長野県品質工学研究会の活動報告(2024年8月&9月)
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2024年9月27日 09時14分
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長野県品質工学研究会
2024年8月9日(金)に2024年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「経常研究についての相談ーT法を用いた衝撃試験と温度の関係の解析」 (長野県工業技術総合センター 古畑美咲)
衝撃試験機と温度の関係をT法を用いて解析を行いたいと考えている。
試験機の様子や現状の問題点を説明し、モデル式やデータの収集方法等についてアドバイスをいただいた。
2.「最適条件だけで確認実験する方法(利得でチェックしないやり方)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
RQES2024Sで学会発表した「確認実験における利得を考慮した条件設定に関する研究」に基づき、今後の確認実験の方法を検討した。利得で再現性をチェックせず、最適条件だけで再現性をチェックする方法を紹介した。
3.「AIと品質工学を考える(コーヒーブレイク)」(長野県工科短期大学校 宮嶋隆司)
別機関で2022年3月に講演発表した内容の一部を紹介した。初学者向けに(1)回帰分析はAIか?、(2)品質工学って何?といった2つの話題を取り上げたものである。話題(1)は、国によるAI、機械学習、深層学習の定義と、それらの関係から考えていくもの、話題(2)は、品質工学が品質管理とは異なるものであることの理解促進を目的に、それぞれの学会における用語(品質)の定義の違いなどを紹介し、比較整理を試みたものである。
2024年9月13日(金)に2024年度の第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「研究開発の経済性」 (顧問 岩下幸廣)
技術開発推進に当たっては、経済性を考慮した開発シナリオの検討が必要であるが、その際のテーマの成功確率を含んだ定量的計算方法と具体的例を紹介した。それにより、研究段階で成功確率の低い革新的なテーマも研究段階で取り上げられ、革新的な製品、サービスの実用化に結び付けられる。
2.「MT法でチェックしたい2つの確認事項(なぜチェックする必要があるのか?!)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
MT法で原因診断をする際、2水準系の直交表を用いるが、項目間の交互作用についてはチェックしていない。そこで、再現性(信頼性)の確認として、どのような解析をしたらいいのかを検討した。その結果、解析データを使って、簡単に再現性をチェックできることが分かった。
3.「タイトルおよび内容は会社都合により非公開」 (会社都合により発表者名は非公開)
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年6月&7月)
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2024年7月28日 08時51分
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長野県品質工学研究会
2024年6月18日(火)に2024年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:9名)
以下の1つの事例発表および共通テーマ「ネジ締めにおける機能の評価方法」についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「直交表を使ったパラメータ設計での確認実験の必要性〜増田氏の発表を受けて」 (顧問 岩下幸廣)
L4、L9などの直交表による実験で、要因をすべて使用すると実験値と計算値が一致するので、再現実験が必要となる。L18の場合、要因数から必要な自由度16に対してデータ数は18であるため、要因すべてを使用すると実験値と推定値の相関が高くなってしまい、同様に再現実験が必要である。L18を使って実験値と推定値の相関から再現性を確認するためには、割付数を5以下にする必要がある。
【共通テーマ】
実験に用いるジグについてディスカッションした。
2024年6月18日(火)に品質工学導入講習会(出席者:17名)をオンライン(Zoom)にて開催した。
1 主催者あいさつ、品質工学の概要説明
2「パラメータ設計の基本的考え方」(有)増田技術事務所 増田雪也
3「MTシステムの基本的考え方」東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株) 中山博之
4「オンライン品質工学の考え方」顧問 岩下幸廣
5「長野県品質工学研究会の紹介」長野県品質工学研究会事務局 児野武郎
6「品質工学本格導入のためのセミナー・講演会について」公益財団法人長野県産業振興機構
2024年7月12日(金)に2024年度の第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:X名)
以下の2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「T法を用いた BLDCモータ 回転子 初期アンバランスばらつきの原因究明」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
各寸法を測定し、初期アンバランスに何が効いているのか、T法を用いて分析した。
理論値に沿う結果となったが、突然ばらつく原因は不明のままである為、今後は接着工程などに原因がないか検討する方向へシフトした。
2.「リスク管理への品質工学の適用」 (顧問 岩下幸廣)
リスクRの大きさをR=H*p(H:影響、p:発生確率)とすると、検査での臨界不良率の計算モデルと同様の考察が可能になり、リスクの数値管理(数値評価、対応策の検討、合理的な意思決定、合意、等)が可能になる。
3.「RQES2024Sの発表論文について」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
論文の気になる箇所について、議論した。
L18直交表で、1つの因子が、2つ同じ水準を割り付けていて、要因効果図を見ると差が無いように見えるが、論文には、差があると記載されていた。
どのように差があると判断したのか分からないが、これくらいは差が無いと判断しても良いのではないかという結論に至った。
他にも、ノイズ(N1とN2)があり、N2のみで評価する場面があったが、N1のSN比とN2のSN比が算出されていた。
どのように算出しているのか答えを見出すことが出来なかったが、独自のやり方があるのだろうという結論に至った。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年4月&5月)
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2024年5月27日 16時12分
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長野県品質工学研究会
2024年4月12日(金)に2024年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「基準データ数が少ない場合のMT法計算」 (顧問 岩下幸廣)
MT法において、基準になるデータ数nが項目数+1より小さい場合、逆行列の計算が出来ない。基準のデータ数を大きくすることが基本だが、少ないデータを活用するために、その場合の計算可能な方法を検討した。「@誤圧法An-1個以下の相関行列の組合わせによる方法B相関係数の絶対値が小さい相関係数を0する方法」を事例に適用した結果、A、Bは@の誤圧法より判別力が大きいことが分かった。
2.「再現性のチェックに重きを置かない品質工学」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
RQES2024Sで学会発表予定の「確認実験における利得を考慮した条件設定に関する研究」から、利得の再現性のチェックにはSN比と感度のそれぞれで最大利得となる条件で確認実験する必要性が明らかとなった。そこで、利得の再現性のチェックに重きを置かず、最適条件のみで再現性を大まかにチェックするやり方を模索した。
2024年5月10日(金)に2024年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:X名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【総会】
令和5年度の事業報告および令和6年度の事業計画が承認された。本年度の会員数:16(正会員:10、特別会員:3、顧問:3)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「合同研究会」および「講演会」である。
【事例発表】
1.「直交表実験の実験値と推定値の一致度は、交互作用の大小と関係があるか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
「直交表実験の実験値」と「要因効果図から推定した推定値」は一致するのか?について、2つの事例で検証した。制御因子間の交互作用が小さい場合は一致した。一方、交互作用が大きい場合も一致した。以上のことから、交互作用の大小によらず、直交表実験の実験値と推定値の一致度は高くなることが明らかとなった。
2.「基準データ数が少ない場合のMT法計算方法(2回目)」 (顧問 岩下幸廣)
前回の研究会で、“d-MT法”“p-MT法”を提案した。この方法は、特徴項目数より基準データ数が少なくても計算可能であり、多重共線性を回避できること、誤圧法より判別能力が優れていることを事例によって確認した。また、マルチMT法とも比較した。
3.「品質工学とLCAで実現する循環型社会(エコシステム)〜NICEの活動紹介を兼ねて」(顧問 常田聡)
最近よく耳にする「カーボンニュートラル」や「サーキュラーエコノミー」について、なぜそれが必要なのか気候変動を中心に解説し、
カーボン排出量の評価方法であるLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法と品質工学を上手に組み合わせて活用することを提案した。
具体的な実施事例はまだないがそれほど難しくなく活用できると思われ、機能の定義とノイズ、制御因子といった実験計画と、その結果を評価することに変わりはない。
またカーボン排出量はエネルギー使用量と同等であり、さらにカーボン排出量がコストで表現できることから、かなり品質工学の品質の概念に近いと思われることを報告した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年2月&3月)
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2024年4月3日 10時22分
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長野県品質工学研究会
2024年2月2日(金)、第14回品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)で開催した(参加者:25名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 副会長 増田雪也
2)品質工学の実践事例(3件)
「パラメータ設計を用いた薄型ブラケット旋盤加工の真円度改善」
「MTシステムによる通勤時間に関する研究」((有)増田技術事務所 増田雪也)
「MTシステムを用いた表面粗さ曲線の解析」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
3)特別講演会「AIをMTで評価する」(東京都立産業技術大学院大学 越水重臣)
AI(機械学習・深層学習)およびMT法についての紹介の後、AIが生成したゲームキャラクターの画像を、MT法で判別した結果を紹介いただいた。
人間が判別した結果と大差ない結果となっており、大変興味深かった。
2024年3月8日(金)に2023年度の第11回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:14名)
以下の2つの事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
1.「制御因子を割り付ける「列」を入れ替えて、要因効果図の傾向を観察してみた」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
火縄銃のシミュレーションにおいて、制御因子をL9直交表に割り付ける際、割り付ける列を様々に変えた時の要因効果図を比較した。
その結果、どの制御因子をどの列に割り付けるかによって、要因効果図の傾向が変わることが分かった。時には非線形な成分が現れるケースがあった。
2.「Signal Catcherを用いた表面粗さ曲線の解析」 (長野県工業技術総合センター 児野武郎)
表面粗さ標準片の測定結果から得られた粗さパラメータをMTシステムで解析し、加工方法を判別できるパラメータの探索を行った。その結果、粗さ曲線判別にはRsm(粗さ曲線の平均長さ)やRsk(スキューネス)などが影響していることが分かった。
また、T法を用いてあるパラメータから別のパラメータを推定する試みを行い、高い精度で推定できることが分かった。
解析には自作のソフトに加えて田中精密工業製「Signal Catcher」を用いたが、GAなど自作では難しい解析を行うことができ、より高度な解析を行うことができた。
【特別講演】
「Signal Catcher ver3.0バージョンアップ機能紹介 -多チャンネル機能とその効果-」((株) タナカエンジニアリング 石澤剛士)
MTシステムのソフトウエア「Signal Catcher」のバージョンアップ内容について紹介いただいた。多チャンネル機能を追加したことにより、判別精度を向上させることが可能となった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年12月&2024年1月)
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2024年1月22日 11時33分
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長野県品質工学研究会
2023年12月2日(土)に第20回4県品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)をテクノプラザ岡谷(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。21名(埼玉1名、北陸3名、山梨4名、長野13名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】:参加各県の研究会の活動が報告された。
【各県の事例発表】
・パラメータ設計での推定式の活用(長野県品質工学研究会 岩下氏)
・わかりやすい品質工学の考え方(北陸品質工学研究会 林氏)
・旋削加工の技術開発(品質工学フォーラム埼玉 鷺谷 氏)
・パラメータ設計の社内実習(山梨県品質工学研究会 古江氏)
【討論:ツールとしての品質工学】:何をやれば、品質工学をツールとして使える様になるのか?単純に、社内教育し、実践し、その成果を発表しても、思うように普及しない。では次の手は何なのか?についてディスカッションした
2024年1月12日(金)に2023年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学の○○という考え方は正しいのか?(それ鵜呑みにしてませんか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学のある基本的な考え方「制御因子間の交互作用が大きい場合、そのシステム(技術)は不安定だから使えない」について検討した。この考え方は、「タグチ氏がそう言っている」という説明がされるのみで、根拠が明確に示されていないという大きな問題点があり、品質工学を普及する上での弊害となっている。この考え方の根拠を考えてみたが、根拠を導くことは出来なかった。制御因子とノイズの区別がついていないことが原因で、間違った考え方になってしまっているという結論に至った。
2.「交互作用考慮の方法」 (顧問 岩下幸廣)
回帰分析、T法の推定式での交互作用を考慮した計算方法を検討した。2項での交互作用の場合、説明変数xi、xjの積xi*xjを交互作用の説明変数としてもある程度の推定ができるが、それぞれの説明変数を標準化(x-Av)/σして、その差の絶対値を説明変数にした方がより優れていることが分かった。
3.「ηを計算しないT法の方法」(顧問 岩下幸廣)
T法では、それぞれの説明変数について、βとηを計算し、1/β*ηiΣηを係数として足し合わせて推定式としている。今回は、βを計算し、データと推定式ができるだけ一致する様に最小二乗法で重みづけをする方法を検討した。この方法は、データと相関の高い推定式が得られるだけでなく計算が簡単であり、より実用的な方法である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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