるようなデータを取ることが重要である。
2.「損失関数による技術開発の最適化」 (信州大学 岩下幸廣)
技術活動についてオンライン品質工学の視点から把握することによって、課題や今後の見通しが得やすくなる。歩留の最適化、技術変化、適用商品の最適技術等を例に事例発表を行い、内容の検討を行った。
3.「RT法による手書き文字認識」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
初心者へのRT法紹介のため、手書き文字認識をエクセルマクロで行う事例を紹介した。
また、RT法では項目をY1Y2の2項目に縮約した後、分散共分散行列の余因子行列を求めるが、これを相関係数行列の逆行列に置き換えても判別精度にはほとんど影響しなかったことも報告した。
会員からは、文字の大きさや位置が変わると判別精度が悪くなるので、ドットデータの重心や数も項目に入れたらどうか、などの意見が出た。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年6月&7月)
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2021年7月19日 12時21分
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長野県品質工学研究会
2021年6月4日(金)に2021年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:7名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「L18直交表の半分実施の問題点は?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
L18直交表を半分実施した時点で作成した要因効果図の真偽について紹介した。全行(18行分)実施した要因効果図と比較すると、傾向が一致する制御因子もあるが、そうでない制御因子もある。よって、あくまでも目安として見る分には良いが、全行をやり切ることが大切である。
2.「オンラインQE適用事例の紹介」 (信州大学 岩下幸廣)
技術開発の検討過程についてオンライン品質工学を適用して考察した。成果があがりにくい開発初期段階の課題と、開発を終了する時期の判断が把握でき、開発の効率化や開発マネージメントの方向付けの検討が可能となる。
2021年7月9日(金)に2021年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:8名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「重心を使った画像判定事例」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
画像処理にMT法を適用する為の特徴化として重心を検討した。画像のピクセル行(列)毎に重心を求めめグラフ化したところ、正常品と異常品では、細かい画像の違いまで、重心波形に違いが見られた。この重心波形に対して標本線や基本統計量等を使って更に特徴化すれば、画像判別に用いる事が出来ると考える。
2.「MT法によるボルトの緩みの推移検知」 (長野県工業技術総合センター 古布諭)
振動によるボルトの緩みの推移を検出するため、加速度センサを用いて、取得される加速度データをMT法で解析することにより、ボルトの緩みの推移を異常度の推移として確認できるか検討した。
3.「圧力分布センサを使った体重推定に関する相談(T法)」(タカノ(株) 中原健司)
内容は会社都合により非公開
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年4月&5月)
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2021年5月21日 08時23分
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長野県品質工学研究会
2021年4月15日(木)に2020年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:4名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「制御因子間の交互作用について(我々は何故「制御因子間の交互作用の大小」を根拠とした説明を信じてしまったのか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
関西品質工学研究会の芝野氏の講演をきっかけに、交互作用について研究会で議論することになった。その叩き台として、増田が資料を作成し、ディスカッションした。制御因子間の交互作用とは何か?なぜ交互作用が大きいと悪なのか?本当に悪なのか?を議論した。ノイズの話と制御因子のスケールアップの話を別々に考えることで、品質工学における上流と下流の考え方の真相が見えてきた。スケールアップするのではなく、スケールインすることで、テストピースの結果を実機に反映できることが分かってきた。また、「テストピース」という言葉の定義を明確にしないと、誤解を生じさせることになるので、これも気を付けなければならない。
2.「相談:T法で交互作用の検証ができるのか?」 (日置電機(株) 兒玉光)
従来、品質工学では直交実験の結果から要因効果図を作成し、再現実験をおこなったうえで利得の確認をおこなう。
その際に、利得が再現せずに最適解をあきらめるようなケースでは、実際に行った実験結果以外の最適解の探索を断念することになる。
一方、重回帰分析等の分野においては、比較的簡単に交互作用を検出する工夫が行われている。
今回以下の提案をおこない、意見をいただいた。
@T法においても交互作用項を設けて交互作用の検出ができないか?
A@が可能である場合、直交実験結果をT法で解析することで、
交互作用項を含めた要因効果図を作成することができないか?
2021年5月14日(金)に2021年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:13名)
【総会】
令和2年度の事業報告および令和3年度の事業計画が承認された。本年度の会員数:15(正会員:10、特別会員:5)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「合同研究会」および「講演会」である。
【事例発表】
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
1.「SN比の利得が再現しなかったとき...」 (日精樹脂工業(株) 常田聡)
QES2006で発表した「直動滑り摩擦における摺動特性の研究」では、クーロンの法則を機能と考えた評価を行った。簡単な実験装置を用いて
荷重を入力とし消費電力を特性値として評価したが、SN比の利得は再現しなかった。
3年後のQES2009にて、実験装置は物の移送システムであると考え直して入力を移送距離に変えて解析をやり直し、SN比の利得が再現したことを報告した。
最初の研究ではシステムの機能を評価せず、摩擦・摩耗という弊害項目の評価であった。
実験が上手くいかなかったとき、機能を考え直すことが大切である。
研究論文は学会誌に掲載されているので参照願う。
「平行すべりしゅう動面におけるしゅう動特性評価方法の研究」品質工学 Vol.18,No.2,(2010),pp79-87
2.「パラメータ設計事例(仮)」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
パラメータ設計のチューニング方法について確認実験により利得の再現性が良かった場合、2ndステップとして感度のチューニングを行うが、4,374通り全てのSN比、感度を推定し散布図にすると、選択した最適条件の立ち位置が明確になる。特に品質工学に触れていない技術者への説明には説得力が有ると感じた。
3.「樹脂収縮率を最小とする射出成形機の制御因子間交互作用について」 ((株)サンコー 井上貴裕)
樹脂成形の成形収縮率に対する成形条件の影響を調査することを目的としてパラメータ設計を行ったところ、現行条件より良い条件を発見することはできたが利得の再現性は得られない結果となった。発表後のディスカッションでは様々な指摘をいただいた。樹脂の成形は様々な要素が影響し合っているため、制御因子間に交互作用があること。水準は機械の設定値を使用しているが、実際の加工では設定値通りになっていないため、実測値を使用するのが望ましいこと、など。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年2月&3月)
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2021年3月26日 09時26分
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長野県品質工学研究会
2021年2月7日(日)、4県品質工学合同研究会をオンライン(主催は北陸)にて開催した。(オンライン参加者:38名)
合同研究会とは、QEF埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、山梨県品質工学研究会(山梨)、長野県品質工学研究会(長野)の合計4地区の地方研究会が、年1回各研究会持ち回りで開催しているイベントである。今回の合同研究会の内容については、北陸品質工学研究会から詳しい内容の報告があると思うが、「事例研究」や「フリー討論(研究会の活性化策など)」など非常に充実した内容であった。なお、2021年は埼玉、2022年は山梨での開催を予定している。
2021年2月10日(水)に2020年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:2名+事務局2名、オンライン参加者:8名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「パラメータ設計によるプレス成形シミュレーションの精度向上」 ((株)サンコー 中増光宏)
静特性のパラメータ設計で、プレス成形CAEシミュレーションソフトの形状予測精度を向上させる試みについて事例発表を実施。シミュレーションの結果に影響するソフト上の変数項目を制御因子とし、実機とシミュレーションの乖離計測ポイントを誤差因子とした。計測ポイントはプレス加工後の外周形状全体を網羅するよう、等間隔でXまたはYどちらか一方を座標指定し、もう一方を計測値とした。
特性値となる乖離量は負の値を取らない距離として考え、望小特性のSN比で評価した。最適条件によるシミュレーション結果は、現行条件より実機に近い形状が得られ、利得の再現性も十分であった。
今回は望小特性で評価したが、実機に対するシミュレーション結果の大小を考慮し、ゼロ望目特性で評価すべきかもしれないという指摘をいただいた。
2.「動特性計算の考察」 (信州大学 岩下幸廣)
0点比例動特性でのη、Sの簡便な計算方法を検討した。まず、データそれぞれのβを計算し、βの平均値と標準偏差からη、Sを計算した。事例への適用でも通常の計算方法とほぼ同じ結果が得られた。
2021年2月10日(水)、品質工学実践交流大会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した(参加者:38名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中西徹
2)品質工学の実践事例(3件)
「パラメータ設計によるプレス成形シミュレーションの精度向上」(株)サンコー 中増光宏
「ねじ緩みの不具合に対する機能性評価の適用」日置電機(株) 兒玉光
「MT 法を使った波形判別」日本電産サンキョー(株) 中西徹
3)特別講演会「品質工学の魅力 ~基礎から応用まで~」TM実践塾 芝野広志
2021年3月12日(金)に2020年度の第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:1名+事務局2名、オンライン参加者:12名)
以下に示す特別講演および2つの事例発表についてディスカッションした。
【特別講演】
「MT法を用いたトリミング異常検知の単位空間自動作成手法」 (田中精密工業(株) 寺井太朗)
MT法を用いて波形を解析する際、標本線の位置の設定が重要となる。その設定方法として遺伝的アルゴリズムを活用した結果、判別精度を向上できる最適な位置を求めることができるようになった。これにより、従来は試行錯誤で長時間を要していた作業が、短時間かつ現場の作業者でも解析できるようになった。
【事例発表】
1.「プレス金型の予知保全」 ((株)サンコー 井上貴裕)
板金プレスの連続穴あけ加工でMT法による金型の予知保全を試みた。加工開始からの100ショットで単位空間を作成し、破損前のMD値変化で破損の予兆を検知する。ひずみ波形と時間軸との間にできる形状の面積と重心、またひずみの最大値最小値など、全14項目を計算に使用した。金型が破損するまでの加工データが4回分あり、これらでMD値の推移を確認したところ、それぞれで異なる傾向が見られた。そこで項目選択を静特性のパラメータ設計で考え、制御因子は上記14項目、水準は項目使用の可否、誤差因子は4回の加工、評価特性は破損前100ショットのMD平均値とし、望大特性のSN比で解析した。その結果SN比は向上し、利得の再現性も良かったが、加工データ毎の傾向の違いに変化は無かった。発表後のディスカッションで様々なアドバイスをいただいたが、現時点ではプレス加工自体が安定しておらず、これを改善することが先決と考えている。
2.「サンコー様のデータを用いた田中精密工業様ソフトのデモ」 (田中精密工業(株) 石澤剛士)
プレス金型の予知保全において、金型の振動波形をMT法を用いて判別解析した。この振動波形を田中精密工業製のMT法ソフトで解析した結果、標本線を遺伝的アルゴリズムで最適したことにより、判別精度を大きく向上させることができた。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年11月&2021年1月)
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2021年1月21日 10時03分
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長野県品質工学研究会
2020年12月11日(金)に2020年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「プレス成形CAEの精度向上」((株)サンコー 中増光宏)
パラメータ設計を用いて、プレス成形後形状のCAE予測精度を向上させようと試みた。CAEの結果に影響を与えるであろう項目を制御因子、測定箇所を誤差因子と考え、実機とCAEの乖離量を望小特性のSN比として評価した。最適条件SN比は現行条件SN比と比較し十分な向上が得られた。また実際の外形線比較でも現行条件より実機に近いと体感できる結果が得られた。パラメータ設計はCAE予測精度を効率的に向上させる手段としても有効と考えられる。
2.「ねじ脱落不具合の原因調査と対策確認への『実験計画法』『機能性評価』の活用」(日置電機(株) 兒玉光)
ねじ脱落不具合の事例をもちいて、原因調査の段階から、対策効果の確認の機能性評価を意識して実験を計画することで、原因調査から対策効果をスムーズに実施できるのではないかという提案をおこなった。
発表後のディスカッションでは、実験方法の指摘や、因子の扱い方などについてアドバイスをいただいた。
2021年1月8日(金)に2020年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:8名)
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MTシステムと市販AIソフトの予測比較」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
内容は会社都合により省略
2.「ねじ緩みの不具合に対する機能性評価の適用」(日置電機(株) 兒玉光)
2021年2月10日に開催される品質工学実践交流大会にて発表する内容についてアドバイスをいただいた。
機能性評価についての用語の定義、評価方法や、直交表の使い方についてなど、多くの助言をいただく事ができ、私自身機能性評価を理解する大変良い機会となった。
3.「はんだ付け装置の条件設定」 ((株)JVCケンウッド長野)
@はんだ付け条件
はんだ付け温度について、L18の直交表を使用し装置条件を変えて測定した。
結果、影響が大きい装置パラメータがわかった。
Aブリッジ低減条件
ブリッジが発生しづらい条件をL18の直交表を使用し良品率で確認した。
結果、速度や移動量など最適な装置パラメータがわかった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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