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品質工学会誌(2015年6月号)
長野県品質工学研究会
 2015年3月13日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す講演、事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【講演】
「To improve Quality, don't study Taguchi Method, but practice Taguchi Method」 (長野県品質工学研究会 顧問 原健一)
長野県品質工学研究会草創期から活動された原顧問より、品質工学との出会い、業務への応用、定年退職後の社会貢献活動について発表があった。氏は品質工学を単に「勉強する」のではなく、実務で「実践する」ことの大切さを訴えた。氏は顧問としては会を離れるが、今後もいろいろとアドバイスをいただきたいと考えている。
【事例発表】
「ヒータチップ形状の検討」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
自動半田付装置に用いるヒータチップを内製したところ、目標温度分布±20℃に対し150℃の温度差が発生した。そこで、パラメータ設計により温度均一化の為のヒータ形状を解析により求めた。発熱量はジュールの法則からQ=i^2・R・tで求められるが、抵抗値が発熱とともに変化する事から標準SN比で解析する事とした。入力は電源投入からの時間とし、その時の温度を出力とした。ヒータチップ形状を制御因子・ノイズはヒータの場所とし18モデルを作成し解析した。要因効果図より最適形状を求めた結果、温度差約44℃まで改善でき、さらに形状の微調整で、温度差16℃まで改善出来るモデル形状を得た。さらに実際に、比較形状と最適形状でヒータチップを作製し、温度計測を行った結果、解析の温度差と一致し、最適形状品の温度差は15℃と目標を達成する事が出来た。
【共通テーマ】
「オンライン品質工学について」
前回に引き続き、長野県工業技術総合センターの試験機器について、損失関数を用いて最適な保守点検間隔を検討した。損失額Aについて、企業の依頼に応えられないことによる企業側の損失も計上する必要がある。そこを追跡するためには利用企業にアンケートを取るなど、調査を行う必要があるとの意見があった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)

 
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