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品質工学会誌(2019年6月号)
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2019年6月29日 12時15分
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長野県品質工学研究会
2019年2月1日(金)、品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザにて開催した。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 中西徹
2)品質工学実践事例(3件)
「技術開発に品質工学を活用しよう」長野県工業技術総合センター 児野武郎
「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」日置電機(株) 兒玉光、高橋博之
「パラメータ設計を用いた、モータ設計」日本電産(株) 三宅拓郎、塚本ちさと
3)ポスターセッション・相談会※事例発表ポスター前で発表者とのディスカッション
4)特別講演会「SKYACTIVエンジン開発への品質工学の適用とその展開」マツダ(株) 武重伸秀
2019年2月8日(金)、第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す5つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法を用いた衝撃試験機の条件出し」 (長野県工業技術総合センター 古布諭)
衝撃試験の試験条件は、製品によって異なる。これまで衝撃試験機の設定は、実績をもとに、トライ&エラーで行ってきたが、今回、T法を活用し設定を予測できるか検討した結果、実測と予測の相関がよいことが分かった。今後、Excelで予測システムを作る。
(2)「なでしこリーグの観客動員数に影響を与えている因子の研究 AC長野パルセイロレディース編」 (日本電産サンキョー(株) 中西徹)
あるなでしこリーグの観客動員数の変動原因をT法にて調べてみた。目的変数はホームゲーム開催時の観客動員数で、説明変数は、対戦相手・天気・気温・得失点他 全39項目とした。人気チームの時に増える事、大量得点が予想されるカードや、勝った次のゲームで動員数が増える等の結果が得られた。
(3)「タイトルおよび内容は会社都合により省略」(日置電機(株) 兒玉光)
(4)「T法における項目選択についての提案(選択から調整へ)」(信州大学 岩下幸廣)
T法における項目選択について、Excelでのソルバーを使用した事例を紹介した。また、それについて議論を行った。
(5)「新しいSN比計算式の提案」(KOA(株) 守谷敏)
従来のSN比計算式は、全実験番号の信号因子の水準数、水準値を同じにして計算しないと値が変わってしまい、評価できないという問題があった。そのため、実験番号ごとに信号因子が異なっても使えるエネルギー比型SN比や、同一の実験番号の誤差によって信号因子が変わっても使える前田式SN比が提案されている。そこで今回、最もシンプルで、どんな信号因子にも対応したSN比計算式の提案を行った。考え方はタグチのSN比そのものである。研究会でもう少し検証してから公開する予定である。
2019年3月8日(金)、第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す4つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「標準SN比と望目特性のSN比の解説」((有)増田技術事務所 増田雪也)
標準SN比と望目特性のSN比について、初心者向けに解説した。品質工学を道具として活用できれば十分なので、細かな点を説明しないことで理解度が向上すると考えている。
(2)「MT法の波形の特徴化の方法について」(日本電産サンキョー(株) 中西徹)
最近、MT法を搭載したPLCが発売された事もあり、有効な特徴化の方法の検討と項目選択の有効性を検討した。 複数の特徴量を取入れる事で判別しにくい波形のMD値が約4倍にまであがった。項目選択をした方が更に判別精度は上がるが、未知の不良への対応等を考慮すると項目選択はしない方がよさそうである。
(3)「標準SN比を使った事例紹介」(日置電機(株) 兒玉光)
標準SN比を使用して周波数特性の改善検討をおこなった事例の紹介をおこなった。標準SN比を用いることで、非線形対象についてもロバスト性を確保できること、さらに、理想の波形にチューニングできることが分かった。また、標準SN比の算出過程に一部誤りがある事を指摘いただいたため改善を行う。
(4)「GR&Rの結果をSN比で求めてみたけど・・・」(日本電産(株) 塚本ちさと)
GR&Rは取ったデータに左右されてしまう事があるので、エネルギー比型SN比で計算した。SN比での判断の仕方やGR&Rのデータの取り方についてディスカッションした。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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